Apple、Siriがユーザーの許可なく会話を記録・保存したとする訴訟で和解
Appleは、Siriがユーザーの許可なくプライベートな会話を記録・保存したとされる訴訟において、最大9,500万ドルを支払うことで和解しました。なお、同社は不正行為を否定していますが、該当する米国ユーザーに補償を提供することで合意しました。
和解内容
補償対象者
- 2014年9月17日から2024年12月31日までの間にApple製品を所有していた米国在住者。
- 対象デバイス:iPhone 6以降のモデル、2014年以降のiPad、Apple Watch、HomePod、2024年以降のMacなど。
補償内容
- 対象デバイス1台につき20ドル、最大で1世帯につき100ドル(最大5台分)。
- 提出される請求件数が少ない場合、支払い額が増える可能性あり。
請求方法
- 和解公式ウェブサイトの公開を待つ(2025年2月頃に開始予定)。
- 該当デバイスの購入証明書やシリアル番号を準備。
- オンラインフォームに記入し、2025年5月15日までに提出。
- Siriが無許可で起動したことを宣誓書にて証明。
訴訟の背景
この問題は2019年に発覚。Siriが「Hey Siri」のコマンドなしで会話を記録し、Appleの請負業者がその録音をレビューしていたと報告されました。この録音には、プライベートな会話や医療情報、ビジネスのやり取りなどが含まれていた可能性があります。
- 原告の体験例:
- 自宅で「Air Jordan」のスニーカーについて話した後、関連広告が表示された。
- 医師との会話後、特定の医療広告が出現したと報告。
Appleはこれらの主張を否定しており、Siriデータは匿名化され、サービス向上のためだけに使用されていると主張しています。
プライバシー問題と広がる影響
AIを活用した音声アシスタントに対する一連の訴訟は以下の通り複数存在します。
- Googleアシスタント: 同様の訴訟がカリフォルニア州で進行中。
- Amazon Alexa: 2023年に、子供の声データを無期限に保持していた問題で2,500万ドルを支払うことで和解。
プライバシーを守るためにできること
プライバシー侵害を防ぐには:
- 自動起動を無効化: Siriの音声認識機能をオフにする。
- 使用を制限: AIアシスタントの利用頻度を見直す。
- 情報を追跡: 集団訴訟の進展をチェックし、自分の権利を確認する。