デジタル庁は2026年7月16日19時25分、公式X(旧Twitter)アカウントで「使用しているクラウドサービスの障害により、マイナポータルにログインできない事象が発生している」と公表しました。同日夕方から、Amazon Web Services(AWS)のCDNサービス「Amazon CloudFront」で世界規模の障害が発生しており、PayPay・ニコニコ生放送・はてなブログ・note等の国内サービスが同時期に相次いで利用しづらくなっていたことから、マイナポータルの障害もこのAWS障害と関連している可能性が高いとみられます。ただし、本稿執筆時点でデジタル庁・AWSのいずれからも、両者を直接結びつける公式な言及はありません。
サマリー
- デジタル庁は2026年7月16日19時25分、公式X(旧Twitter)アカウントで、使用しているクラウドサービスの障害によりマイナポータルにログインできない事象が発生していると公表した
- AWSのステータスページによれば、日本時間の同日16時45分ごろから、CDNサービス「Amazon CloudFront」において「VPC Origins」接続機能を利用する顧客向けに5xxエラー(504 Gateway Timeout等)が増加する障害が発生しており、AWSは調査中であることを表明していた
- 同じ時間帯、PayPay、ニコニコ生放送、はてなブログ、note、Peatix、モバイルSuica(Android)等、複数の国内オンラインサービスで同時多発的にログイン障害・接続障害が報告されており、いずれもAWS CloudFrontの障害と関連付けて報じられている
- マイナポータルの障害発生時刻(17時台から報告が相次ぐ)は、AWS CloudFrontの障害発生時刻(16時45分ごろ)とほぼ一致しており、SNS上や一部の速報記事では、マイナポータルもAWSのクラウドサービスを利用しているためにこの障害の影響を受けたとする見方が広がっている
- ただし、本稿執筆時点で、デジタル庁は「使用しているクラウドサービス」の名称(AWS等)を明示しておらず、AWS側からもマイナポータルへの影響を名指しした公式発表は確認されていない。両者の関連はあくまで発生時刻の一致と、同時期に他の多数のサービスがAWS障害の影響を受けていたという状況証拠に基づく推測にとどまる
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイナポータル障害の公表時刻 | 2026年7月16日19時25分(デジタル庁公式X) |
| デジタル庁の説明 | 「使用しているクラウドサービスの障害」(具体的な事業者名は非公表) |
| AWS CloudFront障害の発生時刻 | 同日16時45分ごろ(日本時間) |
| AWS障害の原因(公式発表) | VPC Origins接続を利用するCloudFront顧客向けの5xxエラー増加 |
| 同時期に影響が報じられた他サービス | PayPay、ニコニコ生放送、はてなブログ、note、Peatix、モバイルSuica(Android)等 |
| 公式な関連付けの有無 | デジタル庁・AWSともに明示的な言及なし(本稿執筆時点) |
何が起きたか-マイナポータルのログイン障害
デジタル庁は2026年7月16日19時25分、公式X(旧Twitter)アカウント(@digital_jpn)で、「現在、使用しているクラウドサービスの障害により、マイナポータルにログインできない事象が発生しています。ご迷惑をおかけいたしますが、復旧までしばらくお待ちいただきますようお願いいたします」と投稿しました。マイナポータルの公式障害情報ページでも、同様の障害情報が案内されています。SNS上では17時台から「マイナポータルにログインできない」との報告が相次いで確認されており、パスポートの発行日確認や離職票の確認等、日常的な行政手続きに利用しようとした利用者から、ログインできない・サーバーエラーが出るといった声が多数投稿されています。
AWS CloudFrontの世界規模障害との時間的な一致
一方、AWSのステータスページ(AWS Health Dashboard)によれば、日本時間の同日16時45分ごろから、CDNサービス「Amazon CloudFront」において、「VPC Origins」という接続機能を利用する顧客向けに5xxエラー(504 Gateway Timeoutを含む)が増加する障害が発生していました。AWSは「VPC Origins接続を利用するCloudFrontの顧客向けに5xxエラーの増加を確認しており、調査を進めている」との声明を公式X(@AWSSupport)で発表しており、通常のS3等、VPC Originsを使用しない接続形態には影響がないとされています。AWSは18時ごろから本格的な調査を開始し、19時15分ごろ(米国太平洋時間3時15分)を目処に追加の状況更新を行うとしていました。
このAWS障害の影響は日本国内の複数のオンラインサービスにも及んでおり、決済アプリのPayPay、動画配信のニコニコ生放送、ブログサービスのはてなブログ、コンテンツプラットフォームのnote、イベントチケットサービスのPeatix、そしてモバイルSuica(Android版)等で、同じ時間帯にログイン障害・接続障害・504エラー等が相次いで報告されました。これらはいずれも、報道機関やSNS上の投稿において、AWS CloudFrontの障害と関連付けて説明されています。
マイナポータルのログイン障害が報告され始めた時刻(17時台)は、AWS CloudFrontの障害発生時刻(16時45分ごろ)とほぼ一致しており、SNS上や一部の速報・まとめ記事では、マイナポータルもAWSのクラウドサービスを利用しているためにこの障害の影響を受けたものとして扱われています。もっとも、本稿執筆時点で、デジタル庁は「使用しているクラウドサービス」の具体的な事業者名(AWS等)を公式には明示しておらず、AWS側からもマイナポータルへの影響を名指しした公式発表は確認されていません。したがって、両者の関連は、発生時刻の一致と、同時期に他の多数の民間サービスがAWS障害の影響を受けていたという状況証拠に基づく、現時点では推測の域にとどまる点に留意が必要です。
情報システム部門への示唆
今回の事案は、政府が提供する行政サービスであっても、パブリッククラウドの大規模障害の影響を免れないという実態を改めて示しています。マイナポータルのような国民生活に直結する行政サービスがクラウド基盤に依存している以上、クラウド事業者側で障害が発生した場合の影響を完全にゼロにすることは困難です。重要なのは、障害発生時に利用者へ迅速かつ正確な情報を提供する体制と、可能な限り早期の復旧を実現する仕組みです。
自組織がAWS等のパブリッククラウドを利用している場合、今回のようにCDNサービスの特定機能(VPC Origins接続等)に限定した障害であっても、広範囲のサービスに影響が及ぶことを踏まえ、AWS Health Dashboardを含む複数の障害情報源を平時から監視できる体制を整えておくことをお勧めします。また、障害発生時の対外説明においては、原因究明が完了する前の段階では、特定のクラウド事業者名を明示するかどうかの判断も含め、正確性と迅速性のバランスを取った情報発信の方針を、あらかじめ社内で整理しておくことが重要です。今回のデジタル庁の対応のように、原因の詳細が確定していない段階でも、影響が発生している事実と復旧に向けた対応状況を速やかに公表する姿勢自体は、利用者の不安を軽減するうえで参考になります。




