ユービーアイソフトが顧客の個人情報を違法に収集しMetaと共有したとして集団訴訟に直面

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ユービーアイソフトが顧客データを違法に収集しMetaと共有したとして集団訴訟に直面

ユービーアイソフトが米国の複数の法律に違反して、無許可で個人を特定できる情報を Meta Platforms と共有したと集団訴訟に直面しています。

ユービーアイソフトの訴状

北カリフォルニア連邦地方裁判所に提出された の訴状では、同社が個人を特定できる顧客情報を違法に収集し、Facebook の所有者である Meta Platformsと共有したとされている。

訴訟を起こした原告は、これは広告キャンペーンの効果を追跡するための Meta の分析ツールである Pixel を使用して行われたと主張している。

訴状には、ユービーアイソフトは自社の Web サイトを通じて収集した顧客データを Pixel に提供することで、情報の所有者から明示的な同意を得ることなく、Meta のより広範な広告ネットワークとデータを共有したと書かれています。

MetaのPixelを利用し無許可で情報共有

10月3日の裁判所提出書類によると、この訴訟では、ユービーアイソフトのPixelの使用が、ビデオプライバシー保護法や盗聴法を含む州および連邦の盗聴法に違反したとも主張されています。

具体的には、原告は、個人を特定できる情報をMeta Platformsと故意に共有することは、電子通信の不正な傍受に相当し、前述の法律で明示的に禁止されていると主張しています。

同社がPixelの使用を開始して以来、ユービーアイソフトから直接ゲームを購入した、またはUbisoft+のメンバーシップ料金を支払った米国市民のデータがMetaに違法に共有されたという。

集団訴訟は、金銭的損害賠償と差し止め命令を求めており、原告はユービーアイソフトに対し、自社のウェブサイトでPixelの使用をやめるか、顧客データをMetaと共有するための明示的な同意を得るよう命じるべきだと提案した。

訴訟ではまた、Ubisoftが将来的にこれらのプライバシー侵害を繰り返さないようにするための追加的な救済策も要求している。

この法的主張は、まだ解決していない別の訴訟であるIntelに対する2021年の盗聴訴訟で使用されたものと似ているとされています。

ユービーアイソフトを取り巻く現状

ユービーアイソフトは直近販売不振や主要人物の退社が続発しています。

スター・ウォーズ 無法者たちの販売不振やアサシン クリード シャドウズの販売延期で株価が急落

スター・ウォーズ 無法者たちの販売不振やアサシン クリード シャドウズの販売延期で2024年9月の同社の株価が10年以上ぶりの最低水準に急落しました。

副社長の離職

ユービーアイソフトで『レインボーシックス シージ』チームを率いる副社長・Cameron Lee(キャメロン・リー)氏の退社がInsider Gamingはじめ、海外メディアで報じられています。

Lee氏は2022年4月にユービーアイソフトに入社しており、LinkedInで確認できるそれ以前の経歴は、Electronic Arts、Bungie、Bioware、Activisionなどでプロデューサー、マネージャー、副社長といった役職に就き、20年以上の業界経験を持つ大ベテランです。 現時点でユービーアイソフトもリー氏側もコメントは一切出していないため退職理由はわかりません。

参照

ユービーアイソフトを『レインボーシックス シージ』チーム率いる副社長が退社―夏頃からベテラン勢の退職相次ぐ

アサシン クリード シャドウズの日本人差別

アサシンクリードシリーズ自体が、入念な歴史考察を行っている主人公の弥助は侍ではないので侍であったかのように事実として捉えられかねない伝え方をし、

さらにファミ通インタビューでUBIの開発陣は弥助を「私たちの侍」と称し「日本人ではない私たちの目になれる人物を探していた」や「日本では斬首は珍しい光景ではありませんでした」といった誤った歴史認識を語ったりしたことで「日本を軽視している」と炎上しました。

また、アサシンクリードシリーズ自体が入念な調査や歴史監修に沿っていると作成し、シャドウズも同様の主張で作成しているにも関わらず可笑しな表現が多数存在し、文化盗用と日本人軽視だと指摘されています。

セクハラの内部告発

ユービーアイソフトの上級社員であったTommy Francois氏がセクシャルハラスメントや暴行などで従業員から多くの告発を受け退社していたことが明らかになりました。

Tommy Francois氏はユービーアイソフトのパリ本社に拠点を置くエディトリアルVP(編集およびクリエイティブサービスの副長)として『アサシンクリード』シリーズの最も上級のクリエイティブマインドを務めており、『ファー クライ』『ウォッチドッグス』『ディビジョン』シリーズなどの舵取りも担当していました。

Francois氏は、同じく女性へのハラスメント問題に関連して同社を辞職したSerge Hascoet氏の右腕でもありました。

また、「女性主人公ではゲームは売れない」として『アサシンクリード』の女性キャラクターの役割を減らし、同作のゲームに女性リーダーを含めるという提案に対して何度も反対していたとされています。

この5年後2020年に告発を受け退社した元副社長のTommy Francois氏と、元クリエイティブ部責任者のSerge Hascoet氏を含む5名で、取り調べのため現在拘留中であるとのこと。パリ地域圏司法警察局は、50人以上の現従業員および元従業員への聞き取りを含む数年にわたる調査の末、逮捕されました。

参照

発覚から3年…2020年にセクハラ告発で退社した元副社長含むユービーアイソフト元幹部5人が逮捕か

ユービーアイソフト上級社員セクハラや暴行の告発を受け退社―『アサシンクリード』シリーズ担当