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Googleは2025年5月5日、Androidの月例セキュリティアップデート(2025-05-01および2025-05-05)を公開し、合計50件以上の脆弱性に対処しました。中でも注目されているのが、FreeTypeライブラリに存在し、実際に悪用が確認されていた「CVE-2025-27363」への対応です。
この脆弱性は標的型ゼロデイ攻撃に使用された可能性があり、GoogleはAndroid利用者に対し早急なアップデートを呼びかけています。
CVE-2025-27363の概要と深刻度
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CVE番号:CVE-2025-27363
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影響ライブラリ:FreeType(v2.13.0以前)
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深刻度スコア:CVSS 8.1(高)
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脆弱性タイプ:アウト・オブ・バウンズ書き込み(メモリ破損)
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悪用状況:限定的だが標的型攻撃での悪用の可能性あり
FreeTypeは文字描画に広く使用されているオープンソースライブラリで、Androidだけでなく他のOSやソフトウェアでも利用されています。この脆弱性により、任意のコードが実行される可能性があり、特にリモートからの攻撃に悪用されると深刻な影響が想定されます。
対応内容とセキュリティパッチレベル
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セキュリティパッチレベル 2025-05-01
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CVE-2025-27363を含む、フレームワークおよびシステムに関する24件の高リスク脆弱性を修正
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他にも、権限昇格(EoP)や情報漏洩(ID)、サービス拒否(DoS)などに分類される脆弱性に対応
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セキュリティパッチレベル 2025-05-05
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MediaTek、Qualcomm、Arm、Imagination Technologiesのチップセット関連脆弱性22件を修正
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カーネルLTSバージョンの更新(例:Android 12搭載端末では5.4.284への更新)
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これらのパッチは、Android 13、14、15を対象としたGoogle Pixelシリーズなどの端末に順次配信されており、パッチレベルが「2025-05-05」になっているデバイスでは全件の脆弱性に対処済みとなります。
ゼロデイとしての背景と対応の経緯
このFreeTypeの脆弱性に関しては、Meta(Facebookの親会社)が2025年3月に初めて実際の悪用を警告。その後、Googleが調査を進め、5月のAndroidアップデートで修正を行いました。
なお、悪用に関する具体的な技術的詳細や攻撃手法、標的となった事例は現時点では公開されていません。