
2025年5月26日、JPCERT/CCは1月に公表したキヤノン製スモールオフィス向け複合機およびレーザービームプリンターにおける複数の境界外書き込みの脆弱性(JVNVU#93455283)について再度注意喚起と追加の脆弱性を発表しました。
この脆弱性は、CVSS基本値9.8(Critical)と評価されており、対象機器をインターネットに接続した状態で運用している場合、遠隔からのコード実行やサービス妨害(DoS)といった深刻なリスクを招くおそれがあります。
対象となる製品と脆弱性の内容
脆弱性が確認されたのは、キヤノンが提供する以下の機種カテゴリです:
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スモールオフィス向け複合機(例:imageCLASS、imageRUNNERなど)
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レーザービームプリンター(Sateraシリーズを含む)
脆弱性は以下のCVE識別番号で管理されています:
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CVE-2024-12647
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CVE-2024-12648
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CVE-2024-12649
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CVE-2025-2146(2025年5月26日追加)
これらはいずれもCWE-787:境界外書き込み(Out-of-bounds Write)に該当し、メモリ操作時に不正な領域にアクセスすることで、攻撃者による任意コード実行が可能になる深刻なバグです。
対策
最も推奨される対策は、キヤノンが提供する最新版ファームウェアへの更新です。対象機種やバージョン、アップデート手順は、キヤノン公式サイトにて公開されています。
即時のアップデートが難しい場合は、以下の運用上の制限をかけることで、リスクの軽減が可能です。
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機器をファイアウォールで保護されたネットワーク内でのみ使用する
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グローバルIPではなく、プライベートIPアドレス範囲で運用する
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インターネットからの直接アクセスを遮断する