イタリアの競争当局は、AppleがApp Storeで導入しているプライバシー機能「App Tracking Transparency(ATT)」の運用について、競争を歪める行為があったとして、Appleに制裁金を科す決定を公表しました。制裁金額は 98,635,416.67ユーロ で、日本円に換算すると 約182億円 に相当します。
概要
当局の判断を要約すると、「プライバシー保護を目的とした設計であっても、その運用が第三者に過度な負担を強い、競争上の不利益を与えている」という点にあります。
ATTでは、アプリが他社アプリやWebサイトを横断してユーザーを追跡する場合、Appleが用意した同意ポップアップで利用者の許可を得る必要があります。しかし、このポップアップだけでは広告関連法制上の同意要件を十分に満たせないケースがあり、第三者アプリは独自の同意画面を追加せざるを得ない状況に置かれているとされました。
結果として、利用者は「同じ趣旨の同意」を短時間で二度求められ、同意率が下がりやすくなる、という構造的な不利が生じると判断されています。
当局は、AppleがiOSアプリ流通において極めて強い立場にある点を前提に、次のような影響を指摘しています。
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第三者アプリは同意取得の手間が増え、ユーザーが離脱しやすくなる
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同意率の低下は、広告収益モデルを採るアプリや広告事業者にとって収益減少につながる
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特に中小規模の開発者ほど影響が大きく、市場競争に不利になる
なお、当局はプライバシー保護そのものを否定しているわけではありません。「同じ目的は、より競争制限の少ない方法でも達成できた可能性がある」という、いわゆる比例性の観点(目的を達成するために採用される手段が、その目的と比べて均衡が取れており、過度であってはならないという法原則)から、ATTの設計と運用が問題視されています。








