Microsoft、2025年4月の月例パッチでゼロデイを含む134件の脆弱性を修正

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Microsoft、2025年4月の月例パッチでゼロデイを含む134件の脆弱性を修正

2025年4月のMicrosoftの月例セキュリティ更新プログラム(Patch Tuesday)では、合計134件の脆弱性が修正されました。そのうち11件が”Critical(緊急)”に分類されており、1件はすでに悪用が確認されているゼロデイ脆弱性です。

ゼロデイ脆弱性:CVE-2025-29824

特に注目されるのは、「Windows Common Log File System Driver(CLFS)」に存在したゼロデイ脆弱性(CVE-2025-29824)です。この脆弱性は「Use After Free」型で、ローカルの認証済み攻撃者がSYSTEM権限を奪取できる恐れがあり、RansomEXXランサムウェアグループによってすでに悪用されていたことが報告されています。CISA(米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁)はこの脆弱性を「既知の悪用済み脆弱性カタログ」に追加し、4月29日までにパッチを適用するよう呼びかけています。

主な緊急レベルの修正項目

以下のようなリモートコード実行(RCE)に関する深刻な脆弱性も多数修正されました:

  • CVE-2025-26686:Windows TCP/IPのRCE。レースコンディションの問題により、ネットワーク経由でのコード実行が可能。
  • CVE-2025-27491:Windows Hyper-VのRCE。Use After Free脆弱性。
  • CVE-2025-27752、CVE-2025-29791:Microsoft Excelのバッファオーバーフローおよび型混乱によるRCE。
  • CVE-2025-27480、CVE-2025-27482:Remote Desktop GatewayのRCE。
  • CVE-2025-26663、CVE-2025-26670:LDAPクライアントにおけるRCE。
  • CVE-2025-27745、CVE-2025-27748、CVE-2025-27749:Microsoft OfficeにおけるUse After Free脆弱性。

脆弱性の種類別内訳

  • 権限昇格:49件
  • セキュリティ機能のバイパス:9件
  • リモートコード実行:31件
  • 情報漏洩:17件
  • サービス拒否(DoS):14件
  • スプーフィング:3件

対象製品

今回のアップデートは、Windows 10/11、Windows Server、Microsoft Edge(Chromiumベース)、Office、Visual Studio、Kerberos、Hyper-V、LDAPなど広範囲な製品を対象としています。Microsoft Edgeのみに関する脆弱性も13件が含まれており、Edgeユーザーもアップデートが推奨されます。

適用の推奨

特にゼロデイ脆弱性やRCEに該当する項目については、被害が発生する前に早急にパッチを適用することが重要です。Microsoftは、Windows 10の一部バージョンについては現在更新が未提供であることを明記しており、後日改めて提供される予定です。

IT管理者やセキュリティ担当者は、早急に自社環境の脆弱性管理を見直し、未適用のパッチがないかを確認する必要があります。