TP-Linkのルーターの脆弱性が悪用の可能性(CVE-2023-33538)

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TP-Linkのルーターの脆弱性が悪用の可能性(CVE-2023-33538)

2025年6月16日、米国土安全保障省サイバーセキュリティ機関CISAは、TP-Link製の複数の廃止済みルーター機種に深刻なコマンド注入脆弱性(CVE-2023-33538)が存在し、実際に攻撃で悪用される可能性があるとして、KEVへ登録しました。Known Exploited Vulnerabilities(KEV)リストに登録されると、米国の連邦組織に対して2025年7月7日までに対策完了が義務付けられます。

対象機種

  • TL‑WR940N V2/V4
  • TL‑WR841N V8/V10
  • TL‑WR740N V1/V2

これらはすでにサポート終了(EoS)または製品寿命を迎えたモデルで、脆弱性修正のアップデート提供も終了しています。

脆弱性の内容

問題は、ルーターのWeb管理画面コンポーネント/userRpm/WlanNetworkRpmにおける入力検証の不備です。

悪意ある要求を送信すると、システムコマンドが実行され、攻撃者が管理権限で任意の操作を行えます。

CVE-2023-33538はCVSS 8.8に相当する高い危険度が付与されており、ネットワーク内の他機器やデータへの横展開リスクも否定できません。

推奨される対策

  • 直ちに該当ルーターの使用を中止し、新モデルに買い替える
  • 廃止機種をどうしても継続使用する場合は、管理画面への外部アクセスを遮断
  • ポートフォワーディングやUPnPを無効化し、必要最小限の通信に制限
  • ネットワーク監視とログ分析で怪しい通信を早期検知