
2025年3月21日、CMSプラットフォーム「a-blog cms」において、深刻な脆弱性が発覚しました。この脆弱性は、特定バージョン以下を使用している環境で、悪意ある第三者により任意のファイルが設置・実行される恐れがあります。
影響を受けるバージョン
- a-blog cms Ver. 3.1.37 未満のバージョン (Ver.3.1.x系)
- a-blog cms Ver. 3.0.41 未満のバージョン (Ver.3.0.x系)
- a-blog cms Ver. 2.11.70 未満のバージョン (Ver.2.11.x系)
- a-blog cms Ver. 2.10.58 未満のバージョン (Ver.2.10.x系)
- a-blog cms Ver. 2.9.46 未満のバージョン(Ver. 2.9.x系)
- a-blog cms Ver. 2.8.80 未満のバージョン(Ver. 2.8.x系)
- a-blog cms Ver. 2.7.x 以下全てのバージョン
3/25時点の各バージョン最新バージョン
- Ver. 3.1.41(Ver. 3.1.x系)
- Ver. 3.0.45(Ver. 3.0.x系)
- Ver. 2.11.74(Ver. 2.11.x系)
- Ver. 2.10.62(Ver. 2.10.x系)
- Ver. 2.9.50(Ver. 2.9.x系)
- Ver. 2.8.84(Ver. 2.8.x系)
Ver. 2.7系以下であっても脆弱性はあるため、Ver. 2.8以上へのアップデートを推奨しています。
また、php7.0未満である場合、出来ればphp7.0以上へアップデートすることにより、よりセキュアにすることができるとのこと
緩和策
CMSアップデート前提ですが、アップデートするまでの応急処置として、以下ディレクトリ・ファイルを削除が提案されています。
- php/vendor/guzzlehttp/guzzle/src/Cookie
- php/vendor/guzzlehttp/psr7/src/FnStream.php
- php/vendor/phpseclib/phpseclib/phpseclib/File
- php/vendor/phpseclib/phpseclib/phpseclib/Math
- php/vendor/phpseclib/phpseclib/phpseclib/Net
- php/vendor/phpseclib/phpseclib/phpseclib/System
なぜ脆弱性アップデートが“今すぐ”必要なのか?
今回のようなCMSの脆弱性が公表された際、攻撃者はその情報を即座に収集し、自動化されたスキャンツールなどを使って脆弱なシステムを世界中から探し始めます。
脆弱性の公表からアップデート未適用の期間が長ければ長いほど、攻撃のリスクが指数関数的に高まります。
また、アップデートだけでなく、PHP本体のバージョンが古いままであることもセキュリティホールとなり得ます。たとえば、PHP 7.4以下は公式サポートがすでに終了しており、どれほどCMS側がアップデートされていても、PHPそのものに未修正の脆弱性が残っていれば、攻撃対象となるリスクは消えません。
情報システム部門への推奨アクション
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脆弱性の影響範囲の正確な把握
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管理しているa-blog cmsの全バージョンを確認
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過去のカスタムコードや未使用プラグインも含めた棚卸し
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アップデート作業の優先順位付け
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外部公開しているCMSから順に対応
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検証環境での事前テストと、本番反映の手順整備
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継続的なセキュリティ更新体制の整備
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CMSベンダーのリリース情報を定期ウォッチ
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WAFや脆弱性スキャンツールによる自動化チェックの導入
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CMSの脆弱性は、単なるソフトウェアの不具合ではなく、「事業へのリスク」そのものです。今回は明確に攻撃が確認されていることから、“今すぐ対応すべきセキュリティ案件”と位置付けてください。
攻撃されてからでは遅く、ログ改ざんやバックドア設置など、目に見えない被害が潜むこともあります。まずはアップデートの実施と、サーバー内に不審なファイルが存在しないかの確認から、最初の一歩を踏み出してください。