
有限会社アップルップルが提供するコンテンツ管理システム「a-blog cms」において、複数の重大な脆弱性が報告されました。JPCERT/CCおよび開発元の公開情報によれば、今回発見された脆弱性は、パストラバーサル、クロスサイトスクリプティング(XSS)、サーバサイドリクエストフォージェリ(SSRF)、ログ出力処理の不備など、複数のカテゴリにわたり、深刻な影響を及ぼす可能性があるとされています。
主な脆弱性の概要
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CVE-2025-27566(パストラバーサル/CVSS 3.8)
バックアップ機能のパス検証が不十分で、管理者権限を持つ攻撃者がサーバー上の任意ファイルを取得・削除する可能性があります。 -
CVE-2025-32999(XSS/CVSS 5.4)
投稿者権限以上のユーザーが、エントリー編集画面の特定フィールドを利用してスクリプトを埋め込むことで、他ユーザーのブラウザ上で任意コードを実行できる恐れがあります。 -
CVE-2025-36560(SSRF/CVSS 9.2)
細工されたリクエストを通じて、外部から内部ネットワークへのアクセスを可能とするサーバサイドリクエストフォージェリ。外部の重要リソースや管理系サービスに接続されるリスクが高く、特に危険性が高いと評価されています。 -
CVE-2025-41429(ログ出力処理不備/CVSS 4.8)
ログファイルに不正な内容を記録させることで、セッションハイジャックやXSSなど他の攻撃に繋げることができる可能性があります。
これらの脆弱性は単独でも深刻な問題を引き起こす可能性がありますが、組み合わせて利用されることで、正規ユーザーのセッションを乗っ取るなどの複合的な攻撃が成立する恐れも指摘されています。
影響を受けるバージョン
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Ver. 3.1.43以前の3.1.x系
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Ver. 3.0.47以前の3.0.x系
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Ver. 2.11.75以前の2.11.x系
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Ver. 2.10.63以前の2.10.x系
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Ver. 2.9.52以前の2.9.x系
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Ver. 2.8.85以前の2.8.x系
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Ver. 2.7.xおよびそれ以前(※すでにサポート終了)
開発元は、すでにサポートが終了しているバージョンにも影響が及ぶことを明言しており、古いバージョンを使用中のサイトは特に注意が必要です。
推奨される対応策
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最新版へのアップデート
各脆弱性に対応した修正版がすでに提供されています。最新版に速やかにアップデートすることが最も有効な対策です。 -
ワークアラウンドの実施
CVE-2025-36560およびCVE-2025-41429に関しては、開発者からワークアラウンド(暫定対処法)も提供されています。詳細はアップルップルの告知ページを参照してください。