アスクルは、10月19日に発生したランサムウェア攻撃に伴うシステム障害について、2025年11月6日 第6報として復旧計画の具体化を公表しました。
復旧の優先順位は事業所向けのASKULサービスに置かれ、まずは安全性と安定稼働を確認しながら段階的に対象範囲を広げていく方針です。
なお、10月31日の公表時点で同社が保有する情報の一部流出は確認済みで、対象の顧客・取引先には順次個別連絡が実施されています。個人情報保護委員会への報告や警察への相談も進めているとしています。
目次
復旧の基本方針
同社は、顧客企業の業務継続を最優先に位置付け、まずASKUL(事業所向け)を先行で立て直す方針を明示しました。
短期は安全に動かせる範囲を確実に回すことを重視し、通常の倉庫管理システム(WMS)に依存しない手運用を暫定で組み合わせながら、出荷拠点と品目を段階的に増やしていきます。運用の性格上、通常よりも配送に時間を要することが想定される点が繰り返し案内されています。
ASKULサービスの段階的再開(第1弾→拡大→第2弾→本格復旧)
第1弾
第1弾のトライアルは10月29日に始まり、医療機関・介護施設を含む一部顧客を対象に、FAXによる注文でコピーペーパーやタオル、トイレットペーパー、ゴミ袋など箱単位・37アイテムの出荷を再開しました。
出荷拠点は新木場物流センターとASKUL大阪DCの2拠点からのスタートです。
ここで得られた運用結果をもとに、11月12日からは同じFAX注文のスキームで対象顧客と品目、出荷拠点を広げます。
品目は介護用おむつや飲料、洗剤、飲食消耗品などを加えて237アイテムに拡張され、ASKUL仙台DC、横浜DC、名古屋DC、関西DC、福岡DCの5拠点が追加されます。これにより拠点数は計7拠点となり、追加拠点からの出荷は11月7日から順次始まります。もっとも、当面の出荷能力は従来の1~2割程度にとどまる見通しで、納期は通常より長めになる前提です。
第2弾
第2弾は11月中の開始を予定し、対象顧客を広げながら注文チャネルをFAXに加えてソロエルアリーナのWebサイトでも再開します。箱単位の237アイテムに加えて、医療機器や衛生材料などメディカル関連の単品約470アイテムの販売を段階的に再開し、前者は7拠点、単品のメディカル品はASKUL東京DCからの出荷となります。
いずれも手運用を併用する移行期のため、能力は第1弾と同程度と説明されています。
12月上旬以降は本格復旧フェーズ
安全性と安定稼働が確認でき次第、12月上旬以降は本格復旧フェーズに移行し、ASKULのWebサイトで通常の注文を受け付け、箱単位ではない単品注文や在庫全商品の出荷など平常運用に近い体制へ戻す計画です。以降は稼働センターを順次拡大するとしています。
その他サービスの状況(LOHACO、パプリ、ビズらく、SOLOEL など)
消費者向けのLOHACOは現時点で出荷トライアルの対象外で、再開時期は確定次第の案内となります。印刷サービスの「パプリ」は11月中旬から一部顧客向けにFAXでの注文再開を予定しており、対象者には個別通知する方針です。
法人向け「ビズらく」とBtoBプラットフォームの「SOLOEL」は、システムとWebサイトの安全確認が済み、通常サービスを提供中です。
ただし、SOLOEL内でサプライヤーとしてのアスクル株式会社が担う出荷は停止されており、ここは別途再開時期の告知を待つ必要があります。
また、外部カタログ連携(直販モデル含む)は現時点でトライアル対象外です。
なお、グループ会社ASKUL LOGISTの3PL業務(良品計画など)に関しては、本リリースに示されたスケジュールとは別で動く点が注記されました。








