EDR 製品 比較 9選 製品タイプや導入時の注意点も解説

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EDR製品比較9選 製品タイプや導入時の注意点も解説
【この記事でわかること】

EDR(Endpoint Detection & Response)製品9選を、提供方式・EPP/XDR機能・価格・対象規模・サポート体制の7軸で横断比較します。製品ごとの強みと適した企業規模をまとめた早見表と、企業規模・運用体制別のおすすめ選び方も掲載しています。

サイバー攻撃の高度化・ランサムウェア被害の多発を受け、エンドポイントの「侵入後対処」を担うEDR製品の導入が急速に広まっています。一方で「製品が多すぎてどれを選べばいいかわからない」という声も多く聞かれます。本記事では主要9製品を比較表形式でまとめ、自社に合った製品を選ぶための判断軸を解説します。

EDRとは(おさらい)

EDR(Endpoint Detection & Response)とは、PCやサーバーなどエンドポイントの挙動をリアルタイムで監視し、マルウェアの侵入・異常な動作を検知・分析・封じ込める製品です。従来のアンチウイルスが「侵入を防ぐ」のに対し、EDRは「侵入されることを前提に素早く対処する」という思想に基づいています。

近年のランサムウェアや標的型攻撃はパターンマッチングをすり抜けるゼロデイ・ファイルレス攻撃が主流となっており、EDRなしではインシデント発見が大幅に遅れるリスクがあります。詳細は「EDRとは 意味やウイルスソフトやUTMとの違いを解説」もご参照ください。

EDR・EPP・XDR・UTMの違い

セキュリティ用語が混同しやすいため、それぞれの役割とEDRとの関係性を整理しました。

製品カテゴリ 主な役割 守る範囲 EDRとの関係
EPP / NGAV マルウェアの侵入を「防ぐ」 エンドポイント EDRと組み合わせるのが標準
EDR 侵入後の挙動検知・封じ込め エンドポイント 本記事の対象
XDR 複数レイヤー横断の検知・対応 端末+NW+メール+クラウド EDRの上位互換・包含関係
UTM ネットワーク境界の防御 ネットワーク EDRと役割が異なり補完関係
MDR EDR/XDRの運用を外部委託 エンドポイント〜広域 EDRを含むマネージドサービス

EDR導入のメリット・デメリット

メリット

  • 未知の脅威への対応:既知パターンに依存しない振る舞い検知により、ゼロデイ・ファイルレス攻撃を検知できます。
  • 迅速な封じ込め:感染端末をネットワークから隔離し、横展開による被害拡大を防止します。
  • インシデント調査の効率化:アクティビティログの記録によりフォレンジック調査(感染経路の特定)が容易になります。
  • 規制対応への寄与:政府機関・金融機関向けのセキュリティガイドラインでEDR導入が求められるケースが増えています。

デメリット・注意点

  • 運用リソースが必要:日々のアラートへの対応・調査を行う担当者が必要です。リソース不足の場合はMDR(運用代行)を検討してください。
  • コストがかかる:端末数・ユーザー数に比例してコストが増加します。EPP・XDRとの統合コストも考慮が必要です。
  • EDR単体では侵入は防げない:EDRは事後対応に特化しているため、EPP/NGAVとの併用が前提となります。

9製品 横断比較表

主要9製品を7つの評価軸で横断比較しました。詳細は各製品のセクションをご参照ください。

 

製品名 提供方式 EPP機能 XDR機能 MDR/運用代行 料金の目安 対象規模
Microsoft Defender for Business(Microsoft) クラウド ✓ OS標準 △ 別途 449円/月・1ユーザー 中小企業
Elements Endpoint Protection(WithSecure) クラウド 要問合せ 中小〜大
ESET PROTECT MDR(ESET) クラウド/オンプレ 要問合せ 中小〜大
LANSCOPE サイバープロテクション(モトックス) クラウド 要問合せ 中小〜大
SKYSEA Client View + FFRI yarai(Sky / FFRIセキュリティ) クラウド/オンプレ 要問合せ 中小〜大
SentinelOne XDR(SentinelOne) クラウド 要問合せ(3段階) 中〜大企業
Symantec Endpoint Security(Broadcom) ハイブリッド 要問合せ 中〜大企業
Trend Vision One – Endpoint Security(トレンドマイクロ) クラウド/オンプレ 要問合せ 中〜大企業
EISS(セキュアイノベーション) クラウド △ 定期診断 1,800円/年・1台 中小企業

※「要問合せ」の製品はエンドポイント数・機能構成・サポートレベルによって大きく変動します。複数ベンダーに見積もりを依頼し、3年間の総保有コスト(TCO)で比較することを推奨します。

各製品の詳細・特徴

Microsoft Defender for Business

Microsoftが提供するEDRソリューション。第三者テストでの高評価が続き、信頼性は業界トップクラスです。OS標準搭載のMicrosoft Defender Antivirusとの組み合わせでEPP機能もカバーできます。Microsoft 365 Business Premiumに含まれるため、すでに同スイートを利用している企業はコスト追加なしで導入可能です。

  • 提供方式:クラウド
  • EPP/XDR機能:EPP:OS標準搭載 / XDR:Microsoft Sentinel(別途)
  • 料金:449円/月・1ユーザー(最大5デバイス)
  • こんな企業に:Microsoft 365利用中の中小企業、コスト重視の初期導入

参考:Microsoft Defender for Business|Microsoft

Elements Endpoint Protection

WithSecureが提供する、ブラウザから導入可能なエンドポイント保護プラットフォームです。EPP・EDR・脆弱性管理が単一プラットフォームに統合されており、2,500以上のソフトウェアに対応したパッチ管理機能も備えます。WithSecureのMDRサービスとの組み合わせで運用代行も可能です。

  • 提供方式:クラウド
  • EPP/XDR機能:EPP:✓ / XDR:一部機能あり
  • 料金:要問合せ
  • こんな企業に:EPP・パッチ管理・EDRをまとめて一元管理したい企業

参考:Elements Endpoint Protection|WithSecure

ESET PROTECT MDR

EDR・XDR・デバイス保護・ディスク暗号化までを包括的にカバーするセキュリティプラットフォームです。必要な機能モジュールを選択して購入できる柔軟な構成が特徴。サンドボックス技術により未知の脅威にも対応し、ESETのMDRサービスで24時間365日の運用代行が可能です。

  • 提供方式:クラウド / オンプレミス
  • EPP/XDR機能:EPP:✓ / XDR:✓
  • 料金:要問合せ(モジュール選択式)
  • こんな企業に:オンプレ環境が必要な企業、段階的にセキュリティを拡張したい企業

参考:ESET PROTECT MDR|ESET

LANSCOPE サイバープロテクション

EDRとEPPが統合された国産セキュリティ製品です。2023年のテストではマルウェア検知率99%を記録しています。AIによる予測脅威技術でマルウェアが展開される前に検知・隔離が可能です。日本語サポートが充実しており、国内企業の導入実績も豊富です。

  • 提供方式:クラウド
  • EPP/XDR機能:EPP:✓ / XDR:—
  • 料金:要問合せ
  • こんな企業に:日本語サポートを重視する企業、国産製品を求める中小〜中堅企業

参考:LANSCOPE サイバープロテクション

SKYSEA Client View(FFRI yarai連携)

IT資産管理・ログ管理ソフト「SKYSEA Client View」に、オプションでEDR製品「FFRI yarai」を連携させる構成です。FFRIが検知したマルウェアをSKYSEAが自動隔離します。資産管理・ログ管理からセキュリティ対策までを一元管理したい企業に向いています。

  • 提供方式:クラウド / オンプレミス
  • EPP/XDR機能:EPP:— / XDR:—
  • 料金:要問合せ
  • こんな企業に:資産管理・ログ管理も合わせて一元化したい企業、運用のシンプルさを重視

参考:SKYSEA Client View|サイバー攻撃対策

SentinelOne XDR

AIによるふるまい検知で業界最高水準の検知精度を誇るXDR製品です。3段階のパッケージ構成で企業の要件に合わせた選択が可能です。過検知を防ぐホワイトリスト機能、24時間365日の問い合わせ対応、エンドポイントの自動修復(ロールバック)機能など、サポート面での強みが際立ちます。

  • 提供方式:クラウド
  • EPP/XDR機能:EPP:✓ / XDR:✓
  • 料金:要問合せ(3段階のパッケージ)
  • こんな企業に:高精度な検知・自動対応を求める中〜大企業、24時間サポートが必要な環境

参考:SentinelOne|エンタープライズ セキュリティ AI プラットフォーム

Symantec Endpoint Security

PC・Mac・スマートフォンを含むあらゆるOSに対応した統合エンドポイントセキュリティです。機械学習による高度な分析に加え、エンドポイント内にデコイ(囮)ファイルを配置して攻撃者を誘い込む独自の欺瞞技術が特徴です。クラウド・オンプレミス・ハイブリッドすべての環境に対応します。

  • 提供方式:クラウド / オンプレミス / ハイブリッド
  • EPP/XDR機能:EPP:✓ / XDR:✓
  • 料金:要問合せ
  • こんな企業に:マルチOS環境・オンプレ混在環境の大規模組織、高度な標的型攻撃対策が必要な企業

参考:Symantec Endpoint Security

Trend Vision One – Endpoint Security

EPP・EDR・XDRが一体化した統合プラットフォームです。PC・クラウド・サーバーを問わずあらゆるエンドポイントを一元監視できます。ポリシー管理から隔離・駆除までを単一コンソールで完結でき、セキュリティ運用の効率化に貢献します。国内シェアが高く、日本語サポート体制も充実しています。

  • 提供方式:クラウド / オンプレミス
  • EPP/XDR機能:EPP:✓ / XDR:✓
  • 料金:要問合せ
  • こんな企業に:複数拠点・ハイブリッドクラウド環境、国内実績を重視する中〜大企業

参考:Trend Vision One™ – Endpoint Security|トレンドマイクロ

EISS(アイズ)

株式会社セキュアイノベーションが提供する中堅・中小企業専門のEDR製品です。年額1,800円/台という低コストが最大の特徴で、週1回の定期診断により侵害の早期発見を支援します。90日間のログ保管でインシデント発生時のフォレンジック調査にも対応しています。セキュリティ予算が限られた企業の第一歩として最適です。

  • 提供方式:クラウド
  • EPP/XDR機能:EPP:— / XDR:—
  • 料金:1,800円/年・1台(業界最安水準)
  • こんな企業に:セキュリティ予算が限られた中小企業、EDR初導入を低コストで始めたい場合

参考:EISS(アイズ)|セキュアイノベーション

企業規模・運用体制別おすすめ

  • 中小企業(専任担当者なし) 👉 『EISS』 または 『Microsoft Defender for Business』 低コスト・低運用負荷で始められる製品を優先。EISSは年額1,800円/台、Defenderは既存のM365環境に追加しやすいのが魅力です。

  • 専任担当者あり・運用を自社で完結 👉 『SentinelOne XDR』 または 『ESET PROTECT MDR』 高精度なふるまい検知と充実したコンソールを持つ製品。ログ・アラートを自社で分析できるリソースがある場合に最大効果を発揮します。

  • 大企業・複数拠点・ハイブリッドクラウド 👉 『Trend Vision One』 または 『Symantec Endpoint Security』 XDR統合・マルチOS対応・オンプレハイブリッド対応が充実した製品。国内拠点が多い場合はトレンドマイクロの国内サポート体制が強みになります。

  • MDR・運用代行を活用したい 👉 『ESET PROTECT MDR』 または 『Elements Endpoint Protection』 製品にMDRサービスが付属またはオプション提供されており、セキュリティ監視を外部に委託できます。運用リソースが足りない企業に最適です。

自社に合ったEDRの選び方

EDRはあくまでも課題解決の手段です。導入前に以下の5つの観点で自社の要件を整理してください。

判断軸 確認すべき内容 選択への影響
①運用体制 専任のセキュリティ担当者がいるか。24時間対応が必要か。 担当者なし → MDR付き製品を選択
②EPP/XDR統合 既存のEPPと統合できるか。XDRまで必要か。 統合が必要 → EPP同梱 / XDR対応製品
③提供方式 クラウドのみか。オンプレ・ハイブリッド環境が必要か。 閉域NW・機密情報 → オンプレ対応製品
④対象OS Windows以外(Mac・Linux・スマホ等)の端末が多いか。 マルチOS → SentinelOne・Symantec等
⑤予算・TCO 3年間の導入・運用コスト(TCO)総額はいくらか。 コスト重視 → EISS・Defender等

選び方の詳細は「EDRのおすすめ製品と選び方のポイント」もあわせてご参照ください。

導入時の注意点・導入ポイント

要件定義・環境確認

  • 目的の明確化:「何を解決したいか」を明文化します。検知精度強化・インシデント対応効率化・規制対応など目的によって必要な機能が変わります。
  • 環境の棚卸し:管理対象端末の台数・OS・ネットワーク構成を整理し、導入予定製品の動作要件と照合します。
  • 既存製品との整合性:既にEPPやUTMを導入している場合、連携・競合の有無を確認します。

運用ポリシーの策定

EDRを導入しても運用方針が定まっていないと、アラートに対応できず実効性がなくなります。最低限以下の3点を事前に決めてください。

  • 管理運用責任者:アラートを一次受けする担当者と、エスカレーション先を決定します。
  • 収集データの取り扱い方針:個人情報・業務データのログ収集範囲と保管期間を明確にします。
  • インシデント対応フロー:検知→トリアージ→隔離→報告→復旧までの手順をフロー化しておきます。

人材育成・教育とPoCの推奨

EDRが発するアラートを適切に判断できる人材が必要です。ベンダーの研修プログラムの活用や、インシデント対応訓練を定期実施しましょう。担当者が確保できない場合はMDRサービスへの委託が有効です。

また、本番導入前には一部の端末でPoC(概念実証・トライアル)を実施し、自社環境での誤検知率や管理画面の操作性を確認することを強く推奨します。多くのベンダーが無料評価ライセンスを提供しています。

よくある質問(FAQ)

Q. EDRとEPP・NGAVの違いは何ですか?

EPP・NGAVはマルウェアの侵入を「防ぐ」製品です。EDRは侵入されることを前提に、侵入後の挙動監視・検知・封じ込めを行います。侵入を完全に防ぐことは困難なため、EPPとEDRを組み合わせるのが標準的な構成です。

Q. EDRとXDRの違いは何ですか?

EDRはエンドポイント(PC・サーバー)に特化した製品ですが、XDRはエンドポイントに加えてネットワーク・メール・クラウドなど複数のレイヤーを横断して分析します。XDRはEDRの上位互換にあたります。

Q. 中小企業でもEDRは必要ですか?

はい、必要です。ランサムウェア被害はセキュリティ体制が手薄な中小企業に集中する傾向があります。EISS(年額1,800円/台)やMicrosoft Defender for Business(449円/月)など、低コストで導入できる製品から始めることをおすすめします。

Q. EDRの導入コストはどのくらいですか?

廉価帯ではEISSが年額1,800円/台、Microsoft Defender for Businessが449円/月・1ユーザーから利用できます。エンタープライズ向け製品は端末数・サポートレベルによって変動するため要問合せとなります。導入コストだけでなく3年間の運用コスト(TCO)で比較することが重要です。

Q. EDR製品を選ぶときに最も重要なポイントは何ですか?

①自社の運用体制(専任担当者の有無・MDR利用意向)、②EPP/XDRとの統合要否、③クラウドかオンプレミスか、④管理対象デバイスのOS種類、⑤予算規模、の5点が主要な判断軸です。運用リソースが乏しい場合はMDRサービス付き製品を優先検討してください。

Q. EDRとUTMは組み合わせる必要がありますか?

UTMはネットワーク境界での防御を担い、EDRはエンドポイントの侵入後対処を担います。守る範囲が異なるため、多層防御の観点から両者を組み合わせることが推奨されます。詳細は「EDRとUTMとの違い」の関連記事をご参照ください。

まとめ

EDR製品は機能・コスト・運用体制への要求が製品ごとに大きく異なります。自社の課題・環境・予算を整理した上で複数製品のPoCを実施することが、導入成功への近道です。

  • EDRは侵入を前提とした検知・封じ込め製品であり、EPP/NGAVとの併用が基本
  • XDRはEDRの上位概念で、ネットワーク・クラウドを含む広域監視が可能
  • コスト重視の中小企業には『EISS』(年額1,800円/台)や『Microsoft Defender for Business』(449円/月)が有力候補
  • 運用リソースが不足している場合は『ESET PROTECT MDR』や『Elements Endpoint Protection』などMDRサービス付き製品を優先検討する
  • 大規模・ハイブリッド環境には『Trend Vision One』または『Symantec Endpoint Security』が適している
  • 導入前のPoC実施と、3年間のTCOによるコスト比較が製品選定の鍵となる

関連記事:EDRとは 意味やウイルスソフトやUTMとの違いを解説  ESETのEDRってどうなの?  Microsoft Defender for Endpointとは

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