EDR 製品 比較 9選 製品タイプや導入時の注意点、公的機関のガイドラインに学ぶ選び方も解説

情報セキュリティ

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EDR製品比較9選 製品タイプや導入時の注意点も解説

EDR(Endpoint Detection and Response)は、PCやサーバーなどの端末で発生する不審な挙動を検知し、攻撃の調査や端末の隔離などの対応を支援するセキュリティ製品です。製品によって、収集できるログ、調査機能、封じ込めの方法、運用代行サービスとの組み合わせが異なります。

EDRを選ぶ際は、「どの製品が最も高性能か」だけでなく、自社の端末構成と監視体制に合うかを確認する必要があります。アラートを受け取っても調査・対応できる担当者がいなければ、製品の機能を十分に活用できません。

本記事では、EDR機能を提供する主要9製品・プラットフォームを、公式情報に基づいて比較します。製品そのものの機能と、別契約となる場合があるMDR(監視・対応の運用代行)を区別し、価格やライセンスを確認する際の注意点も整理しました。

※製品・ライセンス情報は2026年10月12日時点に確認した公開資料に基づきます。機能は契約プラン、OS、導入構成などによって異なります。掲載順は性能・推奨順位ではありません。

EDR製品9選の比較表

今回の比較対象は、端末上の脅威検知に加えて、調査・対応を行うEDR機能が公式に確認できる製品です。製品名に「XDR」を含むものもありますが、比較するのは主としてエンドポイントでの検知・調査・封じ込めです。

製品・比較対象 提供元 EDRの主な特徴 EPPとの関係 XDR・周辺領域への拡張
Microsoft Defender for Endpoint Plan 2 Microsoft 端末の検知・調査、自動調査と修復、脅威ハンティング Defenderの次世代保護と統合 Microsoft Defender XDRなどと連携
CrowdStrike Falcon Insight XDR CrowdStrike 端末の行動分析、インシデント調査、対応ワークフロー Falconプラットフォーム上で統合 ID・クラウド等のデータ連携
Singularity Endpoint SentinelOne 振る舞い検知、Storylineによる調査、自動対応・ロールバック EPPとEDRを統合 ID・クラウド・外部データへ拡張可能
Cortex XDR Palo Alto Networks エンドポイントの挙動分析、攻撃の因果関係分析、端末隔離 端末保護と検知・対応を提供 ネットワーク・ID等を組み合わせたXDR
TrendAI Vision One Endpoint Security トレンドマイクロ 端末・サーバーの保護とEDR、統合管理 エンドポイント保護を統合 メール・クラウド等のXDRに展開
ESET PROTECT Enterprise(ESET Inspect) ESET 端末の可視化、脅威ハンティング、調査・修復 ESETのエンドポイント保護と組み合わせる ESET InspectによるXDR機能
WithSecure Elements Endpoint Detection and Response WithSecure Broad Context Detection、調査、端末隔離 Elements Endpoint Protectionと連携 Elementsの各モジュールと連携
Symantec Endpoint Security Complete Broadcom 端末の高度な検知・調査、Threat Hunter 統合エンドポイント保護の一部 SIEMなど外部セキュリティ運用との連携
Sophos XDR(Sophos Endpointを含む) Sophos 端末の検知・対応、複数ソースの関連付けと調査 Sophos Endpointを含む メール・ID・クラウド等の情報を統合

※「XDRへ拡張可能」は、すべての機能が標準契約に含まれることを意味しません。対応OS、ログ保持期間、端末隔離・復旧機能、API、利用可能な連携先は、契約プランやバージョンごとに確認してください。

料金と運用サービスの比較

製品・比較対象 公開価格の扱い MDR・運用代行の確認事項
Microsoft Defender for Endpoint Plan 2 契約方式・組み合わせに応じて見積もり確認 自社運用か、Microsoft製品を扱う外部MDR事業者との契約かを確認
CrowdStrike Falcon Insight XDR 国内向けの適用価格は要見積もり Falcon Complete等のマネージドサービスは対象範囲を別途確認
Singularity Endpoint 米国向けパッケージ価格の掲載あり。国内見積もりは別途確認 Wayfinder MDRなどの利用条件を確認
Cortex XDR 要見積もり 対応するマネージドサービスと対応範囲を確認
TrendAI Vision One Endpoint Security 契約構成に応じて確認 マネージドサービスの対象製品・対応時間を確認
ESET PROTECT Enterprise 要見積もり ESET PROTECT MDR等は別サービス・別構成として確認
WithSecure Elements EDR 要見積もり 自社運用、パートナー運用、専門家へのエスカレーションの違いを確認
Symantec Endpoint Security Complete 要見積もり 販売パートナーによる監視・対応支援の有無を確認
Sophos XDR 個別見積もり Sophos MDRの監視・調査・対応範囲と契約条件を確認

ライセンス数の算定方法は、ユーザー数・端末数・サーバー数など製品やプランによって異なります。比較表で単価を無理にそろえるより、PC、サーバー、VDIを含む同一の端末構成で見積もりを取り、運用費用を含めて比較する方が実務的です。

各EDR製品の特徴

1. Microsoft Defender for Endpoint Plan 2

Microsoft Defender for Endpoint Plan 2は、企業向けのエンドポイント保護・検知・対応を提供します。脅威の検知、調査、対応に加え、自動調査と修復、脅威ハンティング、主要な脆弱性管理機能を備えています。Microsoft 365やMicrosoft Defender XDRなど、Microsoftのセキュリティ製品との連携を検討する企業にとって比較対象になります。

注意したいのは、Microsoft Defender for Businessと混同しないことです。Defender for Businessは最大300ユーザー規模の企業向けに設計されています。中堅・大企業が比較する際は、Defender for Endpoint Plan 2を基準にライセンス、端末・サーバーの対象範囲を確認します。また、EDRのログをすべての端末操作の監査証跡として利用できるわけではありません。

Microsoft Defender for Endpoint公式説明

2. CrowdStrike Falcon Insight XDR

CrowdStrike Falcon Insight XDRは、Falconプラットフォーム上でエンドポイントの検知・対応機能を提供します。端末の挙動と脅威インテリジェンスを組み合わせた検知や調査を特徴とし、ID・クラウドなどの情報を加えた分析にも対応します。

比較時には、Falconのどの機能が選定した製品・契約に含まれるかを明確にします。自社でアラート対応する場合と、Falcon Completeなどのマネージドサービスを利用する場合では、必要な運用体制と費用が異なります。

CrowdStrike Falcon Insight XDR公式説明

3. SentinelOne Singularity Endpoint

SentinelOne Singularity Endpointは、端末上の振る舞いから脅威を検知し、Storylineによって関連イベントを結び付けて調査する機能を備えています。脅威への自動対応やロールバック機能も特徴です。

ただし、ロールバックはすべてのOS・ファイル・攻撃で元の状態に戻せることを保証する機能ではありません。導入前には、自社で使用しているOSとストレージ構成を前提に対応条件を確認します。機能やデータ保持期間もパッケージによって異なります。

SentinelOne Singularity Endpoint公式説明

4. Palo Alto Networks Cortex XDR

Cortex XDRは、エンドポイントのイベントを分析し、攻撃に関連する挙動を調査するための製品です。端末の隔離などの対応操作に加え、ネットワークやIDなどの情報を組み合わせた調査にも展開できます。

機能比較では、端末保護を中心とする構成と、EDRデータ収集・高度な調査を利用する構成を分けて確認します。収集可能なイベント、保持期間、拡張データ機能はライセンスや追加オプションによって変わります。

Cortex XDR公式説明

5. TrendAI Vision One Endpoint Security

TrendAI Vision One Endpoint Securityは、トレンドマイクロのエンドポイントセキュリティを統合的に管理する製品です。端末やサーバーの保護・検知・対応を担い、TrendAI Vision OneのXDR機能によってメール、ネットワーク、クラウドなどの情報も活用できます。

端末向けとサーバー・ワークロード向けでは、使用する保護機能や対応OSが同一ではありません。既存のトレンドマイクロ製品から移行する企業は、エージェント構成、ライセンス、管理コンソール、サーバーの対応範囲を確認します。

TrendAI Vision One Endpoint Security公式説明

6. ESET PROTECT Enterprise(ESET Inspect)

ESET PROTECT Enterpriseは、エンドポイント保護とESET Inspectによる検知・対応を組み合わせる構成です。ESET Inspectは不審な挙動の調査、脅威ハンティング、インシデント対応や修復を支援します。

従来のウイルス対策ソフトとしてのESET製品だけでは、ここで比較するEDR機能がすべて利用できるわけではありません。見積もり時にはESET Inspectを含む構成か、クラウド・オンプレミスの管理条件はどうかを確認します。24時間監視を委託したい場合は、MDRサービスの内容を別に比較します。

ESET PROTECT Enterprise公式説明

7. WithSecure Elements Endpoint Detection and Response

WithSecure Elements EDRは、端末のイベントから攻撃の兆候を検出し、関連する事象をBroad Context Detectionとして整理する製品です。管理画面からの調査や端末隔離などの対応に加え、複雑な事象をWithSecureの専門家へエスカレーションする仕組みも提供されています。

Elements Endpoint Protectionと統合して運用できる一方、EPP、EDR、その他のモジュールの契約範囲は確認が必要です。自社担当者の操作範囲と、専門家支援の提供条件を分けて評価します。

WithSecure Elements EDR公式説明

8. Symantec Endpoint Security Complete

Broadcomが提供するSymantec Endpoint Security Completeは、マルウェア防御だけでなく、攻撃の調査・対応に必要なEDR機能を備える統合エンドポイントセキュリティ製品です。オンプレミス、ハイブリッド、クラウドを含む導入方式に対応することが公式に案内されています。

Symantec Endpoint Securityのすべてのエディションが同じEDR機能を提供するとは限りません。比較する際は「Complete」の契約を前提に、サポート対象OS、必要な管理基盤、既存エージェントからの移行条件を確認します。

Symantec Endpoint Security Complete公式説明

9. Sophos XDR

Sophos XDRは、Sophos Endpointの保護・EDR機能と、複数のセキュリティ情報を利用した調査・対応を組み合わせる製品です。端末で検知した事象をメール・ID・クラウドなどの情報と関連付け、攻撃の経緯を把握する用途に対応します。

Sophos MDRは同じものではなく、監視や対応を専門家に委託するサービスです。自社運用でXDRを使う場合と、MDRを利用する場合を区別し、利用可能なデータソースや対応時間、隔離などの権限を確認します。

Sophos XDR公式説明

EDR製品を比較するときの5つの確認事項

比較項目 自社で確認する内容
1. 管理対象と対応OS Windows・macOS・Linux、サーバー、VDI、拠点・在宅端末をどこまで対象にできるか。OSによって機能に差がないか
2. 検知・調査に使える情報 プロセス、ネットワーク接続、ファイル変更などのイベントをどこまで収集できるか。検索可能期間・エクスポート条件はどうか
3. 封じ込めと復旧 端末隔離、プロセス停止、ファイル隔離、調査用の遠隔操作が可能か。自動実行の承認条件はどうか
4. 運用体制と連携 自社SOC・CSIRTで扱えるか。MDRを委託する場合、監視時間、調査、隔離権限、日本語対応、報告範囲はどうか
5. 契約と総費用 PC・サーバー・VDIの課金条件、データ保持の追加費用、初期展開、移行、運用支援を含む3年間の費用はいくらか

製品の候補が決まった後は、EDR製品の選び方・導入要件で、現行環境の棚卸し、要件定義、PoCの進め方を確認できます。本記事は製品の横断比較を中心とし、導入手順の詳細は同記事に整理しています。

企業の運用体制別に候補を絞る方法

EDRを比較する際は、導入企業の規模だけでなく、既存の管理基盤と対応できる人員で候補を絞ります。以下は優劣の順位ではなく、比較開始時の整理例です。

  • Microsoft 365を中心に運用している場合:Defender for Endpoint Plan 2を候補に入れ、既存のライセンス、Microsoft Defender XDRとの連携、端末・サーバーのカバー範囲を確認します。
  • 専任のセキュリティ担当者が調査機能を活用する場合:CrowdStrike、SentinelOne、Cortex XDRなどを候補に、イベント検索、攻撃経路の表示、遠隔対応、データ保持条件をPoCで比較します。
  • 既存のエンドポイント保護と合わせて見直す場合:TrendAI、ESET、WithSecure、Symantec、Sophosなどについて、既存エージェントとの関係や段階的な移行の可否を確認します。
  • 24時間の監視・対応要員を確保できない場合:EDR製品そのものの比較に加え、MDRをどこまで委託できるかを確認します。アラートの通知だけか、調査・端末隔離・復旧支援まで含むかで運用負荷が変わります。

EDR・EPP・XDR・MDRは何が違うのか

分類 主な役割 選定時の注意
EPP・NGAV マルウェアなどの脅威を予防・防御する EDRと同じ製品・エージェントで提供される場合がある
EDR 端末の不審な挙動を検知し、調査・対応する 収集情報、対応権限、運用する担当者を確認する
XDR 端末に加え、メール・ID・ネットワーク・クラウドなどの情報を関連付けて検知・対応する データ連携範囲やオプションの違いが大きい
MDR ベンダーや外部事業者が監視・調査・対応を担うサービス 製品のライセンスと、有人の運用サービス契約を区別する

EDRを搭載した統合製品では、防御と事後対応を同じ管理基盤で行える場合があります。XDRについても、単純にEDRの「上位版」と考えるのではなく、どの情報源を使って何を検知・対応できるかで判断します。基礎的な違いはEDRとは?仕組み・ウイルス対策ソフトとの違いで解説しています。

MITRE ATT&CK EvaluationsはEDR比較にどう使うか

EDRを検討する際には、攻撃者の手法を再現する「MITRE ATT&CK Evaluations」の公開結果も参考になります。ただし、MITREは製品の総合ランキングや優勝製品を決める評価とは説明していません。結果から確認できるのは、特定の攻撃シナリオに対して、各製品がどのように検知・防御したかです。

候補製品については、評価対象となった機能・構成、検知の内容、アラートに含まれる調査情報、実際の対応機能などを読み、自社のPoCで確認する項目へ落とし込みます。MITREの結果だけで「最も検知率が高いEDR」を決めることはできません。

MITRE ATT&CK Evaluations

EDR導入時によくある質問

EDRを導入すればランサムウェアを防げますか?

EDRは不審な挙動の検知や端末隔離を支援しますが、すべての攻撃を防止できるわけではありません。端末の保護設定、脆弱性対応、認証情報の管理、バックアップ、インシデント対応体制と組み合わせて運用します。

Microsoft Defender for BusinessもEDR製品ではありませんか?

Defender for BusinessにもEDR機能はあります。ただし、Microsoftは最大300ユーザーの企業向け製品と説明しています。本記事では中堅・大企業で比較しやすいDefender for Endpoint Plan 2を掲載しました。既存のMicrosoft 365契約との組み合わせや混在条件は個別確認が必要です。

低価格なPCログ分析サービスをEDRの代わりにできますか?

同じ役割とは限りません。例えばEISSは、PCのログなどを定期収集・分析してレポートするサービスで、提供元は週次レポートと日次のログ収集を案内しています。端末の継続的な挙動監視、即時の隔離・対応を前提とするEDRと同列には比較していません。目的によっては補完的に使うことも考えられます。

EDRの料金は何を基準に比較すればよいですか?

単純な1ユーザー当たり価格ではなく、対象端末数、サーバー・VDI、契約期間、データ保存、導入支援、MDRの費用を含めた条件をそろえます。OSによって利用できる機能が異なる場合もあるため、見積もり時に対象環境を共有します。

出典