
江崎グリコが発表した2024年12月期の決算によると、システム障害の影響で売上および利益が大幅に減少しました。決算短信によれば、売上高は3,311億円(前年同期比0.4%減)、営業利益は110億円(同40.6%減)、経常利益は133億円(同37.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は81億円(同42.6%減)となりました。
システム障害でチルド商品の出荷が停止
江崎グリコの業績悪化の主な要因は、基幹システムの切り替えに伴うシステム障害です。この障害により、乳業事業の「プッチンプリン」「カフェオーレ」「アーモンド効果」などのチルド商品(冷蔵品)の出荷が一時停止し、売上に大きな影響を及ぼしました。
特に、「カフェオーレ」や「BifiXヨーグルト」などの乳製品が影響を受け、乳業事業の売上は560億円(前年同期比19.5%減)と大きく落ち込みました。
さらに、健康・食品事業でも「アーモンド効果」や「幼児のみもの」などのチルド商品が影響を受け、売上が467億円(同7.6%減)に減少しました。
利益の減少とコスト増加
営業利益はシステム障害による物流コストの増加に加え、広告宣伝費や人件費、減価償却費の増加も影響し、大幅に減少しました。特に広告宣伝費は158億円(前年同期比24.1%増)と大幅に増えています。システム障害に伴う対応費用や供給網の回復にかかる費用が、利益を圧迫したと考えられます。
今後の見通し
江崎グリコは2025年12月期の業績予想として、売上高3,700億円(前年同期比11.7%増)、営業利益180億円(同62.7%増)を見込んでいます。システム障害の影響を克服し、乳業事業の回復と海外市場でのさらなる成長を目指す構えです。特に、チルド商品を中心とした販売戦略の立て直しと、供給体制の強化が業績回復を目指しています。