
サウジアラビアの公式イベント「サウジ法律会議」のX(旧Twitter)アカウントがハッキングされ、詐欺的なミームコインのプロモーションに悪用される事件が発生しました。ハッカーは、がサウジアラビアの皇太子兼首相のムハンマド・ビン・サルマン氏になりすまし、仮想通貨投資家を欺く投稿を行いました。
偽のミームコインを宣伝について
2025年2月17日、サウジアラビアの法律イベントである「サウジ法律会議」の公式Xアカウントがハッカーによって乗っ取られました。
ハッカーは、サウジアラビアの皇太子兼首相であるモハンマド・ビン・サルマン氏になりすまし、彼が新たな仮想通貨プロジェクトを発表したとする虚偽の投稿を行いました。
問題となったのは、「サウジアラビアミームコイン(KSA)」と「FALCONミームコイン(FLCN)」という2種類のトークンで、これらがサウジ政府公認のプロジェクトであると誤解させる内容が投稿されました。
両トークンはローンチ後すぐに「ラグプル(rug pull)」を引き起こし、大暴落しました。KSAは発行後93.71%下落し、FLCNは95.90%の価値を失いました。さらに、FLCNの公式サイトも削除され、プロジェクトの痕跡は消滅しました。
詐欺コインの発行を防ぐ前にアカウントは回復
ハッカーは、同日15:00 UTCに「公式サウジアラビアミームコイン」の発行を予定していました。しかし、幸いにもサウジ法律会議の運営チームがアカウントを取り戻し、詐欺的な投稿は削除されました。
その後、サウジ法律会議の運営チームはLinkedIn上で声明を発表。
「サウジ法律会議(@SaudiLawConf)の公式アカウントが不正アクセスの被害を受けました。本アカウント上に掲載されている当イベントの公式見解と異なる投稿は無視してください。」
現在、同会議のチームはアカウントの完全復旧に向けて取り組んでおり、利用者に対して不審な投稿には注意するよう呼びかけています。
増加する著名人アカウントのハッキング被害
今回の事件は、著名なXアカウントを乗っ取り、仮想通貨詐欺を仕掛ける最近の流れの一環といえます。
2月初旬には、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領がLIBRAミームコインを支持する投稿を行いましたが、その後、このコインがポンプ・アンド・ダンプ詐欺であることが発覚し、107百万ドルの損失と90%の価格下落を招きました。
また、以下の著名人アカウントも過去に仮想通貨詐欺のターゲットとなっています。
- ワールドリバティファイナンシャル共同創設者のザック・ウィトコフ氏(偽の「バロン・トランプミームコイン」を宣伝)
- 元マレーシア首相マハティール・モハマド氏
- ブラジル元大統領ジャイル・ボルソナロ氏
このように、著名なXアカウントを乗っ取り、仮想通貨詐欺を仕掛ける手法が急増しています。
参照
Hackers Impersonate Saudi Crown Prince to Launch Fraudulent Meme Coins