
2025年3月11日、北海道警は他人になりすまして不正に携帯電話の回線契約を行い、自らのライブ配信に「投げ銭」を行っていたとして、岩手県北上市在住の男子高校生(15歳)を電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕したと発表しました。
事件の概要
容疑者は2024年5月25日と31日の2日間にわたり、SNSを通じて不正に取得したQRコードを利用し、他人名義で携帯電話の回線を追加契約。その後、自らが行うライブ配信サービス上で、自身のアカウントに約100万円相当の「投げ銭」を行っていたとされています。
不正に得た利益のうち、配信サービスの手数料を差し引いた約50万円が容疑者の手元に渡っていたことが確認されています。
押収物と不正の規模
道警が押収した容疑者のスマートフォンには、驚くべきことに他人のIDやパスワードが3万件以上、不正に入手したQRコードも数百件保管されていたことが明らかとなりました。これらの情報を悪用し、他人名義で複数の回線を契約していたとみられています。
不正の手口とリスク
今回の事件は、SNSを利用して不正に取得した情報を基に、通信キャリアの本人確認をすり抜ける手口で実行されました。特に注目すべきは以下のポイントです。
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QRコードを悪用した不正契約
通信キャリアの回線契約で利用されるQRコードを不正に入手。これを悪用して他人名義で回線を追加契約し、匿名性を利用した不正行為を実行。 -
投げ銭を装った資金洗浄の可能性
他人名義で得た回線を使い、自らのライブ配信に投げ銭を行うことで、得た利益を正当な収益として装う手口が疑われています。 -
個人情報の大量保有
押収されたスマートフォンには、IDやパスワードが3万件以上も記録されており、これが流出した場合、さらなる不正アクセスや詐欺被害のリスクがあります。
疑似のセキュリティインシデント
電子計算機使用詐欺の容疑で神奈川県伊勢原市に住む17歳の男子高校生を追送検しました。高校生は、不正取得したクレジットカード情報を利用し、少なくとも130万円分の決済を行った疑いが持たれています。さらに、高校生は対話型生成AI「ChatGPT」を活用し、わずか1週間で不正なプログラムを開発していたことも明らかになりました。
なお、この高校生は秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム(Telegram)」で、他人のカード情報を不正に取得する技術を競うチャットグループに参加していたとしています。
参照