JALがIATAの航空保安マネジメント認証「Operating(レベル2)」を世界初取得

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JALがIATAの航空保安マネジメント認証「Operating(レベル2)」を世界初取得

2025年4月10日、日本航空株式会社(JAL)は、国際航空運送協会(IATA)が提供する航空保安マネジメントシステム(SeMS)認証プログラムにおいて、世界で初めて「Operating(レベル2)」認証を取得したことを発表しました。

この認証は、航空会社、空港、貨物・地上ハンドリング企業、セキュリティ会社などを対象としたセキュリティ管理の国際認証制度であり、航空業界全体の保安レベルを引き上げることを目的としています。

セキュリティマネジメントの新潮流:法令遵守からリスク主体の管理へ

従来、航空保安は各国の法令や規制の順守が中心となっていました。しかし近年、テロやサイバー攻撃などの多様化・複雑化する脅威に対応するためには、より積極的なリスク評価と継続的な改善が求められています。

こうした背景から、IATAは航空保安管理の成熟度を3段階で評価するSeMS認証制度を導入。「Operating(レベル2)」は、現時点で達成可能な中で最も高い認証レベルであり、JALは世界初の取得企業となりました。

SeMSとは?IATAのセキュリティ管理認証制度

SeMS(Security Management System)は、IATAが策定した航空保安のマネジメントシステム認証制度で、以下のような特徴があります

  • 従来の法令遵守型から、リスクベース型の管理体制へと転換

  • 組織全体で保安リスクを継続的に識別・評価・改善

  • セキュリティ文化の醸成と従業員全体の意識向上を促進

SeMS認証は3段階で評価され、

  1. Planning(レベル1):セキュリティの方針や基本体制の構築段階

  2. Operating(レベル2):セキュリティ体制が運用され、リスクへの対応が可能

  3. Optimizing(レベル3):継続的改善と最適化に取り組み、先進的な対応が行われている段階

JALのセキュリティ体制が評価されたポイント

◆ リスクベースの柔軟なセキュリティ対応

JALグループでは、経営層の積極的な関与のもと、各国規制や新たな脅威にも即応できる体制を整備。内部規程や責任範囲が明確化されており、変化するリスクにも柔軟に対応しています。

◆ 品質管理手法による継続的改善

外部・内部監査やインシデントレビューを通じた継続的な見直しにより、セキュリティ品質の向上を図るとともに、業界のベストプラクティスを積極導入しています。