Microsoft 365のAutodiscoverがexample.comを誤ルーティングで住友電工 系ドメインのメール設定を提示か

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Microsoft 365のAutodiscoverがexample.comを誤ルーティングで住友電工 系ドメインのメール設定を提示か

2026年1月下旬、Microsoftのネットワーク(Azureを含む)内部で、テスト用途として予約されているexample.com宛ての通信が、日本企業のドメイン配下(sei.co.jp)に関連するサブドメインへ誘導されているように見える挙動が報告されました。

概要

本事象の原因はOutlookの自動設定に用いられるAutodiscover系の仕組みで、example.comのメールアカウントをセットアップしようとすると、IMAPやSMTPの接続先として住友電気工業(Sumitomo Electric Industries)のドメイン配下サーバー情報が提示される状態だった、というものです。

example.comはIETFのRFC 2606で、仕様書・ドキュメント・テスト用途のために予約されたドメインです。実在組織のサービスへ誘導されないことを前提に、多くの開発者や検証者がダミーとして利用しています。
そのため、もしOutlookの自動設定が外部の実在サーバーを提示し、クライアントが接続テスト等で資格情報を送る挙動を取ると、テスト用に入力した認証情報が想定外の宛先に流れるリスクが生じます。

技術検証の報告では、Outlookの自動構成やMicrosoftのAutodiscover関連エンドポイントへのリクエストに対し、example.comのメール設定候補として、以下のようなホスト名が返る例が示されています。

  • IMAP: imapgms.jnet.sei.co.jp

  • SMTP: smtpgms.jnet.sei.co.jp

この挙動は少なくとも2020年2月以降継続して観測され、example.com側のDNS設定では説明しづらく、UCLAヘルスの上級サイバーセキュリティ研究者であるマイケル・タガート氏は「私はマイクロソフトの内部事情に精通しているわけではないが、これは単純な設定ミスのようだ」と述べています。

Microsoft側の対応状況

2026年1月27日付近の報道では、週明け時点で当該の不適切なルーティング(またはサーバー提示)が見えなくなったこと、またMicrosoftがOutlookの自動構成に関わる範囲で影響を認め、調査を継続している旨が伝えられています。加えて、結果として問題の挙動を出していた部分を無効化したように見える、という観測も紹介されています。

原因の見立て

現時点で外部から侵入されて設定を書き換えられた、といった確たる情報は示されていません。むしろ、Autodiscoverの内部設定における単純なミスコンフィグの可能性が高い、という扱いです。
ただし、テスト用途で広く使われる予約ドメインが長期間誤った関連付けを起こしていた点は、クラウド側の設定品質や変更管理の観点で重く見てよい事案です。

example.com(予約ドメイン)
imapgms.jnet.sei.co.jp
smtpgms.jnet.sei.co.jp

出典

Why has Microsoft been routing example.com traffic to a company in Japan?