
2025年3月、株式会社荒畑園が運営する「お茶の荒畑園公式サイト」に対し、不正アクセスによる個人情報およびクレジットカード情報の漏洩が発生したことが公表されました。漏洩件数は最大で73,684件にのぼり、うち13,094件はクレジットカード情報が含まれる可能性があるとのことです。
目次
インシデントの概要
発覚までの流れ
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2024年12月4日:システム会社から不正アクセスの連絡を受領
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2024年12月5日:カード決済を即時停止、第三者調査機関による調査開始
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2025年2月7日:調査結果により情報漏洩を確認
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2025年3月 公表:顧客への個別連絡と共に、公式に発表
不正アクセスの手法と原因
本件は、公式ECサイトの一部の脆弱性を突かれ、ペイメントアプリケーションが改ざんされたことが原因とされています。
この手法は、Webスキミング(Magecart型攻撃)と呼ばれることも多く、近年国内外で被害が相次いでいます。
漏洩した可能性のある個人情報
会員情報(対象期間:2011年2月28日~2024年12月5日)
件数:最大73,684件の以下個人情報が漏洩
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氏名・ふりがな
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住所・電話番号
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メールアドレス
クレジットカード情報(対象期間:2024年6月5日~12月5日)
件数:13,094件(対象顧客数:6,342名)の以下内容が漏洩
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カード名義人
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カード番号
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有効期限
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セキュリティコード
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氏名・ふりがな
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住所・電話番号・メールアドレス
公表が遅れた理由
不正アクセスが確認された2024年12月初旬から公表まで約3か月のタイムラグがありましたが、これは以下を理由としています
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調査機関からの最終報告待ち
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クレジットカード会社との連携調整
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被害範囲の特定と正確な通知準備
初動対応と公表のタイミングについては賛否あるものの、不確定情報による混乱回避を優先したと説明されています。
クレジットカード情報の漏洩に注意
今回クレジットカード番号とセキュリティコードも漏洩しています。
クレジットカードが不正利用される可能性があるので、怪しい決済がないかを注視し、心当たりのない決済履歴がないか利用確認する必要があります。
フィッシングメールにもご注意を
今回のような情報漏えい事故が発生した後は、それに便乗したフィッシングメールの配信が増加する傾向にあります。
たとえば、「荒畑園」をかたる偽のメールが届き、
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「アカウントを再認証してください」
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「セキュリティ強化のためログインをお願いします」
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「返金のための口座情報をご入力ください」
といった名目で、偽サイトに誘導し個人情報やカード情報を再び盗み取ろうとする手口が多く確認されています。
荒畑園側からクレジットカード情報の再入力を求めるようなメールは送られません。
フィッシング被害防止のための注意点
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メール内のリンクは直接クリックせず、公式サイトを検索してアクセスする
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差出人アドレスが正規のドメインかどうかを確認する
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不審なメールやSMSが届いた場合は、開封せず削除する
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「カード情報の再入力」や「ログインを促すメール」は高確率で詐欺であると認識する
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被害が疑われる場合は、速やかにカード会社・警察・荒畑園の公式窓口に連絡する