2025年7月12日 OpenAIは、今週に予定されていた「オープンウェイトモデル(open-weight model)」の一般公開を、
安全性への懸念から延期すると発表しました。また、約30億ドル規模で進めていたAIスタートアップWindSurfの買収交渉も、主要幹部の離脱により白紙となった模様です。
モデル公開延期の背景:「一度公開すれば元に戻せない」
OpenAIのCEOサム・アルトマン氏は自身のX(旧Twitter)アカウントで、「追加の安全テストとリスク評価が必要」として、モデルのリリースを無期限延期すると発表しました。
「モデルのウェイトを一度公開してしまえば、取り消すことはできません。これはOpenAIにとっても新たな挑戦であり、正しい形で進めたいと考えています」(アルトマン氏)
この「オープンウェイトモデル」は、GPT-2の公開以来となるOpenAIによる「オープン」戦略の復活として注目されていました。利用者のローカルハードウェア(GPUサーバーなど)で動作可能とされ、長文の推論やマルチターンの質疑応答にも対応する設計です。また、精度と論理一貫性は従来のOpenAIモデルと同等とされ、研究者や開発者がファインチューニングしやすい構造が特徴とされています。
ただし、モデルのウェイト公開は悪用リスクを伴い、AIによる情報操作やサイバー攻撃の拡大などを懸念する声も多く、慎重な対応が求められています。OpenAIも「安全性と責任ある技術展開が最優先」との立場を崩しておらず、新たなリリース時期は明らかにされていません。
業界ではこの延期が、Metaの「LLaMA」やMistralの「Mixtral」などオープンソースモデルとの競争激化を受けた戦略的判断とも見られています。
WindSurf買収交渉が崩壊 ─ キーパーソン2名がGoogle DeepMindへ
一方、OpenAIが進めていたAIスタートアップWindSurfの買収交渉が暗礁に乗り上げたことも明らかになりました。買収金額は最大で約30億ドルに上ると報じられていましたが、CEOのVarun Mohan氏と共同創業者Douglas Chen氏がGoogle DeepMindに移籍。
さらにGoogleとWindSurfの間で非独占的な技術ライセンス契約が結ばれたことで、実質的に買収計画は破談となりました。
WindSurfはAIによるコード生成や開発支援ツールで注目を集めていた新興企業で、Bloombergによると両社は秘密保持契約と独占交渉を含む仮契約に至っていたとされています。しかし、WindSurf内部でOpenAIとMicrosoftの関係性に対する懸念が高まり、最終的に離脱が決定したとみられます。
なお、GoogleはWindSurf自体を買収したわけではなく、技術ライセンス取得と人材確保を通じて実質的な技術導入を図った形です。このディールにより、Googleは約24億ドルでWindSurfの中核技術と知見を獲得したことになります。








