大分県の社会福祉法人が社長を騙るLINE 詐欺で1,990万円被害

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大分県の社会福祉法人が社長を騙るLINE 詐欺で1,990万円被害

大分県警は2026年7月2日、大分市内の社会福祉法人が代表者になりすました人物からの指示に従い、現金1,990万円をだまし取られたと発表しました。業務用メールを起点にLINEグループへ誘導し、経理担当者を巻き込んで送金させるという、いわゆるニセ社長詐欺の典型的な手口ですが、大分県内でこの種の被害が実際に発生したのは今回が初めてとされています。

サマリー

  • 大分市内の社会福祉法人が2026年6月29日、代表者になりすました人物からの指示により、2回に分けて合計1,990万円をだまし取られた
  • 大分県警が2026年7月2日にこの被害を発表し、県内でニセ社長詐欺による実害が確認されたのは初めてだとしている
  • 手口は、法人の事業用メールアドレスに代表者を名乗る人物からLINEグループの作成を求めるメッセージが届き、職員が指示通りにグループを作成したうえで、なりすましのアカウントと経理担当者を追加させられ、その後偽の送金指示を受けるというもの
  • 経理担当者はインターネットバンキングを使い、指定された2つの口座へ990万円と1,000万円をそれぞれ送金した
  • 送金後、上司がなりすましアカウントのプロフィール画像が代表者本人のものと異なることに気づき、本人に確認したことで詐欺が発覚した
  • 振込先は外国人および日本人とみられる2人の個人名義の口座だった
  • 大分県警は2025年末から2026年2月までの約2カ月間にすでに13件のニセ社長詐欺を認知していたが、いずれも送金前に詐欺と気づいており、実際に金銭が詐取された被害は今回が県内初めて
項目 内容
発表日 2026年7月2日(大分県警)
被害法人 大分市内の社会福祉法人
被害額 1,990万円(990万円・1,000万円の2回に分けて送金)
被害発生日 2026年6月29日
手口 代表者を装うメールでLINEグループ作成を指示、経理担当者を追加させたうえで送金を指示
発覚のきっかけ 上司がなりすましアカウントのプロフィール画像の違いに気づき代表者本人へ確認
振込先 外国人・日本人とみられる2人の個人名義口座
県内での認知件数 2025年末〜2026年2月に13件(いずれも送金前に発覚)、実害発生は今回が初

何が起きたか

大分県警大分南署によると、2026年6月29日午前7時ごろ、大分市内の社会福祉法人の事業用メールアドレスに、代表者を名乗る人物から、連絡用のLINEグループを作成しQRコードを送るようにというメッセージが届きました。同日午前11時ごろにメールに気づいた職員は、代表者本人からの連絡だと信じ込みグループを作成して返信しています。その後、偽の代表者から経理担当者をグループへ追加してほしいと求められ、職員はこれに応じました。

グループに経理担当者が加わったところで、これから支払いがあるので口座情報を送るから振り込み手続きを進めるようにという指示が届きます。

経理担当者はインターネットバンキングを使い、指定された2つの口座へ990万円と1,000万円をそれぞれ送金しました。

送金が完了した後、経理担当者からこの件を報告された上司が、やり取りしていたLINEアカウントのプロフィール画像が実際の代表者のものと異なることに気づき、本人へ直接確認を取ったことで、初めて詐欺だと判明しています。振込先の口座は外国人および日本人とみられる2人の個人名義だったとされ、同日中に警察へ届け出が行われました。

大分県警安全・安心まちづくり推進室によれば、県内でこの種の手口が最初に確認されたのは2025年末で、特殊詐欺の分類が変更された2026年2月までの約2カ月間に13件を認知していました。ただしこの13件はいずれも送金の前に詐欺だと気づいており、実際に金銭が詐取された被害としては、今回の大分市の社会福祉法人の事案が県内で初めてとなります。

情報システム部門への示唆

社会福祉法人に限らず、規模の大小を問わずあらゆる組織が今回のような手口の標的になり得ます。まず徹底していただきたいのは、代表者を名乗る人物からの連絡であっても、LINEグループの作成や送金指示といった通常の業務フローから外れた依頼があった場合には、メールやLINE以外の経路、具体的には電話や対面で本人に直接確認するというルールを組織内で明文化しておくことです。大分県警も、メールだけで判断せず電話や対面で本人確認をしてほしいと呼びかけており、これは特別な技術投資を必要とせず、今日からでも導入できる運用ルールです。

あわせて、送金権限を持つ経理担当者が、代表者を名乗るLINEアカウントに追加されただけの状態で送金指示に従ってしまわないよう、一定金額以上の送金には複数人の承認を必要とする多重承認フローを整備することも有効です。特に社会福祉法人や公益法人は、限られた人員で経理業務を担っているケースが多く、1人の担当者の判断だけで送金が完結してしまう体制になっていないかを、この機会に点検することをお勧めします。技術的な対策が効きにくい手口だからこそ、日頃からの訓練や注意喚起を通じて、職員一人ひとりが立ち止まって確認する習慣を組織文化として根付かせることが、最も現実的な防御策だと考えます。

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