日本アンドロロジー学会、委託先 知人社の倒産・横領問題を緊急公表 残高約10万円、総額2億円規模の被害が学術団体へ連鎖するおそれ

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日本アンドロロジー学会、委託先 知人社の倒産・横領問題で緊急公表 残高約10万円、総額2億円規模の被害が学術団体へ連鎖するおそれ

日本アンドロロジー学会は2026年3月9日、学会事務局業務を委託していた株式会社知人社について、3月末に倒産するとの情報を把握し、理事長が3月3日に同社を直接訪問して資産状況を確認したところ、学会資産の大半が横領され、残金は約10万円程度しか残っていなかったと公表しました。学会は、他の学術団体も同様の被害を受けているようで、総額2億円の横領事件として被害団体と協調して対応にあたっていると説明しています。

学会が公表した被害の中身

アンドロロジー学会の公表では、知人社の倒産情報を受けて理事長が直接確認した結果、学会資産の大半が横領されていたとしています。残金は約10万円にとどまり、学会は被害団体と連携して対応を進めているとしました。あわせて、3月4日の緊急理事会で、企業への寄付や賛助会費増額の働きかけによる財政再建、順天堂大学浦安病院泌尿器科を暫定事務局とすること、年間必要経費の支払方法を今後検討することが決定されています。

知人社とは

知人社は自社サイトで、書籍・雑誌の編集、出版、学会業務の受託、ホームページ制作・メンテナンスを事業内容として掲げていました。学会事務業務のページでは、会員管理、庶務、広告管理、会計、会議開催、授賞、論文査読補助、ホームページ管理までを一括で支援するサービスを提供していると説明しています。つまり、単なる受付窓口ではなく、会員名簿、会費請求、預金口座管理、役員選挙補助、学会サイト運営など、学協会のバックオフィス全体を担うタイプの受託会社でした。

特に重要なのは、知人社が会計業務として会費などの請求・支払い事務、決算・会計監査補助、預金口座管理を業務範囲に含めていた点です。今回の横領問題は、まさにこの資金管理の中核部分で起きた可能性が高く、委託先が実務を超えて資金アクセス権まで握る構造のリスクを示しています。

波及リスク

知人社の学会事務業務ページでは、2021年10月時点の主要受託先として、日本アンドロロジー学会、日本エンドメトリオーシス学会、日本小児心身医学会、日本生殖内分泌学会、日本生殖免疫学会、日本尿路結石症学会、日本妊娠高血圧学会、日本婦人科病理学会、全国周産期医療連絡協議会、子どものこころ専門医機構などが掲載されていました。お問い合わせページにも、各受託学会事務局用の個別メールアドレスが並んでいます。ここで慎重に見るべきなのは、これらの団体すべてに同一の財務被害や横領被害が発生したと現時点で公式に確認されたわけではない点です。ただし、同社サイトに複数団体の受託実績と事務局窓口が明示されていた以上、連鎖リスクは十分に現実的です。