
Ciscoは2025年5月7日、Cisco IOS XE Wireless LAN Controller (WLC) ソフトウェアに存在するクリティカルな脆弱性(CVE-2025-20188)に関するセキュリティアドバイザリを公開しました。この脆弱性は、CVSSスコアで最高値となる10.0と評価されており、対象となるデバイスを完全に制御されるリスクが存在します。
CVE-2025-20188の概要
本脆弱性は、Cisco WLCソフトウェアの「Out-of-Band AP Image Download」機能に関連しており、影響を受けるシステムにハードコードされたJSON Web Token(JWT)が存在することが原因です。
これにより、認証されていないリモート攻撃者が細工したHTTPSリクエストを送信することで、不正にファイルをアップロードしたり、パストラバーサルを実行したり、最終的にはroot権限でコマンドを実行することが可能になります
なお、この機能はデフォルトでは無効化されていますが、有効化されている環境では重大なリスクとなるため、注意が必要です。
現時点では、シスコはCVE-2025-20188の悪用事例を確認されていないとのこと。
影響を受ける製品
以下のCisco製品が、該当機能が有効になっている場合に影響を受けます。
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Catalyst 9800-CL Wireless Controllers for Cloud
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Catalyst 9800 Embedded Wireless Controller for Catalyst 9300、9400、9500シリーズスイッチ
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Catalyst 9800 Series Wireless Controllers
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Embedded Wireless Controller on Catalyst APs
一方で、次の製品には影響がないことが確認されています。
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通常のCisco IOS
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IOS XEを使用しているがWLC機能を持たないデバイス
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IOS XR
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Cisco Meraki製品
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Cisco NX-OS
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Cisco AireOSベースのWLC製品
対策
Ciscoはすでにこの脆弱性に対応する修正版ソフトウェアをリリースしており、ユーザーには速やかなアップデートが推奨されています。