
2025年4月14日、アメリカ・オクラホマ州で、サイバーセキュリティ企業VeritacoのCEOであるジェフリー・ボウイ(Jeffrey Bowie)氏が逮捕されました。ボウイ氏は、オクラホマ州のコンピュータ犯罪法違反の罪で2件起訴されており、病院のコンピュータにマルウェアを仕掛けた疑いが持たれています。
インシデントの概要
問題の発端は2024年8月6日、オクラホマシティにあるセント・アンソニー病院(St. Anthony Hospital)で発生しました。
病院の監視カメラ映像によると、ボウイ氏は病院内を徘徊し、複数のオフィスへの侵入を試みた後、2台のコンピュータにマルウェアをインストールしたとされています。
インストールされたマルウェアは、20分ごとにスクリーンショットを取得し、外部IPアドレスに送信する仕様だったことが、法廷文書により明らかになっています。
病院スタッフに問い詰められた際、ボウイ氏は「家族が手術中で、コンピュータを使う必要があった」と説明しましたが、その後のフォレンジック調査でマルウェアの存在が確認され、虚偽の説明だったことが判明しました。
病院側の対応と影響
セント・アンソニー病院を運営するSSM Healthは公式声明で、「不審なアクセスが確認された直後に即座に対応し、患者情報へのアクセスはなかった」と発表しています。
フォレンジックレビューの結果、被害は最小限に食い止められ、FBIや地元警察とも連携して捜査が続けられています。
容疑者の背景
ボウイ氏は、2023年8月にVeritacoを設立。LinkedInプロフィールでは、同社を「サイバーセキュリティ、デジタルフォレンジック、プライベートインテリジェンス分野に特化した企業」と紹介しています。従業員数は2〜10名と小規模です。
過去には、High Point Networksのシニアサイバーセキュリティエンジニアや、その他複数企業でセキュリティ関連のポジションを歴任してきた経歴を持っています。
今後の展開と法的リスク
オクラホマ州のコンピュータ犯罪法によると、有罪が確定した場合、
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5,000ドルから10万ドルの罰金
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最長10年の懲役
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またはその両方 が科される可能性があります。
本件は現在も捜査中であり、今後さらに重大な容疑が追加される可能性も考えられます。
参照
Cyber Security Company CEO Arrested for Installing Malware Onto Hospital Computers