Dell「Windows 10から移行が進まない」と語る-Windows 11シフトは前回より10〜12ポイント遅れ

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Dell「Windows 10から移行が進まない」と語る-Windows 11シフトは前回より10〜12ポイント遅れ

米Dell TechnologiesのCOOジェフリー・クラーク氏は第3四半期決算説明会で、Windows 10から11への移行が前回のOS世代交代より明確に遅れていると認めました。

前回より10〜12ポイント遅いWindows 11への移行

クラーク氏は決算説明会で、Windows 11移行の進捗について次のように述べています。

「Windows 11への移行はまだ完了していません。前回のOSサポート終了時点と比べると、同じ時期の進捗で10〜12ポイント遅れています

ここでいう「前回」とは、主にWindows 7からWindows 10への移行期を指すと考えられます。当時はサポート終了が明確なトリガーとなり、企業・個人ともに比較的まとまったタイミングでPCリプレースが進みました。

それに対し今回は、

  • 同じ「OSサポート終了直前」のタイミングで見た場合でも

  • Windows 11への移行率が1割前後低い

という状況にあるとDellは見ています。

5億台は「要件を満たさない」PC、もう5億台は「困っていない」PC

クラーク氏は、移行が進まない背景としてPCの二極化に言及しています。

  • 約5億台のPCが、Windows 11のハードウェア要件を満たさずアップグレード不可

  • さらに別の約5億台は、そのままWindows 10で業務に支障がなく、急いで買い替える必要性を感じていない

という構図です。

前者は、古いCPUやセキュリティ機能の非搭載などにより「そもそもWindows 11が動かない」層。
後者は、比較的新しいPCで、性能的には十分なため「OSサポート終了=即リプレース」というほど切迫感がない層と言えます。

結果として、

  • 「動かないから買い替えるべきPC」と

  • 「動くけれど当面困らないPC」

の両方が巨大なボリュームで存在し、企業側のリプレース判断をより難しくしている状況がうかがえます。

Windows 10のサポート終了と、残し続けることのリスク

Windows 10は2025年10月14日で通常の無償セキュリティ更新が終了し、今後はESU(拡張セキュリティ更新)を契約した端末以外には、新しい脆弱性の修正は基本的に届かなくなります。

ESUは「延命策」としては有効ですが、

  • 対象端末の選別と管理が必要になる

  • 企業向けは有償で、年々コストが上がっていく

  • 適用や証跡管理など、運用負荷も無視できない

という性格が強く、恒久的な解決にはなりません。
情報システム部門としては、「Windows 11への移行を前提に、どうしても残す必要があるWindows 10端末を最小限に絞り込む」というスタンスが現実的です。

とくに大きなリスクは、「WannaCry級のワーム性ランサムウェアが再び現れたときに、未サポートのWindows 10端末が“横展開の起点”になる」ことです。
過去のWannaCryやNotPetya、RDPのBlueKeep脆弱性などの事例が示すとおり、古いOSやパッチ未適用端末は、攻撃が広がる“増幅器”として機能してしまいます。

もちろん、ESUを適用したうえでネットワーク分離やRDP/SMBの制限、最小権限化などを徹底すれば「限定的な延命」は可能です。ただし、そのための設計・運用・監査コストを考えると、移行計画を前倒しして「そもそもWindows 10を減らす」ほうが、中長期的にはコスト効率の良い防御になるケースが多いはずです。

個人向けESUの位置づけ

個人利用についても、MicrosoftはWindows 10 Version 22H2向けに、2026年10月13日までのESUを提供します。
ポイントや一括課金(約30ドル)で登録でき、「緊急/重要」のセキュリティ更新だけは延長して受け取れる仕組みです。

ただし、

  • 機能アップデートや品質改善パッチは提供されない

  • 企業のドメイン参加端末やMDM管理端末などは対象外

といった制約があり、「長くWindows 10を使い続けるための解決策」というよりは、「どうしてもすぐには移行できない端末のための一時しのぎ」と捉えるのが妥当です。企業・団体の場合は、別枠の企業向けESU契約と、ネットワーク分離などの統制を組み合わせて慎重に運用する必要があります。

PC市場はサポート終了でも一気に動かない

今回の発言の中で、クラーク氏は今後のPC市場についても言及し、

「PC市場は今後もほぼ横ばい(roughly flat)になる」

との見通しを示しています。

通常であれば、OSサポート終了は大きな刷新需要を生むきっかけになりますが、

  • ハード要件を満たせない古いPCが多い

  • 逆に「あと数年は十分使える」PCも多い

  • クラウド移行やDaaS/VDIなど、ローカルPC依存度を下げる選択肢も広がっている

といった要因から、「Windows 10終了 → すぐWindows 11搭載PCへ一斉リプレース」という構図にはなっていないことが読み取れます。

Dell自体は、法人向けPCビジネスで「1桁台半ば〜後半の成長」を維持しているとしていますが、これは市場全体が伸びているというより、シェアを取っている結果だと見られます。

一部参照

Dell says Windows 11 transition is far slower than Win 10 shift as PC sales stall