神戸六甲鉄道、チケット紛失で59件の個人情報が流出 再発防止策を発表

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神戸六甲鉄道、チケット紛失で59件の個人情報が流出 再発防止策を発表

2025年4月4日、神戸六甲鉄道株式会社は、同社が運営する「六甲ケーブル」にて使用されたチケットの紛失により、個人情報59件が漏えいした可能性があることを公表しました。当該チケットには氏名および会員番号が記載されており、紛失発覚が遅れたことで請求処理にも影響が生じたとしています。

情報漏洩の概要

  • 発生件数:59件

  • 対象期間:2025年1月1日〜1月31日に利用されたチケット

  • 漏えい内容

    • 氏名

    • 会員番号(兵庫県学校厚生会の会員情報)

漏えいしたのは、一般財団法人兵庫県学校厚生会が発行する「施設利用補助券」で、六甲ケーブルがその指定施設として利用を受け付けていたものです。

 発生の経緯

  • 2025年2月上旬:担当者が1月利用分のチケットを回収・保管し、請求書を作成

  • 2月7日:請求処理の準備中、チケットの所在不明に気づくも、上司への報告を失念し、手続きを中断

  • 4月1日:経理担当からの入金確認により発覚。調査の結果、チケット紛失と請求手続きの未実施が判明

結果として、個人情報の紛失と同時に、関係団体への請求処理の遅延という二重の管理不備が浮き彫りとなりました。

 再発防止策

神戸六甲鉄道では、今回の漏えいを受け、以下の対策を発表しています:

  • チケット(補助券)の鍵付き金庫での保管徹底

  • 受渡し時の記帳管理の厳格化

  • 全社員への個人情報取扱い教育の再徹底

  • インシデント発生時の速やかな報告義務の強化

特に、紙媒体の個人情報については「保管責任」「報告責任」「引継ぎ責任」を明文化し、部門間での情報連携強化も図るとしています

 情報システム部門が注視すべきポイント

このケースはデジタルではなく、アナログ媒体(紙チケット)に起因する情報漏えい事例であり、以下の観点での見直しが求められます

1. 紙文書の保管・廃棄ルールの明文化

  • 保管場所の物理的制限(施錠、記録)

  • 保管期限・処分ルールの定義と教育

2. 情報資産としての取り扱い意識の浸透

  • 名簿・伝票・補助券など「軽視されがちな紙情報」の重要性認識

3. インシデント報告体制の見直し

  • 「気づいたが報告しなかった」ことによる深刻化リスクを想定したルール設計が必要