NEC、2018年納入のロシア向け海底ケーブルを巡る報道に見解発表-共同通信は秘密調達網トップの来社を報道

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NEC、2018年納入のロシア向け海底ケーブルを巡る報道に見解発表-共同通信は秘密調達網トップの来社を報道

NEC(日本電気)は2025年10月23日、同社が2018年にロシア国内向けに納入した海底ケーブルシステムに関する一部報道について、「取引先から民生用途との説明を受け、各国の輸出管理法令を確認した上で取引を行った」とするコメントを発表しました。NECはまた、2022年のロシアによるウクライナ侵攻開始を受けて当該取引先との取引を終了したとし、今後も国際情勢に応じた適切な輸出管理のもとで海底ケーブル事業を継続する方針を示しました。

一方、共同通信は24日、NEC製の海底通信ケーブルがロシア軍に軍事転用された疑いがあるとしたうえで、日米欧にまたがる秘密調達網のトップとされるロシア人経営者、アレクセイ・ストレリチェンコ氏が2018年にNEC本社(東京都港区)を訪問していたと報道。ストレリチェンコ氏は通信インフラ企業UPT(パースペクティブ・テクノロジーズ)の社長で、2024年10月に米財務省の制裁リストに追加されています。報道によれば、同氏関連企業と取引のあった欧米企業には2021年ごろから軍民両用品の販売を控えるよう注意喚起が行われていたとされ、NECとUPTには2000年代からの取引関係があったほか、複数回の来社もあったと伝えています。

争点とこれまでに判明している事実

  • NECの見解:民生用途として輸出管理法令を確認のうえ取引。2022年以降は取引停止。海底ケーブルは「人と人、国と国を結ぶ重要インフラ」であり、適切な輸出管理の徹底を継続する姿勢。

  • 報道側の指摘軍事転用の疑いを提示。制裁対象となったUPTトップの2018年NEC来訪や、過去からの取引関係、欧米情報機関の注意喚起などの状況証拠を列挙。

背景:海底ケーブルと輸出管理

海底ケーブルは国際通信の大動脈で、クラウドや国際決済、政府・企業通信を支える戦略インフラです。

一方で、敷設ルートや陸揚局設備、監視・運用系は安全保障上の関心事でもあり、民生と軍事が交差するデュアルユース領域として各国の輸出管理・制裁制度の適用対象になりやすい分野です。

過去に指摘された「ロシアによる日本企業の技術・製品の軍事転用疑い」

  • 東芝機械・ココム違反事件(1980年代)
    冷戦期、東芝機械(現シバウラマシン)とノルウェーのコングスベルグが、ココム規制に違反してソ連へ高性能工作機械を不正輸出したとされる事件は、日本企業が関わる対ソ(対ロ)軍事能力強化への関与として象徴的に語られてきました。ソ連潜水艦のスクリュー静粛化に資する可能性が問題視され、国内外で大きな政治・外交問題に発展しました。

  • ウクライナ侵攻後:ロシア兵器での日本製民生部品確認報告
    2022年以降、西側当局・NATO等の調査で、ロシアのミサイルや無人機から日本を含む各国の非ロシア製電子部品が見つかったとの報告が相次ぎました。
    これは必ずしも日本企業がロシアへ直接輸出したことを意味するものではなく、第三国経由の迂回流通(再輸出)や民生品の軍事転用といったサプライチェーン上の課題が背景にあります。各国は輸出管理の穴を塞ぐべく規制強化や注意喚起を進めています。

今後の見通し

本件では、軍事転用の有無を含む実態の検証と、取引当時の審査・管理プロセスの妥当性が焦点になります。

NECは適切な輸出管理の継続を強調しており、国際的な制裁・規制の更新動向を踏まえた取引先デューディリジェンスの一層の厳格化や、サプライチェーン全体でのコンプライアンス統治が求められる局面です。業界全体としても、民生説明の取引であっても後年の制裁指定・用途転用リスクを織り込んだ管理が標準化していくとみられます。

参照

【独自】秘密調達網トップがNEC出入り ロシア人、国防省受注と同時並行