フランス政府は2025年12月15日、内務省のメールサーバーがサイバー攻撃を受け、不正アクセスを受けたことを正式に認めました。攻撃は12月11日から12日にかけての夜間に検知されたもので、一部のファイルに不正アクセスが行われた形跡が確認されています。
内務大臣ローラン・ヌネズ氏はラジオ局のインタビューで、「確かにサイバー攻撃があり、攻撃者が複数のファイルにアクセスしたことを確認しました」と述べつつ、「現時点で重大な情報流出が起きた証拠はない」と説明しました。実際にデータが持ち出されたかどうかについては、現在も確認が続いています。
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メールサーバーが標的、職員向けシステムのアクセス制御を強化
今回の攻撃は、内務省が運用するメールサーバーを狙ったものとされています。省内の情報システムに侵入された可能性があることから、当局は直ちに通常の防御プロセスを発動し、アクセス制御や認証手続きの強化などセキュリティレベルを引き上げました。
ヌネズ氏は、「情報システムへのアクセス手続きを全職員向けに厳格化した」と述べ、今後も監視と防御を強化していく姿勢を示しています。
攻撃主体は不明 「外国勢力」「ハクティビスト」「サイバー犯罪」など複数シナリオを想定
仏当局は、サイバー攻撃の出所と目的を特定するための捜査を開始しており、現在は複数のシナリオを並行して検証している段階です。
ヌネズ氏は、想定される可能性として
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外国政府などによる干渉・スパイ活動
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政府システムの脆弱性を誇示しようとするハクティビスト
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金銭目的のサイバー犯罪者
といったケースを挙げ、「現時点ではいずれとも断定できない」としています。
内務省は警察、治安、移民管理など国内の安全保障を担う中枢機関であり、国家レベルの攻撃者にとって高い価値を持つ標的です。そのため、国家支援型の攻撃かどうかも含め、慎重な分析が進められています。
背景にロシア系APT28の長期キャンペーン
フランス政府は今年4月、少なくとも過去4年にわたり、十数のフランス国内組織を標的としてきた大規模なサイバー攻撃キャンペーンについて、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)傘下とされるハッカー集団APT28(Fancy Bear)によるものだと公式に非難しています。
このキャンペーンでは、
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各省庁や地方自治体
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防衛産業基盤(DTIB)や航空宇宙関連企業
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研究機関やシンクタンク
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経済・金融分野の組織
などが標的となり、特に2024年以降は政府・外交・研究機関に焦点を当てた攻撃が確認されてきました。
APT28は2021年頃から、Roundcubeメールサーバーを狙った攻撃を繰り返しており、北米やヨーロッパ各国(フランスやウクライナを含む)の政府・外交機関から「戦略的情報」を窃取することを目的としていたと報告されています。
今回の内務省への攻撃がAPT28によるものだと公式発表されたわけではありませんが、過去の事例から、フランス政府機関を狙った高度なサイバー活動が継続していることは明らかです。
今後の見通し
当局は、司法当局と連携しながら技術的なフォレンジック調査を継続しており、攻撃の全容や被害範囲が明らかになり次第、追加の情報を公表するとしています。








