Microsoft Teamsのスクリーンキャプチャ防止機能が一般提供を開始

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Microsoft Teamsのスクリーンキャプチャ防止機能が一般提供を開始

Microsoftは、Microsoft Teamsの会議において無断でのスクリーンショットや録画を防止する新機能「Prevent Screen Capture(スクリーンキャプチャ防止)」の全世界での一般提供を、2025年11月末までに完了しました。当初は2025年7月からの展開が予告されていましたが、追加のテストと改良のため複数回延期され、最終的に2025年11月から一般提供が始まりました。この機能はTeams Premiumのライセンスが必要で、会議主催者が会議ごとに手動で有効化する仕組みです。有効化された会議でスクリーンショットを試みると、Windowsデスクトップでは会議ウィンドウが黒く表示され、キャプチャは無意味になります。サポートされていないプラットフォームから参加するユーザーは、会議のセキュリティを維持するため自動的に音声のみのモードに切り替えられます。金融・医療・法務など機密情報を扱う業界における仮想会議での情報漏洩リスクへの対応策として位置づけられています。

サマリー

  • Microsoft Teamsのスクリーンキャプチャ防止機能が2025年11月末までに全世界で一般提供完了
  • 当初2025年7月予定だったが複数回延期され、11月に一般提供開始
  • Teams Premiumライセンスが必要な機能
  • デフォルトは無効で、会議主催者・共同主催者が会議ごとにMeeting Optionsから手動で有効化
  • 会議ポリシーによる一括管理はできず、会議単位での設定
  • プラットフォームごとに挙動が異なる(Windowsは黒画面、iOSは静止画表示など)
  • 非対応プラットフォームからの参加者は音声のみモードに自動切り替え
  • 物理的なカメラによる画面撮影は防げないという根本的な限界がある
  • スクリーン共有・リモート制御の監査ログ機能も別途提供

項目 内容
機能名 Prevent Screen Capture(スクリーンキャプチャ防止)
提供状況 2025年11月末までに全世界で一般提供完了
当初予定 2025年7月(複数回延期)
ライセンス要件 Microsoft Teams Premium
デフォルト設定 無効(オフ)
有効化権限 会議主催者・共同主催者(Meeting Optionsから)
管理方法 会議単位(会議ポリシーによる一括管理は不可)
Microsoft 365 Roadmap ID 490561
関連機能 スクリーン共有・リモート制御の監査ログ

機能の概要―会議中のスクリーンショットと録画をブロック

スクリーンキャプチャ防止機能は、Teams会議で共有される機密性の高いコンテンツを、スクリーンショットや録画から保護するためのものです。会議主催者がこの機能を有効化すると、デバイス標準のキャプチャツールおよび大半のサードパーティ製アプリによるスクリーンキャプチャが制限されます。

保護される対象は、会議のステージ(メインの共有画面)、チャット、参加者リスト、ノート、バナー、そしてCopilotパネルなど、会議の主要なビューに及びます。単に共有されている資料だけでなく、会議に関連する情報全般が保護対象となります。

Microsoftはこの機能について、機密性の高い議論において特に有用だとしており、金融・医療・法務といった機密情報を日常的に扱う業界での活用を想定しています。仮想会議での情報漏洩や企業スパイ、機密資料の偶発的な開示といった、企業が抱える懸念に応える機能です。

プラットフォームごとに異なる挙動

この機能で特に理解しておくべきなのは、参加しているプラットフォームによって挙動が異なる点です。サーバーサイド・クライアントサイドの両面からシステムに携わった経験から言えば、これはOSごとに利用できるスクリーンキャプチャ制御のAPIや技術的制約が異なるためであり、各プラットフォームで可能な最大限の保護を適用した結果といえます。

Windowsデスクトップでは、スクリーンショットを撮影しようとすると、ポップアウトを含む会議ウィンドウの周囲が黒い矩形で表示され、キャプチャした画像は無意味になります。

Macデスクトップでは、キャプチャしたコンテンツが消え、会議ウィンドウとポップアウトが実質的に隠されます。

Android(スマートフォンおよびタブレット)では、スクリーンショットと録画がブロックされ、ユーザーには画面キャプチャが制限されている旨のメッセージが表示されます。

iOS(iPhoneおよびiPad)では、スクリーンショットと録画自体は許可されますが、参加者のビデオフィードなどのライブ映像はキャプチャされません。代わりにプロフィール画像や静止コンテンツが表示されます。iOSではライブ映像のみが保護される形となり、他プラットフォームより保護のレベルが限定的です。

そして、これら以外のサポートされていないプラットフォームから参加する場合、ユーザーは音声のみのモードで会議に参加することになります。映像を一切見られない代わりに、議論には引き続き参加できるという設計です。Microsoftはこれを、スクリーンキャプチャをブロックできない技術的能力のないプラットフォームへの機密共有メディアの露出を予防的に制限しつつ、これらのユーザーも会議の議論には参加できるようにする設計だと説明しています。

Teams Premiumが必要、デフォルトは無効

導入にあたって注意すべき要件があります。

第一に、この機能はMicrosoft Teams Premiumのライセンスが必要な機能です。通常のTeamsライセンスでは利用できないため、機能を使いたい組織はTeams Premiumのライセンスを対象ユーザーに割り当てる必要があります。Microsoft 365管理者は、デバイスの登録とTeams PremiumのライセンスをMicrosoft Entra ID経由で管理できます。

第二に、この機能はデフォルトで無効になっています。会議主催者または共同主催者が、会議ごとにMeeting Options(会議のオプション)から手動でトグルをオンにして有効化する必要があります。重要なのは、この機能が会議ポリシーによって一元管理されない点です。つまり、IT管理者が組織全体の会議に対して一律にこの機能を強制適用することはできず、あくまで各会議の主催者の判断で個別に有効化する運用となります。機密性の高い会議を主催する担当者に対して、この機能の存在と有効化の手順を周知することが、実効性を持たせる鍵になります。

展開の遅延という経緯

この機能の展開は、当初の予定から複数回にわたって延期されました。

Microsoftは2025年5月にこの機能を発表し、当初は2025年7月からの展開開始を予定していました。その後、ターゲットリリース(一部ユーザー向けの先行提供)が2025年9月中旬に開始されましたが、全世界での一般提供の開始は当初の2025年10月中旬から2025年11月上旬へと変更され、11月末までに完了する形となりました。Microsoftは2025年11月12日に、追加のテストと改良のためにタイムラインを更新したと説明しています。

セキュリティ機能の展開が慎重に進められたことは、この機能が複数のOSにまたがる低レベルの画面制御に関わるものであり、既存のアプリケーションや利用者の体験への影響を十分に検証する必要があったことを示唆しています。

管理者向けの監査ログ機能

スクリーンキャプチャ防止機能とあわせて、Microsoftはスクリーン共有とリモート制御に関する監査ログ機能も提供しています。

この機能により、IT管理者はTeams管理センターを通じて、「制御の権限付与と取得(Give and Take Control)」および「スクリーン共有(Screenshare)」の両方について詳細なログにアクセスできるようになります。これらのログには、スクリーン共有セッション中に誰が制御を開始または受け取ったか、対応するタイムスタンプ、そしてユーザーの識別情報が記録されます。

この機能は、スクリーン共有活動に対するより高い可視性を求める管理者の要望に応えるものであり、特に厳格なコンプライアンス要件を持つ組織や、機密性の高い知的財産を管理する組織にとって有用です。内部統制やインシデント対応の強化につながる仕組みです。

根本的な限界―物理的な撮影は防げない

この機能を導入する際に、必ず認識しておくべき限界があります。

専門家が指摘するとおり、この技術はすべてのリスクを排除できるわけではありません。最も明白な抜け穴は、スマートフォンやカメラで画面を物理的に撮影する行為です。デジタルなスクリーンキャプチャはブロックできても、別のデバイスで画面そのものを写真に撮る行為までは技術的に防ぐことができません。

したがって、組織はこの機能を包括的な解決策として扱うのではなく、より広範なセキュリティ戦略の一部として統合すべきです。規制上の義務が厳格化し、データ侵害が拡大するなかで、組織は機密情報の流れを制御するためにユーザーの信頼だけに頼ることはできなくなっています。しかし、技術的なキャプチャ防止と並行して、機密情報を扱う会議における参加者の限定、会議内容の分類と取り扱いルールの明確化、そして従業員教育といった、人的・組織的な対策を組み合わせることが不可欠です。

なお、Microsoft Teamsは181か国で3億2,000万人以上の月間アクティブユーザーを抱える、ビジネスの意思決定や知識共有に欠かせないプラットフォームとなっています。それだけに、会議で共有される情報の保護は多くの組織にとって重要な課題です。今回の機能は、その課題に対する有効なツールの一つとなります。

Teamsをめぐっては、Teamsを悪用したITヘルプデスクなりすましによるサポート詐欺や、ゲストチャットの設計を悪用してDefenderの保護を回避する手法など、コラボレーションツールならではの脅威も報告されています。今回のスクリーンキャプチャ防止のような正規機能の活用と並行して、Teamsを狙った攻撃手法への対策も継続的に進める必要があります。


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