株式会社キングジムは2026年9月4日、過去に利用していた株式会社EストアーのECカートシステム「ショップサーブ」への不正アクセスにより、旧「キングジムストア」と「オフィスオンラン」の利用者情報の一部が外部へ漏えいしたことが判明したと公表しました。
Eストアーからキングジムへ、8月31日に過去の顧客情報が漏えい対象に含まれていたとの連絡がありました。
対象となるのは2022年8月以前に旧ECサイトを利用した顧客で、氏名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、勤務先、任意入力情報が漏えい対象です。キングジムによると、クレジットカード情報とログインパスワードの漏えいは確認されていません。
キングジムの個人情報漏えい事案のサマリー
- キングジムは2026年9月4日、過去のEC利用者の個人情報漏えいを公表しました。
- 原因は、過去に利用していたEストアーの「ショップサーブ」への不正アクセスです。
- Eストアーは5月21日から8月1日にかけて第三者による不正アクセスを受けました。
- Eストアーは購入者情報を外部へ送信されたことを確認しています。
- キングジムは8月31日、自社の過去顧客情報が漏えい対象に含まれていたとの連絡をEストアーから受けました。
- 対象は2022年8月以前に旧「キングジムストア」「オフィスオンライン」を利用した顧客です。
- 漏えい情報は、氏名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、勤務先、任意入力情報です。
- クレジットカード情報とログインパスワードの漏えいは確認されていません。
- キングジムの対象件数は公表されていません。
- 現行の「キングジムストア」は2022年8月から別システムを利用しており、現在運用中のECサイトで顧客情報漏えいは確認されていません。
- 「HITOTOKIストア」も開設当初からショップサーブとは別システムを利用しています。
- 対象顧客についてはEストアーが調査し、個別に連絡しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公表日 | 2026年9月4日 |
| 対象組織 | 株式会社キングジム |
| 原因となったサービス | Eストアー「ショップサーブ」 |
| 不正アクセス期間 | 2026年5月21日~8月1日 |
| キングジムへの通知 | 2026年8月31日 |
| 対象サイト | 旧「キングジムストア」「オフィスオンライン」 |
| 対象利用期間 | 2022年8月以前 |
| 漏えい確認 | あり |
| 漏えい情報 | 氏名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、勤務先、任意入力情報 |
| クレジットカード情報 | キングジム顧客分では漏えい確認なし |
| ログインパスワード | キングジム顧客分では漏えい確認なし |
| 対象件数 | 公表されていません |
| 現行ECサイトへの影響 | 確認されていません |
| 個人情報保護委員会への報告 | キングジムの公表資料では確認できませんでした |
Eストアーから8月31日に漏えい対象との連絡
キングジムによると、Eストアーから連絡を受けたのは8月31日です。
Eストアーが保管していた顧客情報を調査する中で、過去にキングジムのECサイトを利用した顧客情報が漏えい対象に含まれていることが判明しました。
今回のキングジム側の公表は、「漏えいの可能性」ではありません。キングジムは個人情報の一部が外部へ漏えいしたことが判明したと明記しています。
対象件数は公表されていません。
2022年8月以前の旧ECサイト利用者が対象
対象となるのは、2022年8月以前に旧「キングジムストア」または「オフィスオンライン」を利用した顧客です。
漏えいした情報は、氏名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、勤務先、その他顧客が任意で入力した情報です。
一方、Eストアーからの報告では、キングジムの対象顧客についてクレジットカード情報とログインパスワードの漏えいは確認されていません。
ここはEストアー全体の事案と分けて見る必要があります。
Eストアーの第2報では、ショップサーブ全体としては会員ID・パスワードやクレジットカード情報の一部も漏えい対象に含まれるとしています。ただし、キングジムが9月4日に公表した自社顧客の対象情報には、これらは含まれていません。
Eストアー全体では最大885万3,839件を公表
Eストアーは8月2日の第2報で、ショップサーブへの不正アクセスについて、5月21日から8月1日に第三者がサーバー上で不正なプログラムを実行し、購入者情報を外部へ送信したと公表しました。
同社が8月2日時点で公表した漏えい対象件数は885万3,839件です。
ただし、この件数は同一顧客の複数登録データを含む可能性があり、実人数を示すものではありません。
ショップサーブは多数のEC事業者が共通利用する基盤です。今回のキングジムの公表は、一つのECプラットフォームへの侵害が、利用企業ごとの個人情報漏えいとして後から相次いで表面化する構造を示しています。
セキュリティ対策Labでは、Eストアー本体の事案について以下の記事で整理しています。
関連記事:Eストアー「ショップサーブ」に不正アクセス、最大885万3,839件の購入者の個人情報漏洩の恐れ
現在のキングジムストアは別システム、漏えい確認なし
現在運営されている「キングジムストア」は、2022年8月からショップサーブとは異なるシステムへ移行しています。
そのため、現行キングジムストアの顧客情報については、今回の事案による漏えいは確認されていません。
「HITOTOKIストア」についても、開設当初からショップサーブとは異なるシステムを利用しています。
また、「オフィスオンライン」はすでにサービスを終了しています。
フィッシングやなりすましに注意
キングジムは、クレジットカード情報やログインパスワードの漏えいは確認されていないため、直ちに財産的被害が生じる恐れはないと説明しています。
一方、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、勤務先などが漏えいしているため、キングジム、Eストアー、カード会社などを装う不審なメール、電話、SNSには注意が必要です。
漏えいした情報を組み合わせれば、過去の購入者を狙った具体性の高いフィッシングやなりすまし連絡に利用される可能性があります。
キングジムは、2022年8月のシステム移行前にキングジムストアへ会員登録していた顧客に対し、念のため現行アカウントのパスワード変更を検討するよう案内しています。
情報システム・EC事業者への示唆
今回の事案は、現在利用していない外部サービスに過去の顧客情報が残っている場合、契約終了後も漏えいリスクが残ることを示しています。
クラウドやSaaS、EC基盤を移行する際には、移行後の機能確認だけでなく、旧事業者側に残る顧客データの削除、保存期間、バックアップ、法令上の保持義務を確認することが重要です。
また、共通基盤型サービスが侵害された場合、影響企業の特定には時間がかかることがあります。今回もEストアーの第2報は8月2日でしたが、キングジムが自社顧客の対象を把握したのは8月31日でした。
委託先やSaaS事業者からの事故通知を受けた際には、自社が現在利用しているかどうかだけでなく、過去利用時のデータが事業者側に残存していないかまで確認する必要があります。








