
秋田大学医学部附属病院(以下、秋田大学病院)は2025年5月30日、患者および職員の個人情報が保存されたUSBメモリが院内で紛失していたことを公表しました。本件は医療従事者の安全と感染管理に関連する情報が記録された媒体であり、患者情報の取扱いに関する管理体制の見直しが急務となっています。
紛失判明は3月、現在も未発見
病院によると、紛失が確認されたのは2025年3月10日(月)。
最後に当該USBメモリが使用されたのは2月25日(火)で、所定の保管場所に返却された後、部署内で保管されていたといいます。院外への持ち出しはなかったとされており、院内での紛失の可能性が高いとしています。
病院側は「現時点で第三者による不正利用や情報流出は確認されておらず、USBメモリにはパスワード保護が施されていた」と説明していますが、個人情報を含む媒体の管理が問われる重大なインシデントといえます。
保存されていた個人情報は患者481名・職員941名分
紛失したUSBメモリには、2003年(平成15年)以降に秋田大学病院で発生した「針刺し・切創」および「皮膚・粘膜曝露」の事案に関する詳細なデータが保存されていました。
具体的には以下の情報が含まれます:
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患者情報:481名分の氏名、カルテ番号、ウイルス検査の結果
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職員情報:延べ941名分の氏名、フリガナ、職員番号、カルテ番号、性別、年齢など
これらの情報は、医療従事者が患者の血液などに曝露した際に感染リスク評価を行う目的で取得・管理されていたものです。いずれも感染管理の観点から機密性の高い情報であり、漏えいが確認された場合には深刻な二次被害や信用失墜が懸念されます。