ANA、ミャンマー発行クレジットカードの決済を停止-背景にミャンマーへの制裁・AML強化が影響か

セキュリティニュース

投稿日時: 更新日時:

ana-suspends-payments-with-myanmar-issued-credit-cards-due-to-sanctions-and-aml-measures

ANA(全日本空輸)は2025年10月30日以降、ミャンマーで発行されたクレジットカードによるANAウェブサイト上の決済を停止しました。公表では理由を明示していませんが、国際的な制裁・マネロン対策(AML/CFT)強化に伴うカード決済網・銀行側のコンプライアンス対応が背景にあります。

背景:国際金融上の「高リスク」指定と制裁の影響

ミャンマーはFATF(金融活動作業部会)の最上位リスク区分(いわゆるブラックリスト)対象国に位置づけられており、各国の金融機関は高度なエンハンスト・デューデリジェンス(EDD)を求められます。結果として国際決済やカード取引の受入れに厳格な制限がかかりやすい状況が続いています。

さらに米国は2023年、国営系銀行(MFTB・MICB)等を制裁指定し、同銀行経由の取引整理(ウィンドダウン)を求めました。こうした制裁は国際送金・決済の経路や為替調達に直接影響し、海外加盟店にとってミャンマー発行カードの受入れリスク(決済不成立・資金決済の遅延、制裁違反リスク等)を高めます。

想定される具体的な要因

  • 制裁・FATF指定に起因するコンプライアンス負荷:加盟店・決済代行・アクワイアラに追加審査やモニタリングが発生し、高リスク国発行カードの受入れを停止する判断が合理化。

  • 決済ルートの不安定化:制裁対象機関や規制強化により、清算・送金の経路が細る/コスト増。加盟店側に不成立・チャージバック・清算遅延のリスク。

  • カード網・銀行の実務対応:域外金融機関(例:UOB)によるミャンマー関連のカード・送金制限が波及し、国際的な受入れ停止のドミノが生じやすい

参照

Treasury Sanctions Burma’s Ministry of Defense and Regime-Controlled Financial Institutions

High-Risk Jurisdictions subject to a Call for Action – 24 October 2025