Apache Supersetに認証済ユーザーによるSQLインジェクションでRLSバイパスの脆弱性(CVE-2025-48912)

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Apache Supersetに認証済ユーザーによるSQLインジェクションでRLSバイパスの脆弱性(CVE-2025-48912)

2025年5月30日、Apache Supersetの開発チームは、データ可視化・分析プラットフォーム「Apache Superset」に存在する深刻な脆弱性「CVE-2025-48912」について公式アドバイザリを公開しました。この脆弱性により、認証済みの攻撃者がSQLインジェクションを悪用し、行レベルセキュリティ(RLS)をバイパスして機密データにアクセスできる可能性があります。

影響を受けるバージョン

Apache Superset 4.1.2未満

脆弱性の対策バージョン

Supersetバージョン4.1.2へのアップグレード

脆弱性の概要

本脆弱性は、sqlExpression フィールドの入力値が不適切に処理されていたことに起因します。攻撃者はこのフィールドに悪意あるサブクエリを注入することで、RLSによって制限されたデータのフィルタリング処理を回避し、本来アクセスできない行データの取得が可能になります。

CVSSスコアは未公表ですが、深刻度は高い脆弱性になります。

攻撃の成立条件と影響

この攻撃は認証済みのユーザーが前提となるため、例えば社内の一般利用者や第三者に渡したアカウント情報を用いて、意図せず組織内の他の部門データや個人情報にアクセスされるリスクがあります。とくに以下のような組織で影響が大きくなります。

  • Superset上で複数のテナントや部門がデータを共有している

  • RLSを活用して細粒度のアクセス制御を行っている

  • ダッシュボードやレポートにSQL式を多用している