Apache TomcatでCGIセキュリティ制約バイパスの脆弱性(CVE-2025-46701)

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Apache TomcatでCGIセキュリティ制約バイパスの脆弱性(CVE-2025-46701)

2025年5月29日、Apache Software Foundationは、Apache TomcatにおいてCGI(Common Gateway Interface)に関連するセキュリティ制約を回避できてしまう脆弱性「CVE-2025-46701」を公表しました。本脆弱性は深刻度こそ「低(Low)」に分類されていますが、特定条件下では意図しないアクセス許可やデータ漏えいのリスクを孕んでおり、注意が必要です。

脆弱性の対象バージョン

以下バージョンかつCGI Servletが有効かつpathInfoで制約を設けている場合に脆弱性に該当します

  • Apache Tomcat 11.0.0-M1 ~ 11.0.6

  • Apache Tomcat 10.1.0-M1 ~ 10.1.40

  • Apache Tomcat 9.0.0.M1 ~ 9.0.104

脆弱性の対策バージョン

  • 11.0系列:11.0.7以上にアップグレード

  • 10.1系列:10.1.41以上にアップグレード

  • 9.0系列:9.0.105以上にアップグレード

脆弱性の概要

この脆弱性は、Tomcatを大文字・小文字を区別しないファイルシステム(例:Windows環境)上で稼働させ、CGI Servletに対してpathInfoパラメータを含むセキュリティ制約を構成している環境で発生します。

攻撃者は、この条件下でファイルパスの大文字・小文字の違いを悪用し、セキュリティ制約を回避したリクエストをTomcatに送信可能です。つまり、本来アクセスが制限されているはずのCGIスクリプトにアクセスできてしまうという問題です。

この脆弱性は、あくまで「低リスク」とされていますが、開発・テスト環境を含む本番運用前の環境において、CGIスクリプトを用いている場合は特に注意が必要です。

また、CGI経由で処理を行っているケースでは、セキュリティ制約が期待通りに機能していない可能性もあります。TomcatをWindows環境や他のcase-insensitiveなOS上で運用している場合、脆弱性が顕在化しやすくなります。