EDR製品の導入検討中の方必見!選び方から導入要件まで解説 製品比較表付き

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EDR製品の導入検討中の方必見。選び方から導入要件まで解説 製品比較表付き

日々刻々と変化するセキュリティ状況に対応するべく、EDR製品の導入を検討しているセキュリティ担当者の方は多いと思います。

ただ、EDR製品はただでさえ複雑であるのに種類も多く、どんな製品があってどれが自社に合っているのか、どうやって選べばいいのか、お悩みの方も多いかと思います。

本記事では、EDR製品の基本から選び方・導入要件、おすすめ製品と製品比較表までご紹介します。参考にしてみてください。

EDRについておさらい

EDR(Endpoint Detection and Response)は、エンドポイント上で発生するセキュリティ脅威を検出し、迅速に対応するためのソリューションです。エンドポイントとは、企業ネットワークに接続されるPCやモバイルデバイス、サーバーなどを指し、これらのデバイスはサイバー攻撃の主要なターゲットとなります。

EDRは、エンドポイントで発生する異常な挙動をリアルタイムで監視し、脅威を検出して迅速に対応することで、企業のセキュリティを強化します。

EDRは、従来のアンチウイルスソフトウェアやファイアウォールといったセキュリティ対策とは異なり、未知の脅威や高度な攻撃手法にも対応できる点で注目されています。特に、ゼロデイ攻撃やランサムウェアといった新たな脅威に対して、迅速な検出と対応が可能です。

EDR導入のメリットとデメリット

メリット

リアルタイムでの脅威検出と対応

EDRは、エンドポイント上での異常な活動をリアルタイムで監視し、脅威が検出されると即座に対応します。これにより、被害を最小限に抑えることができます。

高度な脅威対応能力

EDRは、従来のセキュリティ対策では検出が難しい高度な攻撃にも対応できます。特に、ランサムウェアやファイルレスマルウェアに対する防御力が強化されます。

詳細なフォレンジック分析

EDRは、インシデント発生後に詳細なフォレンジック分析を行い、攻撃の経路や原因を特定します。これにより、再発防止策を講じることが可能です。

デメリット

コストの高さ

EDRは高度な機能を持つため、導入と運用にはコストがかかります。特に、中小企業にとっては負担が大きい場合があります。

専門知識が必要

EDRの導入と運用には専門的な知識が求められます。ITリソースが限られている企業では、外部の支援が必要となる場合があります。

運用の複雑さ

EDRは多機能であるため、すべての機能を効果的に活用するためには、適切な設定と運用が求められます。設定ミスや不適切な運用は、十分な効果を発揮できない原因となります。

EDR製品の選び方

EDR製品を選ぶ際には下記のポイントを抑えましょう。

企業規模と予算

企業の規模や予算に応じて、最適なEDR製品を選ぶことが重要です。大規模な企業では、複数の拠点や多くのデバイスを管理するために、スケーラビリティと高機能を持つEDRが求められます。一方で、中小企業の場合、コスト効率が高くて導入が容易な製品が適しています。

そういった具合に、自社にはどんな規模感・コスト感のEDR製品が適しているのかを考えましょう。

対応するOS環境

企業で使用しているOSに対応したEDRを選定することも重要です。例えば、Windowsだけでなく、macOSやLinux、モバイルデバイスにも対応する製品を選ぶことで、すべてのエンドポイントを包括的に保護できます。

また、スマートフォンに対応しているEDRメーカーもありますので社用携帯のセキュリティ対策を行いたい場合はスマートフォンへの対応可否も確認してみてください。

導入と運用の容易さ

EDRの導入と運用の容易さも重要な選定ポイントです。複雑な設定が必要な製品は、導入に時間がかかるだけでなく、運用中のトラブルも増える可能性があります。直感的なインターフェースと豊富なサポートが提供されている製品を選ぶことで、スムーズな導入と運用が可能になります。

セキュリティ機能の充実度

EDR製品のセキュリティ機能がどれだけ充実しているかも重要です。リアルタイムの脅威検出、自動化されたインシデント対応、詳細なフォレンジック分析など、企業のセキュリティニーズに合った機能が備わっているかを確認しましょう。

EDR製品の導入要件

EDR製品を導入する際には、下記要件を考慮しましょう。

ネットワークインフラの整備

EDRは、リアルタイムでエンドポイントを監視するため、ネットワークインフラが適切に整備されていることが前提となります。特に、エンドポイントからのデータ収集や分析をスムーズに行うために、ネットワーク帯域やサーバーの性能が十分であることを確認する必要があります。

従業員の教育・訓練

EDRの効果を最大限に引き出すためには、担当者が製品の機能を十分に理解し、適切に運用できるようにする必要があります。製品の導入前に、トレーニングプログラムを受講することが推奨されます。

セキュリティポリシーの見直し

EDRの導入に伴い、既存のセキュリティポリシーを見直すことも重要です。新たな脅威に対応するためのポリシーや、インシデント発生時の対応フローを明確に定めておくことで、より効果的なセキュリティ対策が可能になります。

EDRは複雑なセキュリティソリューションですので、それを活用するためには組織のルールやポリシーも見直す必要があるのです。

おすすめのEDR製品10選

以下に、おすすめのEDR製品10選を紹介します。

それぞれ正確な情報はそれぞれ公式サイトをあたってください。

CrowdStrike Falcon

  • 特徴:クラウドベースでの高速な脅威検出と対応、優れたスケーラビリティ。
  • 長所:リアルタイムの脅威インテリジェンス、広範なOS対応。
  • 短所:コストが高い。

SentinelOne

  • 特徴:AIと機械学習を活用した脅威検出、自動対応。
  • 長所:自己防御機能、オフライン環境での対応力。
  • 短所:設定が複雑。

Microsoft Defender for Endpoint

  • 特徴:Windows環境との高度な統合、Microsoft 365との連携。
  • 長所:コスト効率が高い、簡単な導入。
  • 短所:非Windows環境では制約あり。

Carbon Black

  • 特徴:エンドポイントセキュリティとログ管理の一元化、リアルタイム脅威対応。
  • 長所:優れたフォレンジック機能、広範なOS対応。
  • 短所:運用コストが高い。

Tanium

  • 特徴:大規模環境におけるリアルタイム管理とセキュリティ。
  • 長所:スケーラビリティ、エンタープライズ向けの強力な管理機能。
  • 短所:導入コストが高い。

Sophos Intercept X

  • 特徴:ランサムウェア防御に特化、高度な脅威分析。
  • 長所:ユーザーフレンドリーなインターフェース、優れたサポート。
  • 短所:大規模なカスタマイズには不向き。

McAfee MVISION EDR

  • 特徴:クラウドベースのEDR、広範なセキュリティ機能。
  • 長所:優れたセキュリティレポート、簡単な管理。
  • 短所:一部の高度な機能は追加料金が必要。

Bitdefender GravityZone

  • 特徴:機械学習とAIを活用した高度な脅威検出、軽量なエンドポイントエージェント。
  • 長所:システムリソースに負担をかけない、高い検出精度。
  • 短所:特定の業界や要件に合わせたカスタマイズが限定的。

Kaspersky Endpoint Detection and Response

  • 特徴:包括的な脅威インテリジェンス、詳細なインシデントレポート。
  • 長所:多層的な保護、幅広いデバイスサポート。
  • 短所:一部の機能が競合製品に比べて劣ると感じるユーザーもいる。

Trend Micro Apex One

  • 特徴:統合型のエンドポイント保護、AIを活用した脅威検出。
  • 長所:クラウドとオンプレミスのハイブリッド環境に対応、簡単な導入。
  • 短所:一部の高度な機能は追加費用が必要。

EDR製品比較表

最後に、各EDR製品の主な特徴を比較表にまとめました。企業のニーズに応じた最適な製品選びに役立ててください。

製品名 特徴 長所 短所 対応OS 価格帯
CrowdStrike Falcon クラウドベース、高速な脅威検出と対応 広範なOS対応、スケーラビリティが高い コストが高い Windows, macOS, Linux 高め
SentinelOne AI/ML活用、自動対応 自己防御機能、オフライン対応力 設定が複雑 Windows, macOS, Linux 高め
Microsoft Defender for Endpoint Windows統合、Microsoft 365連携 コスト効率が高い、簡単導入 非Windows環境で制約 Windows 中程度
Carbon Black エンドポイントセキュリティとログ管理を一元化 優れたフォレンジック機能 運用コストが高い Windows, macOS, Linux 高め
Tanium 大規模環境でのリアルタイム管理 強力な管理機能、スケーラビリティ 導入コストが高い Windows, macOS, Linux 高め
Sophos Intercept X ランサムウェア防御特化 ユーザーフレンドリー、優れたサポート カスタマイズには不向き Windows, macOS, Linux 中程度
McAfee MVISION EDR クラウドベース、広範なセキュリティ機能 優れたレポート、簡単管理 追加料金が必要な高度機能あり Windows, macOS, Linux 中〜高
Bitdefender GravityZone AI活用、高精度検出 軽量、リソース負担が少ない カスタマイズが限定的 Windows, macOS, Linux 中程度
Kaspersky EDR 包括的脅威インテリジェンス、詳細レポート 多層的保護、幅広いデバイス対応 競合製品に劣る点がある場合も Windows, macOS, Linux 中程度
Trend Micro Apex One 統合型保護、AI脅威検出 ハイブリッド環境対応、簡単導入 追加費用が必要な機能あり Windows, macOS, Linux 中〜高

まとめ

EDR製品は、企業のエンドポイントセキュリティを強化し、サイバー攻撃に対する防御力を高めるための重要なツールです。本記事で紹介したEDR製品は、それぞれ異なる特徴とメリットを持ち、企業の規模やニーズに応じて最適な選択肢を見つけることができます。

EDRの導入に際しては、企業のセキュリティポリシー、ネットワークインフラ、運用リソースを十分に考慮し、最適な製品を選定することが重要です。また、EDRは単なるソフトウェアではなく、セキュリティ体制全体の一部として適切に運用されることで、その効果を最大限に発揮します。