【2026年版】標的型攻撃メール訓練サービス比較|料金・機能・選び方を解説

コラム・インタビュー

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標的型攻撃メール訓練 サービスの選び方-確認すべき比較 項目とマストの機能

標的型攻撃メール訓練サービスとは、従業員にフィッシングや標的型攻撃を模した疑似メールを配信し、URLのクリック、認証情報入力、不審メールの報告といった行動を確認するサービスです。訓練結果に応じた教育、SMSや電話を使った訓練、実際の不審メールを報告・分析する機能まで提供する製品もあります。

サービス選定では、訓練メールのテンプレート数と料金だけでなく、シナリオの情報源、従業員情報の同期、配信・集計の自動化、不審メールの報告、その後のSOC・CSIRTでの対応まで比較する必要があります。

本記事では、国内外の標的型攻撃メール訓練サービス13件を一覧にし、主要6サービスの機能と特徴を詳しく比較します。Microsoft 365利用企業向けのAttack Simulation Trainingは別枠で紹介します。

比較・掲載基準:主要な機能・料金は各社の公式サイト、公式資料、公開料金情報を基に整理しています。主要6サービスの製品情報は2026年9月16日までに確認した内容を基礎とし、2026年10月12日に記事構成と選定項目を更新しました。掲載順は推奨順位を示しません。公開情報で確認できない機能を「非対応」とは判定せず、「要確認」とします。特に不審メール報告、ディレクトリ連携、SOC連携などは、別製品・追加契約・オプションで提供される場合があるため、実際の契約範囲を確認してください。

標的型攻撃メール訓練サービス13件を一覧比較

まず、主要6サービスと、国内で比較候補になるその他7サービスを一覧で整理します。メール以外のチャネルや報告機能などは製品・プランで差があるため、ここでは公開情報で確認できた代表的な特徴を記載しています。

サービス 提供元 主な比較ポイント メール以外の訓練・関連機能 公開料金・見積もり
AironWorks AironWorks AIを活用したシナリオ作成、訓練運用。PhishDetectAI等による不審メール分析との接続 SMS・SNS 要問い合わせ
サギトレ トビラシステムズ 迷惑メール・SMSの判定データを教材化。訓練結果に応じたAIによる個別設計 SMS 要問い合わせ
TrendAI Vision One Security Awareness トレンドマイクロ フィッシングシミュレーション、人的リスクの把握、AIを活用した教育 メール中心。その他は要確認 パッケージにより異なる/要問い合わせ
Proofpoint Security Awareness Training Proofpoint 脅威インテリジェンス、PhishAlarm、リスク別教育 SMS・USB等のシミュレーション 要問い合わせ
KnowBe4 Security Awareness Training KnowBe4 多言語教材、AIDA等による継続訓練、Phish Alert Button 音声、QRコード、ソーシャルメディアを使う訓練等 地域別の公開価格情報あり。国内条件は要確認
ヤグラアウェアネス ヤグラ OSINTやAIを使ったシナリオ生成、訓練後の教育。関連製品PhishAIによる報告・調査 SMS・電話・AI音声等 要問い合わせ
標的型攻撃メール訓練 NTT東日本 疑似メール訓練、設計・報告の支援オプション 要確認 公式サイトで要確認
標的型攻撃メール訓練 T3 ラック セルフ型、教育一体型、運用支援型を比較できる 要確認 T3:税込231,000円/100通から
トラップメール GSX 訓練設計から結果報告までの支援 要確認 要見積もり
Tadrill HENNGE 継続訓練・eラーニング、不審メール報告のアドオン 要確認 HENNGE One公式掲載例:月額300円/ID、最小200 IDから
KIS MailMon KIS Security セルフ運用型、400以上のシナリオ、不審メール報告・管理 要確認 税別36,000円/100通・年から
SHIELD 標的型攻撃メール訓練サービス 日立システムズ 専門家が準備から報告まで支援 要確認 要問い合わせ
標的型攻撃メール訓練サービス 大日本印刷(DNP) マニュアル型とSaaS型を選べる 要確認 要問い合わせ

料金は税込・税別、対象人数、訓練回数、教育の有無などの条件が異なるため、表の金額を単純に安い順に並べてはいけません。比較候補を絞った後、同じ条件で年間総額を見積もる必要があります。

なお、Microsoft Defender for Office 365 Plan 2の契約がある場合は、Microsoft Attack Simulation Trainingと外部訓練サービスの比較も確認してください。

主要6サービスの機能・運用を詳しく比較

以下は、主要6サービスの公開情報で確認できる機能と、企業が商談・PoCで確認すべき違いを整理したものです。

サービス 不審メール報告・調査 訓練シナリオの情報源 自動化・個別教育 対象者管理・SOC連携で確認したいこと
AironWorks 公式事例に「報告」ボタン。PhishDetectAIでAI分析やSOC転送設定等を提供 インシデントのトレンド、企業ごとの情報を収集・分析してAIで攻撃を再現すると説明 AIによるシナリオ生成・訓練運用。個別教育の範囲は要確認 Entra ID・人事マスタ連携、入退社同期、PhishDetectAIの契約範囲を確認
サギトレ 訓練フローにインシデント報告を含む 大量のメール・SMS判定データから最新手口を反映すると説明 個人の訓練結果からAIが頻度や内容を自動設計 ディレクトリ同期、報告からSOCへ渡すデータ・運用方法を確認
TrendAI Vision One Security Awareness 専用報告機能の詳細は公開情報では要確認 800以上のテンプレート。各教材の具体的な脅威情報源は要確認 AIによる高リスク従業員の予測とトレーニングの調整 契約プランごとの配信上限、Vision One連携、対象者同期・報告経路を確認
Proofpoint Security Awareness Training PhishAlarmによるワンクリック報告 Proofpointの脅威インテリジェンスに基づく攻撃シミュレーションと説明 リスク・訓練結果に応じた教育の自動化 対象者・グループ同期、PhishAlarmの契約範囲、既存メール対策との連携を確認
KnowBe4 Security Awareness Training Phish Alert Button、PhishER等による報告・トリアージ 同社の脅威インテリジェンス・ユーザーデータを利用すると説明 AIDA等による頻度・難易度・教育の調整 対象者同期、管理権限、報告からPhishERへの接続、国内サポートを確認
ヤグラアウェアネス 関連製品PhishAIでOutlook・Gmailからの報告、AI分析、影響範囲調査を提供 最新脅威トレンドやOSINTを用いたシナリオ生成と説明 AIによる生成、パーソナライズ、訓練後の教育 ディレクトリ同期、PhishAIとの契約・運用範囲、SOC連携を確認

「確認したいこと」はベンダーが対応していると確認できた機能の一覧ではありません。公式サイトに明記がない機能は、仕様書・デモ・PoCで確認してください。また、セキュリティ教育サービス本体と、同じベンダーの不審メール分析製品を混同しないことが必要です。

標的型攻撃メール訓練の基本と実施方法は、標的型攻撃メール訓練とは?で整理しています。

標的型攻撃メール訓練サービスは4タイプに分けられる

訓練特化・セルフサービス型

管理者が配信先・テンプレート・実施日を設定し、自社で訓練を運用するタイプです。年1回から四半期ごとなどの実施に向く一方、対象者が多くなると名簿管理、配信、集計、追加教育の工数が増えます。

セキュリティ教育・ヒューマンリスク管理一体型

フィッシングシミュレーションに加えて、eラーニング、短時間の教材、リスクスコア、結果に応じた追加教育を組み合わせるタイプです。クリック率の推移だけでなく、難易度をそろえた行動評価や報告率も確認します。

メールセキュリティ・SOC連携型

従業員から実際の不審メールを受け取り、分析、類似メール検索、SOC・CSIRTへの連携を支援するタイプです。訓練メールを報告できたかだけでなく、本物のメールが届いたときの報告経路まで確認します。

運用支援・コンサルティング型

訓練の企画、疑似メールの作成、配信、集計、改善提案などをベンダーが支援するタイプです。毎月実施する場合は年間費用に加え、シナリオ変更・対象者追加・レポート対応の条件を確認します。

主要6サービスの特徴

AironWorks:SMS・SNSを含む攻撃訓練

AironWorksは、メールに加えてSMS、X、Facebook、Instagram、LinkedInなどを使った訓練に対応しています。公式サイトでは、サイバーインシデントの動向や対象企業に関係する情報を収集・分析し、AIを活用して攻撃を再現すると説明しています。

公式導入事例では「報告」ボタンの利用が確認でき、関連するPhishDetectAIではメールのAI分析、インシデントレポート、SOCへの転送に関する設定を提供しています。訓練機能と分析機能の契約範囲は商談時の確認事項です。

サギトレ:メール・SMSの観測データを教材に反映

サギトレはトビラシステムズのセキュリティ教育サービスです。同社は約1,500万人が利用する迷惑電話・SMSフィルタ事業で、年間約50億件のメール・SMSを判定しており、そこで把握した手口を訓練や教育へ反映すると説明しています。

メール・SMSの訓練、教育動画、インシデント報告、結果レポートを一連のサイクルとして提供し、AIが個人の訓練結果を分析して頻度・内容を自動設計する仕組みも案内しています。

TrendAI Vision One Security Awareness:既存のセキュリティ基盤との連携

TrendAI Vision One Security Awarenessは、フィッシングシミュレーションとトレーニングキャンペーンを提供します。

公式ドキュメントでは、標準パッケージのフィッシングシミュレーションが年間12回・1回最大200人、Cyber Risk Exposure Management – Essentialsへのアップグレードでは回数制限なし・1回最大180,000人と説明されています。800以上のテンプレートが用意され、日本語を含む複数言語に対応しています。

既に同社製品を導入している場合は、人的リスクの情報を既存のセキュリティ運用へどう反映できるか、契約プラン・対象人数とあわせて確認します。

Proofpoint Security Awareness Training:脅威インテリジェンスと報告機能

Proofpointは、フィッシングシミュレーション、教育、リスク分析、不審メール報告を組み合わせています。1日に数百億件のメッセージから得られる脅威インテリジェンスを基に、現実の攻撃を模した訓練テンプレートを提供すると説明しています。

不審メールの報告にはPhishAlarmを提供しています。報告機能が訓練環境と実環境の両方でどう使えるか、既存製品との接続を確認します。

KnowBe4 Security Awareness Training:多言語教育と継続的な自動化

KnowBe4は、フィッシングシミュレーション、教育、不審メール報告、リスクスコアリングなどを提供しています。公式サイトでは、長年の脅威インテリジェンスとユーザーデータを基に、役割・リスク・行動に応じてトレーニングを調整する考え方を示しています。

Phish Alert ButtonとPhishER等を組み合わせ、従業員の報告からトリアージへつなげることも可能です。海外拠点の多言語教育、継続訓練、管理者権限の分担を重視する場合に比較候補になります。

ヤグラアウェアネス:AIによるマルチチャネル訓練

ヤグラアウェアネスは、メール、SMS、電話・AI音声などを組み合わせた訓練を提供しています。公式サイトでは、脅威トレンドやOSINTを利用し、役職や業務に合わせた文面を生成する機能を紹介しています。

関連製品PhishAIでは、Outlook・Gmailからの不審メール報告、AIによる分析、類似メールや影響範囲の調査を提供しています。訓練と実際のメール調査を連動させたい場合は、利用機能・契約範囲を確認します。

編集上の注記:株式会社ヤグラは合同会社ロケットボーイズの取引先です。取引関係による推奨順位付けは行っていません。

従業員600名以上の企業が比較時に優先したい5項目

従業員数が増えると、疑似メールの文面よりも運用の継続性が選定の差になります。最初に次の5項目を確認すると比較しやすくなります。

比較項目 確認する内容 実務上の確認方法
対象者情報の同期 Entra ID、Active Directory、Google Workspace、人事マスタとの連携、入退社・異動への追従 仕様書、実際の同期デモ、更新タイミング
配信・集計の自動化 部署別・役職別配信、繰り返し訓練、未受講者への追加教育、レポート 月次運用の操作回数・管理者工数をPoCで確認
不審メール報告 Outlook・Gmail等からのワンクリック報告、訓練と本番で同じ操作が使えるか 従業員の報告から担当者受領まで試す
シナリオの情報源 実際の攻撃観測、脅威インテリジェンス、OSINT、公開事例をどう使うか 最近更新したシナリオの根拠と提供日を確認
SOC・CSIRT連携 報告メールの分析、類似メール検索、チケット化、封じ込め担当との連携 既存メール製品やSOCの運用フローに沿って検証

全従業員に同じ難易度のメールを送るだけでは、経理・人事・管理者権限保有者などのリスクを十分に評価できない場合があります。業務や権限によるグループ分けも対象者管理と合わせて確認します。

目的別に選ぶ標的型攻撃メール訓練サービス

継続的な教育と行動改善を重視する場合

年1回の訓練ではなく、役割・訓練結果・難易度に応じて内容を変更できるかを見ます。教育機能、対象者管理、月次運用の工数を同じ条件で比較します。

現実の攻撃手口を訓練へ反映したい場合

汎用テンプレート、過去事例、公的注意喚起、OSINT、ベンダーの脅威インテリジェンス、SOCでの観測など、情報源を区別して確認します。AIで文面を生成できることと、最新の攻撃を把握していることは別です。

セキュリティ対策Labでは2026年7月、TrendAIのセキュリティエバンジェリスト/シニア・スレット・リサーチャー佐藤健氏にAIによる攻撃の変化を取材しました。取材では、AIが攻撃スピードの向上、コスト低下、攻撃範囲の拡大につながる点が整理されています。訓練サービスも文面の巧妙さだけでなく、攻撃の変化を把握する情報源と反映速度を確認する必要があります。

参考:AIによりサイバー攻撃はどう変わるのか?トレンドマイクロへのインタビュー

SOC・CSIRTの対応まで確認する場合

従業員が不審メールを報告し、情報システム部門・SOCが受領して、類似メールや対象端末を調査するまでを一連の訓練対象にします。報告ボタンの有無だけではなく、担当者と後続システムへの連携を確認します。

参考:標的型攻撃メール訓練をインシデント対応訓練に変える方法

海外拠点やメール以外のチャネルも対象にする場合

多言語対応に加え、実際の業務で使うSMS、電話、SNS、QRコードなどに訓練が対応するか確認します。日本語教材の翻訳だけでは、地域ごとの攻撃傾向や業務慣習と一致しない場合があります。

訓練シナリオの「情報源」と「反映速度」を比較する

「テンプレート数が多い」「毎月更新」「AIを搭載」という説明だけでは、現時点の攻撃をどれだけ再現できるか分かりません。比較時は、情報源と更新過程を確認します。

シナリオの情報源 主な特徴 ベンダーに聞くこと
汎用テンプレート 定番の攻撃を継続的に再現 古い教材をいつ更新するか
過去の攻撃事例 実在した手口を再現 事件から教材化までの期間
公的注意喚起・ニュース 公表された攻撃手口を参考にできる 自社業務に合うよう誰が編集するか
OSINT 公開情報を使ったなりすましや業務文脈を再現 情報の利用範囲と品質管理
外部の脅威インテリジェンス 攻撃キャンペーンやTTP等を参考にする どの情報を実際に教材へ反映したか
自社SOC・IR・メール分析 観測した攻撃を訓練へ反映しやすい 分析部門から訓練担当へ渡す仕組みがあるか

攻撃が観測されてから訓練として配信可能になるまでの時間を、比較上の便宜的な指標として「Threat-to-Training」と呼ぶことができます。標準化された共通指標ではないため、各社には最近の事例を挙げてもらい、観測日、分析日、教材化日、提供日を比較します。

実際の国内被害を教材へ落とし込む際の考え方は、標的型攻撃メール訓練のシナリオ設計方法でも整理しています。

比較用の選定スコアシート:100点満点の採点例

候補をランキングで決めるのではなく、各社へ同じ質問を行い、自社に必要な機能から重み付けすると、商談での印象に左右されにくくなります。以下の配点は比較表を作るための一例であり、サービスの客観的な優劣を示すものではありません。

評価軸 配点例 評価する内容
シナリオと脅威情報 25点 攻撃手口の再現、情報源、更新・反映速度
対象者管理・自動化 20点 ID連携、入退社対応、定期配信、集計
不審メール報告・SOC連携 20点 報告動線、メール分析、トリアージ、初動連携
教育・効果測定 15点 難易度評価、報告率、追加教育、レポート
運用支援・サポート 10点 設計支援、問い合わせ、運用代行の範囲
年間費用・TCO 10点 同じ条件での総費用と社内運用工数
合計 100点 自社要件に応じて配点を変更する

各評価軸は、例えば0点(要件を満たさない・確認できない)、半分(要件の一部を満たす)、満点(仕様・PoCで確認)などの共通基準で評価できます。未回答は勝手に「非対応」とせず、回答待ちとして区別してください。

RFPの質問文に落とし込む場合は、標的型攻撃メール訓練サービスの選定要件・RFP20項目を使用できます。

効果測定ではクリック率だけでなく報告行動を見る

訓練結果はクリック率のみでは評価できません。同じ従業員でも、疑似メールの難易度によって結果が変わるためです。NISTのPhish Scaleなどを用いて訓練の難易度を揃え、報告率、受信から最初の報告までの時間、担当部門の受領・調査開始までの時間を確認します。

一度クリックした従業員をただちに「高リスク」と判断するのではなく、複数回の訓練、職務、権限、実際の攻撃にさらされる可能性も踏まえて評価します。

参考:NIST Phish Scaleを使った標的型攻撃メール訓練の効果測定

標的型攻撃メール訓練サービスの料金・費用を比較するときのポイント

主な料金体系には、配信通数、ユーザー数、年間ライセンス、キャンペーン単位、運用支援込みのプランなどがあります。SMSや電話、追加教育、不審メール報告、ディレクトリ連携が別契約になる場合もあるため、同じ条件で見積もります。

例えば、公開価格があるサービスでも、ラックのT3は税込231,000円/100通から、T3 with セキュリティ教育は税込396,000円/100ユーザーから、HENNGE Tadrillは公式掲載例で月額300円/ID・最小200 IDから、KIS MailMonは税別36,000円/100通・年からと、料金の単位が異なります。各社の最新条件は契約前に確認してください。

見積もり項目 比較時に揃える条件
対象人数 600名、1,000名など同じ人数と対象者属性
年間実施回数 年1回、四半期、月次など同条件
配信数・再配信 配信上限、再訓練、追加配信の費用
教育 eラーニング、未受講者フォローの有無
不審メール報告 報告ボタン、分析・トリアージ機能の契約範囲
SMS・電話等 追加チャネルの費用と提供範囲
ID・人事連携 初期設定、連携、同期・保守費用
運用支援 シナリオ作成、配信、分析、報告会の費用

費用を比べる際は、ライセンス費用だけでなく、自社担当者の毎月の工数を含めたTCO(総保有コスト)で整理します。

商談・PoCでベンダーへ確認したい5項目

  1. シナリオは何を情報源として作られ、直近ではどの攻撃を参考にしたか。
  2. 新しい手口の観測から教材化・配信までにどの程度の時間がかかったか。
  3. 不審メール報告を受けた後、どこまでをサービスで分析・対応できるか。
  4. 入退社・異動を含む対象者同期と、月次運用の管理者工数はどの程度か。
  5. 同じ難易度・対象者条件で報告率、報告速度、教育効果を評価できるか。

比較候補を2~3件へ絞った後は、実環境で小規模に検証します。具体的な項目は標的型攻撃メール訓練のPoC設計・検証15項目を参照してください。

Microsoft 365利用企業はAttack Simulation Trainingも比較する

Microsoft Defender for Office 365 Plan 2を利用している場合、MicrosoftのAttack Simulation Trainingを既存ライセンス内の選択肢として確認できます。疑似フィッシングの配信、利用者やグループの指定、訓練結果の確認、教育の割り当てなどが可能です。

Microsoft 365 E3など、すべてのMicrosoft 365契約に同機能が含まれるわけではありません。まずDefender for Office 365 Plan 2のライセンス有無を確認し、必要な訓練チャネル、運用工数、既存SOCとの連携で不足する部分があれば外部サービスと比較します。

詳しくはMicrosoft Attack Simulation Trainingと外部の標的型攻撃メール訓練サービスの違いで整理しています。

標的型攻撃メール訓練をインシデント対応へつなげる

訓練の目的を「クリックしない従業員を増やすこと」に限定すると、実際に誰かがクリックした際の対応を確認できません。訓練では、従業員からの報告、SOC・CSIRTの受領、同一メールの受信者確認、アカウント・端末の調査、封じ込めまでを想定するとよいでしょう。

セキュリティ対策Labは2026年9月4日、クオリティアの村上正幸社長にメールセキュリティ戦略を取材しました。取材では受信対策と送信対策、メール基盤全体を切り離さずに考える方向性が示されています。標的型攻撃メール訓練を検討するときも、受信メールを見分ける訓練と、実際の報告・調査・対応がどのようにつながるかを確認します。

参考:クオリティア、AI×特許技術でメールセキュリティを再設計

標的型攻撃メール訓練サービスの比較・選定チェックリスト

新規導入やリプレイスでは、料金・機能を比較するだけでなく、訓練シナリオの情報源、対象者管理、不審メール報告、SOCとの連携、継続的な効果測定を同じ条件で採点できると検討を進めやすくなります。

セキュリティ対策Labでは、従業員600名以上の組織向けに比較・採点方法やベンダーへの確認質問をまとめた資料を公開しています。

標的型攻撃メール訓練サービスの比較・選び方―600名以上の組織向け選定ガイド

標的型攻撃メール訓練サービス比較のよくある質問

標的型攻撃メール訓練サービスは何を基準に比較すればよいですか?

料金・テンプレート数だけでなく、情報源、対象者管理、訓練頻度、自動化、不審メール報告、SOCとの連携、追加教育、効果測定を比較します。自社の目的によって優先順位は変わります。

標的型攻撃メール訓練サービスをランキングだけで選んでもよいですか?

単純なランキングだけでの選定は避け、対象人数、メール環境、海外拠点、SOC・CSIRT体制、実施頻度に合わせて候補を選びます。

600名以上の企業ではどの機能を優先すべきですか?

入退社・異動を含む対象者管理、定期配信、グループ別の教育、レポートの自動化、不審メール報告、SOCへの連携を確認します。管理者が毎回CSVを加工する設計では、継続運用の負荷が高くなることがあります。

中小企業ではどのようなサービスを選べばよいですか?

専任担当者が少ない場合は、設定が簡単なセルフサービス型か、訓練設計・配信・報告まで支援するサービスが候補になります。ライセンス費用だけでなく社内工数も比較します。

無料で標的型攻撃メール訓練を実施できますか?

無料トライアルを提供するサービスもありますが、継続運用は有料サービスが中心です。Defender for Office 365 Plan 2を契約済みの場合は、Attack Simulation Trainingを利用できるか確認してください。

標的型攻撃メール訓練は年に何回実施すればよいですか?

一律の正解はありません。年1回の理解度確認と、継続的な報告行動の定着では目的が異なります。高頻度で実施する場合は、対象者や難易度を変え、訓練疲れも考慮します。

クリック率は何%まで下げれば合格ですか?

固定の合格ラインを設けるより、難易度を揃えた複数回の結果、報告率、報告までの時間を含めて評価する方が妥当です。

SMSや電話を使った訓練は可能ですか?

対応するサービスがあります。例えばサギトレはメール・SMS、AironWorksはメール・SMS・SNS、ヤグラアウェアネスはメール・SMS・電話・AI音声などを案内しています。契約プランによって利用できる範囲は異なります。

出典・製品公式情報

主要6サービス

その他のサービスとMicrosoft 365