ジャガーランドローバー、サイバー攻撃後の生産を段階的に再開-サプライヤー向け資金繰り支援も導入

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ジャガーランドローバー、サイバー攻撃後の生産を段階的に再開-サプライヤー向け資金繰り支援も導入

ジャガーランドローバーは2025年10月7日、9月上旬のサイバーインシデントを受けて停止していた事業の段階的再開に踏み出し、同時にサプライヤーの資金繰りを下支えする新たなファイナンススキームを導入すると発表しました。まずは世界水準の車両製造へ復帰するための基盤工程から稼働を戻し、その後、完成車ラインの再開を順次広げていく計画です。

生産再開の概要

最初の再開は英国ウェスト・ミッドランズのElectric Propulsion Manufacturing Centre(EPMC:エンジン製造)とBattery Assembly Centre(BAC:バッテリー組立)で、10月8日から稼働を再開します。

あわせて、英国のキャッスルブロムウィッチ、ヘイルウッド、ソリハルにあるプレス(スタンピング)工程、ソリハル車両工場のボディショップ、ペイントショップ、ロジスティクス・オペレーション・センター(LOC)にも順次人員が復帰します。

これに続き、スロバキア・ニトラ工場での車両生産、ソリハル工場におけるレンジローバーおよびレンジローバー・スポーツ(MLA)ラインの再稼働も今週中に開始する見通しです。なお、英ヘイルウッド工場を含む次のステップについては、状況を見ながら追って案内するとしています。

サプライチェーン支援について

サプライヤー支援としては、発注直後に前払いを受けられる短期のファイナンススキームを新設。

銀行と連携し、対象となるサプライヤーには発注後まもなく大部分を前払いし、請求書受領時に精算(トゥルーアップ)する仕組みです。ジャガーランドローバーの通常の支払条件(請求後60日)に比べ、最大120日分の早期支払いが可能になります。

再開初期は生産再開に不可欠なサプライヤーから適用を始め、その後ノンプロダクション領域にも拡大します。再開フェーズに本スキームを利用するサプライヤーのファイナンス費用はジャガーランドローバーが負担する方針です。ジャガーランドローバーはすでに9月から、サプライヤー向けヘルプデスクの設置未払いの手動決済、今週の自動支払システムの再稼働など、運転資金面の支援を重ねてきました。

同社は、統制された段階的再開を前提に、車両生産の正常化とサプライチェーンの安定化を優先課題として取り組む考えです。

サイバー攻撃の影響

2025年8月末に発生したサイバー攻撃の影響により、同社は調査の為世界的な生産を一時停止

BBCによると、同社は週に5,000万ポンド(約99.7億円)の損失を出しており、3万3,000人の従業員の多くが自宅待機を命じられているとしています。

脅威アクターと手口

ジャガーランドローバーは現時点で犯行グループの特定や侵入経路の詳細を公表していません。

一方、「Scattered Lapsus$ Hunters」と名乗る集団が関与を主張し、JLRのSAP内部画面のスクリーンショットを公開、ランサムウェアの展開を示唆しています。同集団はScattered Spider、Lapsus$、ShinyHuntersに関係する犯罪者から構成されると称し、今夏に相次いだSalesloft/DriftのOAuthトークン悪用を起点とするデータ窃取にも関与を主張しています。

ただし、これらは第三者の主張であり、ジャガーランドローバーによる公式な確認はありません