macOS「RemoteViewServices」にサンドボックス回避の脆弱性(CVE-2025-31258)-PoCが公開中

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macOS「RemoteViewServices」にサンドボックス回避の脆弱性(CVE-2025-31258)-PoCが公開中

macOSに存在する重大な脆弱性「CVE-2025-31258」について、PoC(Proof of Concept、概念実証コード)が公開されています、対象者はアップデートして対策する事をお勧めします。

公開されたPoCの概要

この脆弱性は、macOS内部の「RemoteViewServices」と呼ばれるコンポーネントに存在します。RemoteViewServicesは、Quick Lookやリモートドキュメントビュー機能など、コンテンツのプレビュー処理を担当する重要なフレームワークです。

この脆弱性を悪用すると、アプリケーションがmacOSのサンドボックス制限を回避し、通常アクセスできないシステムリソースやユーザーデータにアクセスすることが可能になります。

現在、セキュリティ研究者Seo Hyun-gyu氏によって、GitHub上にPoCが公開され、さらにYouTubeにデモ動画も投稿されています。PoCが存在することで、攻撃者による実際の悪用リスクが飛躍的に高まっている状況です。

Appleは脆弱性を修正済み

Appleはこの脆弱性に対して、macOS Sequoia 15.5で修正を実施済みです。
脆弱性は、対象となる脆弱なコードの削除により解決されています。

Appleは現時点で「実際の悪用例は確認されていない」としていますが、PoCの存在により、未更新端末は標的となる可能性が極めて高いです。

情報システム部門への緊急対応推奨事項

  • macOS Sequoia 15.5以降へのアップデートを、対象端末に対して速やかに実施してください。

  • 特に管理外端末や持ち込みデバイス(BYOD)についてもバージョン確認を行い、旧バージョンの使用を制限してください。

  • システム監視を強化し、異常なアプリケーション動作やサンドボックス逸脱の兆候を検知できる体制を整備してください。

  • 即時のアップデートが困難な環境では、アプリケーションのインストール制限、不審なファイルのダウンロード制限など、追加の防御策を講じてください。

まとめ

今回の「CVE-2025-31258」は、すでに攻撃に使用可能なPoCが公開されていることから、危険度が高い状況にあります。
macOSを運用中の企業・組織においては、単なる注意喚起に留まらず、即時のアップデートとセキュリティ強化が求められます。

情報システム部門として、被害防止のため、全社的な対策を迅速に講じてください。