
2025年4月24日、滋賀県長浜市にあるシルバー人材センターにおいて、30代の男性職員が約2400万円を横領していたことが明らかになりました。センターは同日、記者会見を開き、事実関係を公表するとともに、関係者への謝罪を行いました。
横領の概要と手口
長浜市シルバー人材センターによると、この男性職員は、2022年から2025年3月までの約3年間にわたり、次のような手口で横領を繰り返していました。
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偽装購入:電動工具用のバッテリーなど、実際には必要ない備品を「業務に必要」と偽って約1200点、総額約2400万円分を購入。
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転売:購入した備品をインターネットサイトや特定の個人に転売し、利益を得ていた。
不正が発覚したのは、2025年2月にこの職員が担当していた会計処理に不審な点が見つかり、本人に問いただしたところ、横領を認めたことによります。
センターの調査に対して、職員は「信用取引で損失を出し、補填する必要があった」と説明したとされています。
処分と対応
この男性職員は、2025年3月末付で懲戒解雇処分となりました。
また、横領した金額はすでに全額返済されたこともセンター側から明らかにされています。
記者会見で廣田滋理事長は、「地域や会員の皆さまに多大なご迷惑をおかけし、心よりおわびします」と陳謝しました。
シルバー人材センターと不正防止への課題
今回の事案は、地域社会に根差したシルバー人材センターにおいても、内部統制と会計監査の強化が急務であることを示しています。
今後、次のような再発防止策が求められるでしょう。
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購買業務における複数承認制の徹底
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定期的な内部監査と、外部監査法人によるチェックの強化
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経費使用状況のリアルタイムモニタリング
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職員に対するコンプライアンス教育の再徹底
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不正行為を早期に検知するための内部通報制度の整備
特にシルバー人材センターは、高齢者の就労支援を目的とする公共的な役割を担っているため、信頼回復に向けた早急かつ透明な対応が強く求められます。
一部参照