2000万以上のOpenAIのアカウント情報窃取疑惑、実際はインフォステーラーによる情報流出

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2000万以上のOpenAIのアカウント情報窃取疑惑、実際はインフォステーラーによる情報流出

2025年2月6日、脅威アクター「emirking」はBreachForumsで「OpenAIの2,000万以上のアカウントアクセスコードを入手した」と主張しました。しかし、セキュリティ企業KELAの調査によると、これらの認証情報はOpenAIのシステム侵害によるものではなく、インフォスティーラー(情報窃取型マルウェア)によって収集されたデータであることが判明しました。

OpenAIアカウントへの侵害について

脅威アクター「emirking」は 2025 年 1 月 9 日に BreachedForums に参加し、前述の投稿以外に 1 件の投稿のみを書き、5 万件のログにアクセスできると主張し、投稿に 15 件のログのサンプルをリストしました。

このアクターの投稿は両方とも、フォーラムの他のユーザーからほとんどコメントがありませんでした

emirkingは他の侵害やリークに関する活動がないため、その信頼性、スキル レベル、他のサイバー犯罪アクターとの関係を評価するのは困難です。興味深いことに、OpenAI の投稿はその後削除されましたが、アクターは依然として BreachForums のメンバーです。

KELAの調査

KELAは、BreachForumsに投稿された「OpenAI認証情報」のサンプルを精査し、それらがインフォスティーラーログと一致していることを確認しました。具体的には、以下の点が判明しています。

  • 攻撃者が提供した30件の認証情報は、インフォスティーラーによって窃取されたログと一致。
  • このデータは14の異なる情報漏洩ソースから収集されたもので、OpenAI自体の侵害とは無関係。
  • 認証情報は、BreachForumsの投稿者が直接入手したものではなく、既存のデータセットから収集した可能性が高い。
  • 感染端末の分析から、主に2024年1月~4月の間にインフォスティーラーによって認証情報が盗まれたことが確認。

インフォスティーラーとは?

インフォスティーラー(情報窃取型マルウェア)は、システム内の機密情報を盗み取るマルウェアであり、攻撃者が認証情報や金融データを取得する主要な手段の一つとなっています。
KELAが特定した主要なインフォスティーラーの種類には以下が含まれます。

  • Redline
  • Lumma
  • Vidar
  • StealC
  • RisePro

これらのマルウェアは、感染したデバイスのブラウザ、パスワードマネージャー、クリップボードなどからログイン情報を抜き取り、ダークウェブのマーケットプレイスや犯罪フォーラムで販売されるという流れが一般的です。

特に、感染したユーザーがOpenAIを利用していた場合、その認証情報がインフォスティーラーログに含まれる可能性があり、結果的に「OpenAIアカウントが流出した」と誤解される原因となっています。