スペイン・ポルトガルで大規模な停電が発生、原因は依然不明(2025年4月)

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スペイン・ポルトガルで大規模な停電が発生、原因は依然不明(2025年4月)

2025年4月28日、スペインとポルトガルを中心とするイベリア半島一帯で、広範囲にわたる大規模停電が発生しました。フランス南部にも影響が及んでおり、現地は一時混乱に包まれました。現時点で、両国では復旧作業が進められていますが、停電の根本原因については依然特定されていません。

その後復旧しました。

停電の影響範囲と生活への影響

停電は現地時間28日昼頃に発生し、スペイン、ポルトガル、南フランスの広範囲で電力供給がストップしました。

停電の影響により、

  • 地下鉄や鉄道運行の停止

  • 携帯電話やインターネットの通信障害

  • 信号機の消失による交通混乱

  • ATMや店舗レジの機能停止 など、日常生活全般に深刻な支障をきたしました。

ただし、病院、原子力発電所、刑務所など一部重要インフラにはバックアップ電源が作動し、被害の拡大は防がれた模様です。

街では、人々がスマートフォンのライトを頼りに買い物を続けたり、ろうそくを囲んで食事をする家族の姿も見られました。

原因は依然不明、現段階ではサイバー攻撃の可能性は低い

スペインのペドロ・サンチェス首相は28日夜の記者会見で、「わずか数秒間でスペインの電力需要の約60%に相当する供給が失われた」と説明しました。
これまでに国内で同規模の停電は発生したことがなく、政府は原因を断定できていないと述べています。

また、欧州理事会議長でありポルトガル前首相のアントニオ・コスタ氏も、現段階ではサイバー攻撃の兆候は見られていないとX(旧Twitter)上で発信しました。

復旧状況

スペインでは、スペイン電力公社(Red Eléctrica)による復旧作業が進められており、マドリード、バルセロナ(カタルーニャ地方)、ムルシアなど主要都市では電力供給が回復しつつあります。
サンチェス首相によれば、「ほぼ全地域で改善が見られ、約半分の電力供給が復旧した」とのことです。

また、ポルトガルでは電力網運営会社RENが、夜までに約75万世帯の電力を回復させたと発表しました。首都リスボンでも間もなく復旧予定としています。

今回の復旧にあたっては、フランスやモロッコからの支援供給も行われ、地域間連携による早期回復が図られています。

今後の見通しと課題

スペイン政府は引き続き、停電の原因調査と完全復旧に取り組む方針を表明しています。ただし、完全な復旧にはさらに数日かかる可能性も指摘されています。

停電の原因としては、

  • インフラ設備の故障

  • 電力網の連鎖的崩壊

  • 外部要因による突発的事故 など、複数の仮説が検討されていますが、いずれも正式な発表はまだありません。