
2025年4月16日、オンライン会議サービス「Zoom」において、一時的にサービスが広範囲で利用できなくなる重大な障害が発生しました。原因はZoomのメインドメインである「zoom.us」がDNSレジストリ側の誤処理により一時的にブロックされたことで、サービス全体の可用性に影響が及びました。
Zoomは同日、障害発生から復旧までの詳細な報告を公開し、セキュリティ上の問題やDDoS攻撃の痕跡はなかったことを明言。すでに再発防止策も講じたとしています。
目次
障害の概要:Zoom.usのドメイン解決に失敗、各種サービスが停止
-
発生日時:2025年4月16日 午前11時25分(PDT)
-
復旧完了:同日 午後1時12分(PDT)
-
影響範囲:米国内および国際地域におけるZoomのWebサービス(会議の開始・参加・スケジュール等)
-
影響のなかった範囲:すでに開始されていたZoom会議や通話は継続して利用可能
本障害は、DNS(ドメインネームシステム)の設定に起因しており、ユーザーがzoom.usにアクセスできなくなったことで各種機能が動作不能に。DNSルックアップに失敗することで、会議のスケジューリングや参加処理ができない状況となりました。
原因:GoDaddyとMarkmonitor間の通信ミスが引き金に
Zoomの報告によると、障害の直接的な原因は、ZoomのドメインレジストラであるMarkmonitorと、ドメインレジストリであるGoDaddy Registryの間で発生した通信エラーでした。
この通信不具合により、GoDaddy Registry側が誤ってzoom.usドメインを一時的にサーバーブロック。その結果、zoom.usのドメイン解決が行えず、Zoomサービスへのアクセスが不可となりました。
Zoom自身のネットワークやセキュリティ、システムには問題はなく、DDoS攻撃などのサイバー攻撃の痕跡も確認されていません。
復旧と対応:DNSキャッシュの影響で遅延も
ZoomはMarkmonitorおよびGoDaddy Registryと連携し、zoom.usドメインのブロックを迅速に解除。DNSエントリは多層的にキャッシュされており、復旧後も完全なアクセス回復には数分を要したと報告しています。
ユーザーへの案内として、接続の問題が継続する場合には、以下の手順でDNSキャッシュのクリアを推奨しています:
Windowsの場合
macOSの場合
ターミナルで以下を実行
sudo dscacheutil -flushcache; sudo killall -HUP mDNSResponder
再発防止策:レジストリロック機能を導入
再発防止策として、ZoomはMarkmonitorおよびGoDaddyと連携し、「zoom.us」ドメインに対するレジストリロック機能を導入。このロックにより、意図しないサーバーブロック命令が発生しないように制御されています。