ロンドンの病院がランサムウェア攻撃で800件以上の手術を中止
NHSイングランドは、2024年6月に発生したSynnovisへのランサムウェア攻撃の影響を受け、
ロンドンの複数の病院が、計画されていた数百件の手術や予約をキャンセルせざるを得なかったことを明らかにした。
本 セキュリティインシデントの影響でイギリス 複数の病院で発生したランサムウェア攻撃で血液備蓄が「非常に脆弱な」状態だと英国政府が声明を発表しました。
ランサムウェア攻撃による手術中止の経緯
2024年6月3日に発生した「Synnovis 」への「Qilin」ランサムウェアに関連する攻撃により、Synnovisがシステムを停止した事が原因で、ロンドン複数の病院でプライマリケア提供者でサービスが中断しています。
NHSロンドンは金曜日に、このランサムウェア攻撃が影響を受けた病院の運営に与えた影響の大きさについて明らかにしました。Synnovisがシステムを完全に復旧させるまでには数か月かかるだろうとしています。
「攻撃後最初の1週間(6月3日から9日)のデータによると、最も被害が大きかった2つのキングス・カレッジ病院、とガイズ・アンド・セント・トーマス病院では、800件以上の予定されていた手術と700件以上の外来予約の再調整が必要だった」とNHSは述べました。
また、「Synnovisはシステムの技術的回復に集中しており、今後数週間でITシステムの一部機能の復旧を開始する計画があります。しかし、完全な技術的復旧には時間がかかり、検査や予約の再予約が必要なため、サイバー事件による影響は今後数ヶ月間続くでしょう。」と語っています。
備蓄した血液も不足
イングランドのNHS血液・移植センター(NHSBT)も月曜日、ロンドンの病院での血液不足について警告を発した。NHSBTでは特に、O型陽性およびO陰性の献血者からの予約とO型血液備蓄の補充が必要になっています。
この血液は、患者が数時間かかる可能性のある代替の血液適合手順を待つ余裕がない場合に、手術や処置に必要となります。
「治療の遅れが患者とその家族に与える苦痛を私たちは十分に認識しており、大変申し訳なく思っています」と、ガイズ・アンド・セント・トーマスNHS財団トラストの最高経営責任者イアン・アブス教授とキングス・カレッジ病院NHS財団トラストの最高経営責任者クライヴ・ケイ教授は共同声明で述べた。
引用:London hospitals cancel over 800 operations after ransomware attack