TSMCの元幹部、半導体 2nmプロセスの機密情報を持ち出しインテルへ転職-インテルは否定

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TSMCの元幹部、半導体 2nmプロセスの機密情報を持ち出しインテルへ移籍-インテルは否定

TSMCの長年の要職を務め、2025年7月に退職した羅唯仁(Lo Wei-jen / Wei-Jen Lo)氏が、10月末ごろにインテルへ合流したとの報道が相次ぎました。2025年11月 一部メディアは、2nm(N2)以下の先端ノードやA16/A14に関する技術資料を含む重要情報を退職前に持ち出し、「20箱超の手書き・映像資料」を携えて移籍した疑いがあると伝えています。なお、インテルはこの報道について否定しています

経緯と主な報道内容(時系列)

2025年7月:羅氏がTSMCを退職。TSMC在籍時は先端技術・製造の要職を歴任し、EUV導入・量産体制の確立、「7×24」R&DセンターやOne-Team協業モデル推進などへの貢献が多数伝えられてきました。

10月末:羅氏がインテルに転職(顧問またはR&D担当の幹部ポストとの観測)。インテル内部でも一部の上層のみが把握しているとの報道。

11月中旬以降:台湾メディアが「2nm関連を含む機密の持ち出し疑惑」を連続報道。技術文書や映像資料の大量持出が具体例として挙げられ、検察が正式調査に入ったと伝えられる。

ただしTSMCからは本件を断定する公式発表・提訴の公表はありません

TSMC・政府側の見解

法人取締役でもある台湾・国発会の葉俊顯主委は、羅氏について「1年以上前に核心に触れない部署へローテーションしており、退職前の直近での機密アクセスを抑制していた」と説明。単独の人材移動で先端プロセスが即座に揺らぐことはないとの見解も示しました。

インテルの見解

インテルのリップ・ブー・タンCEOは、羅氏の採用に関連してTSMCの営業秘密を持ち込んだとの疑惑を明確に否定し、「噂と憶測に過ぎない。インテルは知的財産を尊重する」と述べています。インテル側は具体的な担当職務の詳細や、機密の取得有無についてはコメントしていません。

産業へのインパクト

仮に機密流出が事実なら2nm級は次世代CPU/GPU/モバイルSoCの性能・電力効率を左右する中核技術です。設計ルール、プロセスフロー、歩留り改善ノウハウ、量産移行プロセスなどの「暗黙知」まで移転した場合、競争力・供給網・価格形成に波及し得る可能性があります。

とはいえ、製造ノードは装置・材料・IP・サプライヤ連携・現場運用の総合力で成り立ち、一個人の知見だけで短期に再現することは困難という指摘も根強い状況です。

コンプライアンスとガバナンスの教訓

  • 人材移動の越境管理:ハイエンド半導体では、営業秘密+国家安全保障の二重リスク。最終年次の権限縮小・アクセス監査メディア搬出のゼロトラスト化が実務上の肝となります。

  • IPクリーンハンド:受入側企業は、採用時の宣誓・教育・隔離運用で「他社機密の不使用」を徹底。のちの紛争時に備えた監査証跡を残す体制が不可欠です。

  • 国際案件への備え域外適用法・輸出管理・合従連衡が絡むため、法務・セキュリティ・HR・事業の横断統制を平時から整えておく必要があります。

参照

Intel CEO denies new hire taking trade secrets from TSMC: report

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