ChatGPTの拡張機能を装うChrome 拡張機能、セッショントークン窃取でアカウント乗っ取り

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ChatGPTの拡張機能を装うChrome 拡張機能、セッショントークン窃取でアカウント乗っ取り

2026年1月26日、LayerX Researchは、ChatGPTの機能追加や生産性向上をうたうChrome拡張機能の一部が、実際にはChatGPTの認証情報を盗み取る目的で作られていたとする調査結果を公表しました。

概要

確認されたサイバー攻撃 キャンペーンは少なくとも16本の拡張で構成され、同一の脅威アクターが配布範囲を広げるために複数の拡張として展開していた可能性が高いとされています。

この動きは、AI連携のブラウザ拡張が急速に普及している流れと重なります。

AI拡張は認証済みWebアプリとの深い連携が必要になりやすく、ブラウザ上での攻撃面が実質的に拡大しやすい点が課題になります。今回のケースは、

ChatGPT自体の脆弱性を突くのではなく、拡張機能の設計を悪用してセッションを乗っ取るタイプの攻撃であり、企業・個人の双方にとって無視できないリスクだと位置付けられています。

何が危険か

最大の問題は、拡張機能がChatGPTのセッション認証トークンを盗み、第三者のサーバーへ送信していた点です。

攻撃者がこのトークンを入手すると、ユーザー本人と同等の権限でChatGPTにアクセスできるため、会話履歴やメタデータ、利用状況によっては連携コネクタ(Google Drive、Slack、GitHubなど)に紐づく情報へも影響が及ぶ可能性があります。

今回の拡張は「ChatGPTの脆弱性を悪用したマルウェア」ではありません。

正規の拡張機能としての権限やブラウザ内の実行文脈を利用してセッションを横取りするため、従来のエンドポイント対策やネットワーク監視だけでは検知しにくいことが想定されます。

技術的な手口

LayerXの分析では、16本のうち1本を除く拡張で、共通のトークン窃取ワークフローが確認されています。chatgpt.com上でコンテンツスクリプトを実行し、送信リクエストを観測することで認証トークンを抜き取ります。

具体的には、

(1) chatgpt.comにコンテンツスクリプトを注入、

(2) ページのMAIN JavaScript worldで実行、

(3) window.fetchをフックしてChatGPTアプリの送信リクエストを観測、

(4) Authorizationヘッダを含むリクエストからセッショントークンを抽出、

(5) 別スクリプト経由で外部サーバーへ送信、

という流れです。

MAIN worldでの実行は、Webアプリと同じ実行文脈に入れるため、ネイティブAPIやアプリ内部状態に触れやすくなります。その結果、ネットワークやDOMだけを見ても追いづらい「実行時の認証アーティファクト」を観測・改変できる点が危険だと説明されています。

また、セッショントークン以外にも、拡張のメタデータ(バージョン、ロケール、クライアント識別子など)、利用テレメトリ、拡張サービス側のアクセストークン等が送信されるケースがあるとされます。これらは継続的な識別や行動プロファイリング、長期的なアクセス維持に悪用される恐れがあります。

規模と配布状況

キャンペーンは少なくとも悪性の拡張機能16個で、

15本がChrome Web Store、1本がMicrosoft Edge Add-onsで配布されていました。

公表時点では、特定された拡張の多くがストア上に残っている状況だとされています。

インストール数は合計で約900件とされ、大規模拡散には至っていません。

ただしLayerXは、GPT最適化系の拡張は人気が高く、正規で高評価の拡張も多いため、警告サインを見落としやすいと指摘しています

IOC(侵害指標)

悪性拡張機能(ID / 名称 / インストール数)

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  • obdobankihdfckkbfnoglefmdgmblcld / ChatGPT voice download, TTS download – ChatGPT Mods / 156

  • kefnabicobeigajdngijnnjmljehknjl / ChatGPT pin chat, bookmark – ChatGPT Mods / 18

  • ifjimhnbnbniiiaihphlclkpfikcdkab / ChatGPT message navigator, history scroller – ChatGPT Mods / 11

  • pfgbcfaiglkcoclichlojeaklcfboieh / ChatGPT model switch, save advanced model uses – ChatGPT Mods / 11

  • hljdedgemmmkdalbnmnpoimdedckdkhm / ChatGPT export, Markdown, JSON, images – ChatGPT Mods / 10

  • afjenpabhpfodjpncbiiahbknnghabdc / ChatGPT Timestamp Display – ChatGPT Mods / 13

  • gbcgjnbccjojicobfimcnfjddhpphaod / ChatGPT bulk delete, Chat manager – ChatGPT Mods / 11

  • ipjgfhcjeckaibnohigmbcaonfcjepmb / ChatGPT search history, locate specific messages – ChatGPT Mods / 11

  • mmjmcfaejolfbenlplfoihnobnggljij / ChatGPT prompt optimization – ChatGPT Mods / 10

  • lechagcebaneoafonkbfkljmbmaaoaec / Collapsed message – ChatGPT Mods / 13

  • nhnfaiiobkpbenbbiblmgncgokeknnno / Multi-Profile Management & Switching – ChatGPT Mods / 0

  • hpcejjllhbalkcmdikecfngkepppoknd / Search with ChatGPT – ChatGPT Mods / 0

  • hfdpdgblphooommgcjdnnmhpglleaafj / ChatGPT Token counter – ChatGPT Mods / 5

  • ioaeacncbhpmlkediaagefiegegknglc / ChatGPT Prompt Manager, Folder, Library, Auto Send – ChatGPT Mods / 5

  • jhohjhmbiakpgedidneeloaoloadlbdj / ChatGPT Mods – Folder Voice Download & More Free Tools / 17

関連ドメイン

  • chatgptmods.com

  • imagents.top

関連メールアドレス

観測されたTTP

なりすまし(Masquerading)やコード難読化により見た目と中身を偽装しつつ、アプリのアクセストークン(セッショントークン)を盗む手口が中心です。実行面ではメソッドハイジャック(fetchフック)を用いて、ユーザー操作に紛れて認証情報を抜き取る形が確認されています。

出典

How We Discovered A Campaign of 16 Malicious Extensions Built to Steal ChatGPT Accounts