関西電力グループの株式会社近貨(きんか)は2026年2月10日、税務調査を契機に社内で不適切な取引等が行われていたことが判明したと公表しました。
社外弁護士による調査の結果、元従業員が2014年度から2021年度まで架空の外注取引を行い、合計約2億円を実体のない取引先へ支出して着服していたこと、さらにその一部を取引先の従業員へ交付していたことが明らかになったとしています。加えて、別の元従業員が接待交際費を不適切な方法で処理していたことも判明しました。
概要
近貨の説明では、2025年1月に税務署から過去の架空発注を指摘されたことを受け、社外弁護士による客観的かつ公正な調査を実施し、不適切取引の実態が確認されたとしています。
同社は本件を重大なコンプライアンス違反として重く受け止め、再発防止策の徹底と内部統制強化に取り組む方針を示しました。
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原因
近貨は本件について、内部統制の機能不全が原因で発生したと明記しています。
不正の類型としては、架空外注による資金の不正流出(着服)と、経費(接待交際費)の不適切処理が並行して確認されています。
いずれも、支払先の実在性確認、発注・検収・支払の牽制、経費精算の証憑・承認、例外取引の監査といった統制が実務として機能していなかった可能性が高い構図です
※具体的な統制不備の内訳は公表文では未記載
企業の対応と再発防止策
近貨は、再発防止策の主な内容として以下を挙げています。
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経営陣の反省とコンプライアンス意識改革
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従業員へのコンプライアンス教育等の実施
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業務フローの改善と運用の徹底
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コンプライアンス体制の見直し
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社内風土の転換
税務調査を契機に外部弁護士調査へつなげ、事実関係を公表した点は初動として重要です。一方で、関西電力グループの一員であることを踏まえると、グループ横断で同種リスク(架空取引、経費不正、取引先を介したキックバック等)を点検し、基準と監査を揃える動きまで落とし込めるかが焦点になります。
情報システム部門が押さえるべきポイント
本件は会計・購買領域の不正ですが、再発防止の実装段階では情報システム部門の関与余地が大きい類型です。関西電力グループ企業として、基準化・可視化・証跡化を進める観点で、次の点が要所になります。
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発注~支払の職務分掌と証跡の強制
発注、検収、支払を同一人物で完結できない設計(権限分離)と、例外承認のログ化が重要です。 -
取引先マスタの統制
取引先登録・口座変更を二者承認にし、変更理由・裏付け資料の添付を必須化します。架空取引や迂回支払を抑止しやすくなります。 -
異常検知(会計×ログ)
特定取引先への支払集中、休日・深夜の処理、分割発注、少額反復などをルール化し、アラートと監査に回す仕組みが有効です。








