第一生命ホールディングス、第一生命保険、第一フロンティア生命、ネオファースト生命の4社は2026年2月12日、保険代理店に出向していた社員が、出向先代理店の了承を得ないまま内部情報を取得していた事案について、調査結果と再発防止策を公表しました。2024年8月に発覚した出向者による個人情報等の漏えい事案を受けて実施した調査(昨年度調査)に続き、2025年9月に新たな懸念を認識したことから追加調査(今年度調査)を行ったとしています。
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発覚の経緯:過去の漏えい事案を受けた調査の後、把握漏れの可能性を認識
公表によると、同グループは2024年8月に判明した出向者による個人情報等漏えい事案を受け、国内生命保険子会社3社(第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命)で「個人情報の取得有無」を中心に調査を実施しました。さらに2024年12月には、グループCEOを本部長とする「代理店情報漏えい事案再発防止対策本部」を設置し、再発防止策の策定・実施を進めてきたといいます。
その後、2025年9月に、昨年度調査時点では把握できていなかった「出向先代理店の了承を得たか不明瞭な内部情報の取得」を認識したため、対象期間を広げて追加調査を行ったとしています。
調査方法:アンケート・ヒアリングに加え、メールのフォレンジックも実施
今年度調査の対象期間は2021年4月〜2025年10月。出向者へのアンケート・ヒアリングに加え、代理店業務関連部門のファイルサーバー、個人・共有ロッカー、会議資料などの確認、さらにEメールのデジタルフォレンジック調査を実施したと説明しています。調査の妥当性を担保するため、外部コンサルティング会社に調査手法の監修やフォレンジックを依頼し、外部弁護士から調査範囲・手法の合理性について評価を得たうえで進めたとしています。
調査結果:了承のない内部情報の取得が1,155件、代理店28社・出向者64人に及ぶ
調査の結果、代理店の了承を得ずに取得された内部情報が1,155件判明しました。内訳は第一生命242件、第一フロンティア生命754件、ネオファースト生命159件です。対象となった保険代理店等は28社、情報を取得した出向者は64名としています。
取得された情報の種類としては、保険代理店の営業実績、他社生命保険の商品情報、代理店の営業方針・業績評価体系、代理店内の研修資料などを挙げました。取得手段は、会社メール、私用スマートフォンのメッセージアプリ、紙媒体の手渡し・郵送など多岐にわたるとしています。なお、取得情報の中に顧客情報が確認されたとしており、法令に則って個別対応しているとしています。
同社側は、情報共有は主に「代理店のサポート」や「出向者の活動管理」を目的に、国内生保3社の代理店営業部門や人事部門の求めに応じて行われていたと説明。一方で、不適切な手段での情報取得を組織的に指示した事実は確認されていないとしています。また、取得情報について、直接的な保険募集や商品開発への活用は確認されていないとも述べました。
ただし、代理店の了承を得ていない内部情報を取得したこと自体は「社会の常識から外れた不適切な行為」だと認め、現在、代理店各社への説明を進めているとしています。現時点で不正競争防止法等の問題を問う指摘はないものの、今後の要請には真摯に対応するとしました。
発生原因:出向者管理の不備、コンプライアンス意識不足、牽制の弱さ
原因分析では大きく3点を挙げています。
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出向者管理態勢の不十分さ:出向者の役割や代理店との情報授受ルールの明確化が不十分で、指導・指示が徹底できず、了承の有無にかかわらず「内部情報取得が期待されている」との誤認を生んだ。
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情報取扱いに関するコンプライアンス意識の不足:指導不足や前例踏襲の黙認により、受領部門・出向者の意識を十分に醸成できなかった。
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牽制態勢の不備:経営陣が実態を十分把握できず、コンプライアンス部門・内部監査部門の牽制が十分に機能しなかった。
なお、今回判明した不適切取得はいずれも2024年8月以前に発生したもので、同時期以降の不適切取得は確認されていないとしています。
再発防止策:代理店営業フロントへの出向停止、監視と統制を強化
再発防止策として、昨年度調査を踏まえて策定した施策が効果を上げているとしつつ、追加対応も含めて強化するとしました。主な内容は以下の通りです。
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保険代理店(営業フロント部門)への出向停止:当該部門への出向者派遣を取りやめ、2026年4月に出向者ゼロの予定。併せて出向者の役割明確化や管理態勢強化を実施。
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コンプライアンス意識向上:情報取扱いリテラシー研修を継続実施し、国内生保3社で「他社との情報交換・取得・提供の考え方(ガイドライン)」を2025年8〜10月に制定。Need to Know原則に沿った運用を徹底。私用端末・私用アドレスの業務利用ルール遵守も再徹底。
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牽制態勢の強化:グループ横断の管理機能強化に加え、2026年4月から国内生保3社にCCpO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を新任。コンプライアンス部門の人員増強、内部監査の強化(2025年6月から監査法人の助言を踏まえた監査)を実施。さらに受信メールのモニタリングシステムを2025年5月に導入し運用開始。
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コンダクトリスク管理:グループCEO直下に「グループコンダクトリスク管理事務局」を設置し、子会社の事務局と連携してモニタリング・指導を強化。
経営責任:役員処分と報酬の自主返納を実施
同社は、責任の所在を明確化したうえで社内規程に則り役員処分を行うとし、第一生命ホールディングスの専務執行役員(第一フロンティア生命社長を兼務)の戒告を公表しました。加えて、会長・社長を含む複数の役員が、月額報酬の一部を自主返納するとしています。








