東大病院を巡り収賄事件が相次ぐ 大学院教授を逮捕、大学は寄附金・選定手続きの改革を表明

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東大病院を巡り収賄事件が相次ぐ 大学院教授を逮捕、大学は寄附金・選定手続きの改革を表明

東京大学大学院医学系研究科の教授が、共同研究などで便宜を図った見返りに接待を受けたとして、警視庁に収賄の疑いで逮捕されました。報道によると、接待の相手方は一般社団法人「日本化粧品協会」の代表理事らで、銀座の高級クラブなどで複数回の接待があったとされています。

同大を巡っては2025年末にも、医療材料を巡る便宜供与の見返りに「奨学寄附金」を受け取った行為が賄賂に当たるとして、医学部の准教授が逮捕・起訴される事案が発生しており、大学側は再発防止策の強化を進めています。

2026年1月:大学院教授が収賄容疑で逮捕(共同研究・社会連携講座を巡る接待)

報道によると、東京大学大学院医学系研究科教授の佐藤伸一容疑者(62)が、一般社団法人「日本化粧品協会」との共同研究等を進める見返りに、高級クラブや風俗店で約180万円相当の接待を受けた疑いで警視庁に逮捕されました。接待は約30回に及ぶとの説明もあります。


国立大学法人の職員は「みなし公務員」とされ、職務に関して利益供与を受けると収賄罪の対象となり得る点が、今回の事件でも焦点になります

※罪責の有無は今後の捜査・司法判断によります

2025年12月の起訴:医療材料と「奨学寄附金」を巡る疑い

東大の公式発表(2025年12月11日)は、附属病院の教員が、手術で使用する医療材料の選定等で便宜を図った見返りとして、医療材料販売事業者から受け入れた奨学寄附金が賄賂に当たるとして起訴された、という骨子です。

東大は、外部弁護士チームの調査で把握した事実として、少なくとも次を説明しています。

  • 医療材料は、院内の「医療材料検討専門委員会」で有効性・価格妥当性等を審議して登録する仕組みで、本件医療材料も同手続きで登録された

  • 一方で、教員が、当該寄附金からタブレット端末等の購入など私的流用をしていた

  • 東大が私的流用と認定した額は、教員の申し出により返還済み

  • 当該教員は自宅待機とし、起訴を受けて休職措置へ(手続き中)

また東大新聞は、当該教員を松原全宏准教授が日本エム・ディ・エムから受けた奨学寄付金が賄賂に当たるとし、2025年11月19日に逮捕、12月10日に起訴された経緯や、総長らが役員報酬の一部を自主返納したこと、緊急改善策の内容を記載しています。

再発防止:利害関係の申告・外部監査・選定手続きの透明化を掲げる

大学側は、寄附を受け入れる際に寄附元との利害関係の有無を申告させて確認すること、寄附金の執行管理で外部監査などを導入して監査体制を強化すること、医療材料の登録申請に際しても申請者と製造販売業者の利害関係の申告を求めて審査の透明性を確保することなど、緊急的な改善策を示しています。

なぜ収賄が繰り返されるのか

なぜ日本最高峰の組織でここまでガバナンスが効かなかったのでしょうか。根本的な原因は以下の3点に集約されます。

  • 「特権ユーザー」への監視不在 教授や准教授は、自分の裁量で研究費を動かし、物品を選定できる人物でした。彼らの権限行使に対し、事務部門や委員会によるチェックは形式的なものであり、実質的な相互牽制が機能していませんでした。

  • 寄付金・研究費運用のブラックボックス化 「奨学寄付金」などの外部資金は、研究の自由度を担保するために使途の制限が緩い傾向にあります。松原元准教授の件では、タブレット端末購入という、研究用とも私用とも取れるグレーな支出をスルーしてしまう監査体制の甘さが露呈しました。

  • ベンダーとの不健全な距離感 両事件とも、業者側と教員の距離が近すぎました。佐藤教授の件では、業者側から「恐喝未遂」で被害届が出るほど、教員側が権力を笠に着て接待を要求していたとされます。これはパートナーシップではなく、上下関係を利用した搾取の構造です。

参照

東大大学院教授収賄疑い 法人側 接待の場で教授に研究の要望か