FBI、SNSアカウント乗っ取りによる性的な画像・動画の窃取について注意喚起 成人・未成年いずれも標的に

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FBI、SNSアカウント乗っ取りによる性的な画像・動画の窃取について注意喚起 成人・未成年いずれも標的に

米連邦捜査局(FBI)は2026年8月、サイバー犯罪者がSNSやその他のオンラインアカウントに不正アクセスし、性的に露骨な画像・動画を窃取する事案について、公開の注意喚起(Public Service Announcement)を発表しました。標的は成人・未成年のいずれも含まれるとされ、窃取された画像・動画は、被害者への脅迫(セクストーション)に使われるほか、犯罪者向けの闇市場で売買されたり、被害者の氏名・生年月日・連絡先などの個人情報とあわせて流出させられたりするケースがあるとしています。同日、FBIと全米大学体育協会(NCAA)は、学生アスリートを標的にした同種の性的搾取についても、あわせて注意喚起を行っています。

この記事のサマリー

  • FBIは、サイバー犯罪者がSNSやその他のオンラインアカウントへ不正アクセスし、成人・未成年を問わず、性的に露骨な画像・動画を窃取する事案について注意喚起を発表しました。
  • 窃取された画像・動画は、被害者への金銭要求を伴う脅迫(セクストーション)や、犯罪者向けの闇市場での売買、コミュニティ・フォーラムへの投稿などに悪用されるとしています。多くの場合、被害者の氏名・生年月日・メールアドレス・電話番号・SNSのユーザー名といった個人情報もあわせて出回るとされています。
  • FBIによると、被害者はハラスメント、セクストーション、ストーキング、あるいは被害者自身のSNSアカウント上で窃取された内容を宣伝されるといった、標的型の二次被害に直面する可能性があるとしています。
  • 攻撃者が用いる主な手口として、漏えいした認証情報リストを用いたアカウントへの総当たり的なログイン試行、SNS事業者のカスタマーサポートを装った連絡、正規のログインページを模したフィッシングサイトが挙げられています。
  • 同日、FBIとNCAAは、学生アスリートを標的にした同種の性的搾取についても注意喚起を行い、コーチ・コンプライアンス担当者・体育局の責任者に対し、学校・地域社会内での意識向上を呼びかけています。
  • FBIは、対策として複雑なパスワードの利用と多要素認証の有効化、身に覚えのない確認コード要求への返信をしないこと、性的に露骨な画像・動画をSNSアカウントやインターネット上にアクセス可能な形で保存しないことを推奨しています。

整理表

項目 内容
発表時期 2026年8月(公開の注意喚起として発表)
発表機関 米連邦捜査局(FBI)
対象 SNSおよびその他のオンラインアカウント
標的 成人・未成年の双方
窃取される内容 性的に露骨な画像・動画、氏名・生年月日・メールアドレス・電話番号・SNSユーザー名等の個人情報
悪用の形態 セクストーション(性的脅迫)、闇市場での売買、コミュニティフォーラムへの投稿、被害者自身のアカウントでの拡散
主な侵入手口1 漏えいした認証情報を用いたアカウントへの総当たり的なログイン試行
主な侵入手口2 SNS事業者のカスタマーサポートを装ったアカウント復旧連絡
主な侵入手口3 正規のログインページを模したフィッシングサイト
関連する同日の注意喚起 FBI・NCAAによる、学生アスリートを標的にした性的搾取に関する注意喚起
推奨される対策 複雑なパスワードの利用、多要素認証の有効化、身に覚えのない確認コード要求への不応答、性的な画像・動画をオンライン上に保存しないこと

何が起きたか

FBIが発表した公開の注意喚起によると、サイバー犯罪者はSNSをはじめとするオンラインアカウントへ不正アクセスし、性的に露骨な画像・動画を窃取する活動を行っています。FBIはこうした加害者を「性的搾取行為者(Sexual Exploitation actors)」と呼び、面識のない相手・既知の相手を問わず特定の人物を狙うケースと、機会的に被害者を選ぶケースの双方があるとしています。攻撃者はアカウント内部に侵入すると、被害者に気づかれないまま性的に露骨な画像・動画を探し出して窃取し、これをコミュニティフォーラムに投稿したり、闇市場を通じて売買したりします。

窃取された内容には、被害者の氏名・生年月日・メールアドレス・電話番号・SNSのユーザー名といった個人情報が、本人の同意なくあわせて含まれることが多いとされています。この結果、被害者は窃取された内容の拡散を理由にした金銭要求(セクストーション)、ハラスメント、ストーキング、あるいは被害者自身のSNSアカウント上で窃取内容を宣伝されるといった、二次的な標的型の被害に直面する可能性があるとFBIは説明しています。

攻撃者が用いる主な手口

FBIの注意喚起によると、攻撃者はアカウントへ侵入するために複数の手口を組み合わせて用いています。1つ目は、データ漏えいで流出した認証情報のリストや、SNS上で公開されている情報をもとに、パスワードやPINコードを繰り返し試行する手口です。標的が特定の人物である場合、誕生日や氏名など個人に関連する情報の組み合わせが使われることもあります。2つ目は、SNSアカウントが無効化されるという内容のメッセージを送りつけ、確認コードの提供を求める手口です。この際、攻撃者は同時に正規のパスワードリセット手続きを開始しており、これによってSNS事業者から被害者へ送信される確認コードを、被害者自身にそのまま伝えさせることで、アカウントの制御を奪い取ります。3つ目は、SNS事業者のサポート窓口を装った、なりすましのフィッシングメールで、偽のログインページへ誘導する手口です。

学生アスリートを標的にした注意喚起

同日、FBIと全米大学体育協会(NCAA)は、学生アスリートのオンラインアカウントを標的にした、同種の性的搾取の手口についても注意喚起を発表しました。両者は、コーチ・コンプライアンス担当者・体育局の責任者に対し、学校・地域社会内での意識向上に取り組むよう呼びかけています。

推奨される対策

FBIは、こうした被害を防ぐための対策として、次の点を推奨しています。パスワードの使い回しを避け、複雑なパスワードを利用すること、可能な限り多要素認証を有効にすること、SNSアカウントが無効化されるといった、身に覚えのないテキストメッセージ・メールに記載された確認コードの提供やパスワードリセット用リンクへのアクセスに応じないこと、性的に露骨な画像・動画を、SNSアカウントやインターネットからアクセス可能な場所に保存しないことです。

情報システム部門・保護者・教育関係者が確認すべき対策ポイント

  • 個人のSNSアカウントについて、パスワードマネージャーを用いた固有のパスワードの利用と、多要素認証の有効化を、家庭・学校・職場を問わず広く呼びかけてください。
  • 「アカウントが無効化される」といった緊急性を強調するメッセージが届いた場合、記載された確認コードを他者に伝えたり、リンク先で情報を入力したりしないよう、あらかじめ周知してください。SNS事業者が、こうした形で利用者に直接連絡することは通常ありません。
  • 未成年者が利用するSNSアカウントについて、保護者・教育関係者が、こうした手口の存在と、身に覚えのない連絡への対応方法をあらかじめ伝えておくことをおすすめします。
  • スポーツチーム・部活動等の指導者・関係者に対しても、学生アスリートを含む未成年者が同種の標的になり得る点を踏まえた、注意喚起を検討してください。
  • 性的な内容を含む画像・動画を、SNSアカウントのDMやクラウドストレージなど、オンライン上でアクセス可能な状態で保存・送信しないよう、一般的なリスクとして周知することも有効です。
  • 既にアカウントの不正アクセスや、窃取されたコンテンツによる脅迫の被害に遭った場合は、FBIのインターネット犯罪苦情センター(IC3)等、管轄の法執行機関へ速やかに相談してください。

なお、同種のセクストーション(性的脅迫)を目的とした脅迫メールの手口については、当サイトの有名ハッカーグループをかたるフィッシングメール、漏洩済みデータを悪用し2,000ドル相当のビットコインを要求でも解説しています。

今後注目すべき点

本記事執筆時点で、今回の注意喚起の背景となった具体的な被害件数や、関連する捜査の詳細は公表されていません。今後は以下の点が焦点になると考えられます。

  • FBIによる、今回の注意喚起に関連する捜査・摘発の進展
  • SNS事業者側による、なりすましカスタマーサポートやフィッシング対策の強化状況
  • 学生アスリートを標的にした事案に関する、NCAA・各教育機関の対応状況

出典

FBI: Hackers target online accounts to steal nude photos——BleepingComputer

有名ハッカーグループをかたるフィッシングメール、漏洩済みデータを悪用し2,000ドル相当のビットコインを要求——セキュリティ対策Lab