警視庁・静岡県警・兵庫県警の偽サイト確認 「ニセ警察詐欺」被害は2026年7月末で617.1億円

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警視庁・静岡県警・兵庫県警の偽サイト確認 「ニセ警察詐欺」被害は2026年7月末で617.1億円

警視庁、静岡県警、兵庫県警の公式ホームページを模倣した偽サイトが相次いで確認されています。

警察庁は以前から、警察官を名乗る犯人が電話やSNSで被害者を「捜査対象」と信じ込ませ、警察の公式サイトに見せかけたページへ誘導して、被害者名入りの偽の逮捕状を表示する手口を注意喚起しています。

共同通信が2026年9月12日に報じた今回の事案では、警視庁と兵庫県警を装う偽サイトがビデオ通話へ誘導する構成になっていたほか、静岡県警の偽サイトには、正規サイトには存在しない「在宅捜査の申請」「氏名番号 検索」といった項目が設けられていたとされています。

犯人から伝えられた番号を入力すると、被害者の氏名などが記載された偽の逮捕状を表示し、「警察が自分を捜査している」と信用させる仕組みです。

ニセ警察詐欺は高額被害が続いています。警察庁の最新公表値では、2026年1~7月の認知件数は5,422件、被害額は617.1億円です。前年同期と比べて認知件数は368件減少した一方、被害額は126.1億円増加しています。

警察がSNSやビデオ通話で取り調べをしたり、ウェブサイト上で逮捕状を提示したり、捜査を理由に現金や暗号資産の送金を求めたりすることはありません。

警察の偽サイトとニセ警察詐欺のサマリー

確認できている内容:

  • 警視庁は、公式サイトを模倣した偽サイトへ誘導し、偽の逮捕状を表示して現金を振り込ませる手口を公式に注意喚起しています。
  • 静岡県警も「偽の静岡県警察ホームページに誘導する詐欺」を公式サイトで警告しています。
  • 兵庫県警は2026年9月、県警をかたる偽サイトが確認されたとして注意喚起しました。
  • 警察庁は、偽の警察サイトで「案件番号」などを入力すると、被害者名入りの偽逮捕状が表示される実例を公開しています。
  • 警察官を名乗る犯人が電話からSNS・ビデオ通話へ移行し、警察手帳や逮捕状を見せる手口が確認されています。
  • 警察庁によると、2026年上半期のニセ警察詐欺は4,466件、被害額507.9億円でした。
  • 2026年7月末では5,422件、被害額617.1億円に拡大しています。
  • 7月末の認知件数は前年同期比6.4%減ですが、被害額は25.7%増えています。
  • 2025年のニセ警察詐欺被害額は1,005.0億円でした。
  • 警察はSNSで連絡しません。
  • 警察はSNSやビデオ通話で取り調べをしません。
  • 警察はウェブサイトやSNSで逮捕状を提示しません。
  • 警察は「資金調査」「身の潔白の証明」などを理由に送金を求めません。
項目 内容
確認されている偽サイト 警視庁、静岡県警、兵庫県警を装うサイト
主な誘導 電話、SNS、犯人から送られたURL
偽サイトで使われる表示 案件検索、番号検索、偽の逮捕状など
その後の手口 SNS・ビデオ通話、送金要求など
2026年上半期の被害 4,466件、507.9億円
2026年7月末の被害 5,422件、617.1億円
前年同期比 件数6.4%減、被害額25.7%増
相談先 警察相談専用電話 #9110

警察の公式サイトをそのまま模倣

偽サイトは、警察の公式ホームページに似せて作られています。

警視庁は2025年5月から、警視庁のウェブサイトを模倣した偽サイトについて注意を呼びかけています。

確認された手口では、警察官を名乗る人物が、

「あなたが捜査対象になっている」

などと電話やSNSで伝え、その後にURLを送ります。

被害者がURLを開くと、警視庁の公式ページに見える偽サイトが表示され、犯人から指定された番号を入力するよう求められます。

警察庁が公開した実例では、偽サイト内の「案件検索」から番号を入力すると、被害者の名前が記載された「逮捕状」のような画像が表示されました。

警察庁はこの手口を「ニセの警察ウェブサイトに誘導する手口」として紹介しています。

偽サイトは「逮捕状を見せる装置」として使われる

通常のフィッシングサイトは、IDやパスワード、クレジットカード番号などを入力させる目的で使われることが多くあります。

警察の偽サイトには、それとは異なる役割があります。

ニセ警察詐欺では、偽サイトが「犯人の話を本物だと信じ込ませるための証拠」として利用されています。

警察庁が公開した事例では、

  1. 兵庫県警の警察官を名乗る人物が電話する
  2. 「詐欺事件の捜査対象」「逮捕状が出ている」などと伝える
  3. 被害者を家族から切り離す
  4. 「口座を調査する」などとして送金させる
  5. LINEのビデオ通話へ誘導する
  6. 偽の警察サイトURLと番号を伝える
  7. 偽サイト上で被害者名入りの逮捕状を表示する

という流れが確認されています。

この事例では、被害者は複数回にわたり合計200万円を送金しました。

偽サイトそのものだけを見るのではなく、電話、SNS、ビデオ通話、偽書類、送金指示が一つのシナリオとして組み合わされています。

静岡県警の偽サイトでは正規サイトにない検索機能

静岡県警は2026年7月24日更新の公式ページで、「偽の静岡県警察ホームページに誘導する詐欺」に注意するよう呼びかけています。

県警が公開している注意喚起資料では、偽サイトに「案件検索」「情報登録」など、正規サイトには存在しない機能が設けられている例を紹介しています。

「案件検索」を操作すると、被害者の氏名や住所が記載された逮捕状や守秘義務命令書のような画面が表示されます。

共同通信が2026年9月12日に報じた新たな偽サイトでは、「在宅捜査の申請」「氏名番号 検索」といった項目が確認されたとされています。

表示名称は変化していますが、

「犯人から番号を伝える」

「偽サイトへ入力させる」

「被害者専用に見える捜査書類を表示する」

という構造は共通しています。

静岡県警は、警察がウェブサイト上で逮捕状などを見せたり、送金を求めたりすることはないと注意喚起しています。

兵庫県警は2026年9月にも偽サイトを確認

兵庫県警は2026年9月7日、県警をかたる偽サイトが確認されたとして注意喚起しました。

県警の公式URLは、

https://www.police.pref.hyogo.lg.jp/

です。

兵庫県警の注意喚起を掲載した自治体情報によると、県警はこのアドレス以外のサイトへ安易にアクセスしないよう呼びかけています。

兵庫県警では以前から、ニセ警察詐欺について、

  • 「あなたの口座が犯罪に使われている」
  • 「警察署に出頭してほしい」
  • 「出頭できなければテレビ電話で取り調べる」
  • 「口座を調査する」
  • 「保釈金を払えば逮捕しない」

などの言葉を使う手口を注意喚起しています。

県警は、警察がSNSで連絡したり、テレビ電話で取り調べをしたりすることはないと明記しています。

警視庁の公式サイトは「metro.tokyo.lg.jp」

警視庁が案内している公式サイトのアドレスは、

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/

です。

警視庁は、犯人から送られたURLへそのままアクセスせず、ブラウザーのアドレス欄でURLを確認するよう呼びかけています。

警視庁を名乗る相手から連絡があり、確認が必要な場合には、相手から伝えられた電話番号やURLを使わず、自分で警視庁・警察署の公式情報を調べて確認する方法が安全です。

2026年7月末のニセ警察詐欺被害は617.1億円

警察庁は2026年9月4日、7月末までの特殊詐欺統計を公表しました。

ニセ警察詐欺は、

  • 認知件数:5,422件
  • 被害額:617.1億円

です。

前年同期と比べると、

  • 認知件数:368件減、6.4%減
  • 被害額:126.1億円増、25.7%増

となっています。

件数が減少している一方で、1件ごとの被害が高額化している状況がうかがえます。

6月末時点では4,466件、507.9億円だったため、7月の1か月で被害額はさらに100億円を超えて増加しました。

2025年年間のニセ警察詐欺は1万1,014件、被害額1,005.0億円でした。

警察庁は2026年から、被害が急増している「ニセ警察詐欺」を独立した手口として統計上整理しています。

最初の接触は9割以上が電話

2026年上半期の警察庁統計では、ニセ警察詐欺の最初の接触手段は電話が9割以上を占めています。

つまり、偽サイトを検索して偶然アクセスすることが主な入口ではありません。

多くの場合、

  • 警察官
  • 電話会社
  • 総務省などの行政機関

を名乗る電話が最初にあり、その会話の中でSNSやURLへ誘導されます。

このため、偽サイト対策だけを実施しても被害を防ぎきれません。

電話を受けた時点で相手を確認することが被害防止につながります。

実在する警察署の電話番号が表示されても信用しない

警察を装う詐欺では、発信者番号を偽装し、実在する警察署の電話番号をスマートフォンなどに表示させる手口も確認されています。

兵庫県警は、画面に警察署の電話番号が表示されていても、それだけで本物と判断しないよう注意喚起しています。

相手が、

  • 金銭の話をする
  • SNSへ誘導する
  • ビデオ通話を要求する
  • 逮捕状を画像で見せる

などの行動を取った場合には、一度通話を切ります。

そのうえで、自分で公式サイトから警察署の電話番号を確認してかけ直す方法が必要です。

「守秘義務」で家族や勤務先への相談を止める

ニセ警察詐欺では、犯人が被害者を周囲から孤立させる手口も使われます。

警察庁は2025年の事例で、犯人が「守秘義務が課せられている」などと伝え、家族や第三者へ相談できない状態を作る傾向を確認しています。

偽サイトや偽の逮捕状は、この孤立を強化する材料になります。

被害者自身の氏名や住所を記載した文書が表示されると、「警察だけが知っている情報」と誤認しやすくなります。

しかし、氏名、住所、電話番号などは、過去の情報漏えいや名簿、SNS、フィッシングなど別の経路で入手される場合があります。

「自分の情報を知っているから本物の警察」という判断はできません。

暗号資産や金地金を要求する手口も

ニセ警察詐欺で要求されるのは、銀行振込だけではありません。

警察庁は、暗号資産を送信させる手口や、金地金を購入させてだまし取る手口も確認しています。

2026年6月の注意喚起では、ニセ警察官が、

「あなたに逮捕状が出ている」
「身の潔白を証明するには資産を提出する必要がある」

などと伝え、金地金を要求する事件が相次いでいるとしています。

犯人が「警察の口座」「調査用口座」「安全なウォレット」などと説明しても、警察が捜査を理由に資産の移動を求めることはありません。

企業でも「警察を名乗る照会」を社員個人で判断させない

ニセ警察詐欺は個人の資産だけを狙うとは限りません。

警察や捜査機関を名乗って社員へ接触し、

  • 顧客データ
  • 取引先情報
  • 社員情報
  • アクセスログ
  • 社内文書

の提出を求めるソーシャルエンジニアリングも想定できます。

企業では、警察や官公庁から情報提供を求められた場合に、社員が個人判断で対応しない運用が必要です。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 捜査機関からの照会窓口を法務・コンプライアンス部門へ集約しているか
  • 電話だけで個人情報や顧客情報を提出しないルールがあるか
  • 相手が提示した番号ではなく公式番号へ折り返す手順があるか
  • 捜査関係事項照会書などの真正性を確認する担当者を決めているか
  • 社員が警察を名乗る相手から脅された場合の相談経路を整備しているか
  • 社内教育で「権威を悪用する詐欺」を扱っているか

警察官や官公庁の肩書は、社員の判断を急がせる材料として使われます。

「警察だからすぐ対応する」のではなく、「警察を名乗っているから正式な確認手続きを取る」運用にする必要があります。

偽警察サイトを見分けるときの確認事項

警察を名乗るサイトへ誘導された場合は、その場で操作を続けず、次を確認します。

  • 犯人から送られたURLをそのまま信用しない
  • 都道府県警の公式サイトを検索やブックマークから開き直す
  • 正式なドメインと一致しているか確認する
  • 「案件検索」「逮捕状検索」「在宅捜査申請」など、不自然な機能がないか確認する
  • 氏名や番号を入力しない
  • サイトに表示された電話番号へ連絡しない
  • SNS・ビデオ通話へ移動しない
  • 金銭や暗号資産を送らない
  • 不審な場合は#9110または最寄りの警察署へ相談する

偽サイトは正規サイトを複製して作られるため、見た目だけで判別することは困難です。

サイトのデザインではなく、公式ドメインを別経路で確認する必要があります。

警察はウェブサイトで逮捕状を見せない

今回の偽サイト事案で最も分かりやすい判断基準は、「ウェブサイト上の逮捕状」です。

警視庁は、

  • 電話で「捜査対象になっている」と伝える
  • ホームページやSNSで逮捕状の画像を見せる
  • 現金の振り込みを要求する

といった対応はしないと明記しています。

兵庫県警も、SNSでの連絡やテレビ電話による取り調べは行わないと説明しています。

警察庁も、偽サイトで逮捕状を表示させる事例を詐欺手口として注意喚起しています。

警察のロゴや公式サイトと同じデザインが使われていても、逮捕状の検索・表示を案内された時点で詐欺を疑うべきです。

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警察官を装う詐欺では、生成AIによる顔加工やビデオ通話など、偽装手段も高度化しています。

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企業の社員が警察を名乗る人物からデータ提出を求められた事例については、安藤ハザマ、ソーシャルエンジニアリングで約5,000件の個人情報漏洩の恐れも参考になります。

出典