タイムズカーの大規模な個人情報漏洩をめぐり、牧野法律事務所が開設した集団訴訟の準備サイトへの登録者が、2026年10月5日時点で約3万7000人に達したとFNNプライムオンラインが報じました。
タイムズカーでは、第三者による不正アクセスによって約660万アカウントの会員情報が取得されたことが確認されています。このうち約160万アカウントでは、運転免許証画像などの本人確認書類の漏洩も確認されています。
ただし、準備サイトへの登録は「集団訴訟への参加意思の表明」であり、登録した時点で原告になるわけではありません。弁護士との委任契約、費用、実際に提訴するかどうかも現時点では確定していません。
タイムズカーの現会員だけでなく、退会済みの人や入会手続きを完了しなかった人も漏洩対象に含まれています。過去に利用したことがある人も、自分が対象かを確認する必要があります。
タイムズカー情報漏洩と集団訴訟のサマリー
- タイムズカーは2026年9月25日、Webシステムへの不正アクセスを検知しました。
- 調査の結果、約660万アカウントの会員情報が第三者に取得されたことを確認しています。
- 対象には現会員だけでなく、退会済み会員、入会未完了者、タイムズビジネスサービスの現・旧会員も含まれます。
- 漏洩した情報は対象者によって異なり、氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス、運転免許情報、本人確認書類情報などが含まれます。
- 約160万アカウントでは、運転免許証画像など本人確認書類の漏洩が確認されています。
- クレジットカード情報の漏洩は確認されていません。
- パスワードは復元できない形式で保存されていたとタイムズカーは説明しています。
- 10月5日時点で、本件に起因する個人情報の不正利用や、不特定多数への公開は確認されていません。
- 牧野法律事務所が集団訴訟の準備サイトを開設しています。
- FNNによると、10月5日時点で登録者は約3万7000人に達しました。
- 登録は参加意思の表明であり、弁護士との委任契約や提訴が成立したわけではありません。
集団訴訟の準備サイトに約3万7000人が登録
FNNプライムオンラインは10月5日、タイムズカーの情報漏洩をめぐり、牧野法律事務所が開設した集団訴訟の準備サイトに約3万7000人が登録したと報じました。
牧野法律事務所は9月30日から、タイムズカーの現会員・元会員などを対象に参加希望者を募集しています。
同事務所の特設サイトでは、タイムズカー運営会社などに対し、個人情報を適切に管理する義務を怠ったことによる慰謝料などの損害賠償請求を検討するとしています。
法的な根拠として、
- 民法上の不法行為責任
- 会員契約上の安全管理義務違反
などを想定しています。
ただし、これは弁護士側が検討している法的構成です。パーク24やタイムズモビリティの法的責任が確定したわけではありません。
登録しただけでは「集団訴訟の原告」にならない
参加を検討する人が最初に確認したいのが、現在の「登録」の意味です。
牧野法律事務所の特設サイトによると、現段階の登録は「参加意思の表明」です。
登録した時点では、
- 弁護士との委任契約は成立しない
- 費用の支払いは発生しない
- 原告になるわけではない
- 実際に訴訟が提起されるとは限らない
とされています。
今後、登録者に費用や手続き、委任書類などが案内され、その内容に同意して委任書類を提出した段階で弁護士との契約が成立します。
また、一定数の委任が集まり、タイムズカー側の公表内容や調査結果、証拠などを検討したうえで、訴訟が可能と判断した場合に東京地方裁判所への提訴を検討するとしています。
そのため「3万7000人が集団訴訟を起こした」という状態ではありません。
タイムズカーでは約660万アカウントの情報が取得された
タイムズカーは9月25日9時7分、Webシステムへの外部からの不正アクセスを検知しました。
外部専門機関と調査した結果、第三者による不正アクセスと、一部会員情報の取得を確認しています。
漏洩したアカウント数は約660万件です。
対象には、
- 現在のタイムズカー会員
- 退会済みのタイムズカー会員
- 入会を申し込んだものの手続きが完了しなかった人
- タイムズビジネスサービスの現会員
- タイムズビジネスサービスの退会済み会員
が含まれます。
対象者によって異なりますが、漏洩した情報として、
- 氏名
- 法人会員の所属部署名
- 住所
- 生年月日
- 電話番号
- メールアドレス
- 運転免許情報
- 本人確認書類情報
- パスワード
- 連携サービスID
が公表されています。
タイムズカーは、パスワードについては復元できない形式で保存しており、その情報を利用してアカウントを不正利用されるおそれはないと説明しています。
クレジットカード情報の漏洩も確認されていません。
約160万アカウントでは運転免許証画像なども漏洩
9月29日の第3報では、約160万アカウントについて本人確認書類の漏洩が確認されたことが公表されました。
対象には、
- 運転免許証画像
- 公共料金の請求書などの現住所確認書類
- 学生証画像
- 家族確認書類画像
が含まれます。
本人確認書類は、メールアドレスやパスワードのように簡単に変更できる情報ではありません。
特に運転免許証には、氏名、生年月日、住所、顔写真、免許証番号など、本人確認で利用される複数の情報が含まれます。
運転免許証や免許証情報が漏洩した場合に、どのようななりすましや本人確認の悪用が考えられるのかについては、以下の記事で詳しく整理しています。
運転免許証や免許証情報が漏洩した場合の悪用シナリオと対策|AIで住所・顔写真を改変されたらクレジットカードやローン契約はできるのか
自分の情報が対象か確認する方法
現在の会員については、タイムズカーから対象者へ順次個別案内が行われています。
本人確認書類の漏洩が確認された会員については、9月29日からメールによる個別案内が始まりました。
タイムズカーは、各会員について具体的に何が漏洩したのかについて、外部専門機関の調査結果を踏まえ、改めて案内するとしています。
退会済みの場合も対象になっている可能性があります。
タイムズカーは10月1日の追記で、退会済みの人が自分の情報が対象か確認するための専用問い合わせフォームを案内しています。
「数年前に退会したから関係ない」とは限りません。
対象者が今のうちに保存しておきたいもの
集団訴訟への参加を考えているかどうかにかかわらず、対象者は今回の事案に関する記録を削除せず保存しておく方が確認しやすくなります。
牧野法律事務所の特設サイトでも、証拠として残しておくものとして、
- タイムズカーから届いた漏洩通知メール
- お詫びや案内
- 不審なメールやSMS
- 身に覚えのない決済
- 不審なログイン記録
などを挙げています。
メールについては、スクリーンショットだけではなく元のメール自体も保存しておくと、送信日時や送信元などを後から確認できます。
また、タイムズカーから今後「あなたについて漏洩した項目」が追加で通知された場合も保存しておきます。
集団訴訟に参加すれば慰謝料が必ず支払われるわけではない
個人情報漏洩では、過去の裁判で慰謝料が認められた事例があります。
ただし、
- どの情報が漏洩したか
- 実際の不正利用があったか
- 情報の秘匿性
- 企業側の管理状況
- 漏洩後の対応
- 個人に具体的な被害が発生したか
などによって判断は変わります。
牧野法律事務所の特設サイトでは、過去の個人情報漏洩訴訟として、1人あたり数千円から数万円程度が認められた裁判例を紹介しています。
ベネッセの個人情報漏洩をめぐる裁判でも、東京高裁は一部の原告について、個人情報漏洩による精神的損害として1人3000円の慰謝料を認めた判決があります。
一方、今回のタイムズカーでは、運転免許証画像などの本人確認書類まで漏洩したアカウントが約160万件存在します。
過去の裁判と漏洩情報の内容が同じではないため、今回の賠償額を過去事例からそのまま予測することはできません。
集団訴訟への参加費用はまだ決まっていない
10月5日時点では、集団訴訟に参加する場合の弁護士費用は公表されていません。
牧野法律事務所は、
「費用は後日案内し、その費用に合意しない限り支払いは発生しない」
としています。
そのため、登録するかどうかと、最終的に委任契約を結んで訴訟へ参加するかどうかは別に判断できます。
参加を検討する場合は、今後提示される、
- 着手金
- 成功報酬
- 実費
- 訴訟が長期化した場合の追加負担
- 賠償額が少額だった場合の費用とのバランス
などを確認したうえで判断する必要があります。
集団訴訟を装った偽サイト・詐欺にも注意
大規模な情報漏洩の後は、そのニュース自体を利用したフィッシングや詐欺が発生することがあります。
今回、牧野法律事務所は自社サイトで「timescar-lawsuit.com」が同事務所の公式な特設サイトであることを明記しています。
同時に、同事務所の名前をかたる別サイトやメール、SNSアカウントへの注意も呼びかけています。
集団訴訟に参加すると称して、
- 運転免許証画像
- クレジットカード番号
- インターネットバンキング情報
- ワンタイムパスワード
- 多額の前払い費用
などを要求する連絡には注意が必要です。
特設サイトも、検索広告やSNS上のリンクだけを信用するのではなく、牧野法律事務所の公式サイトから確認する方法があります。
タイムズカー利用者が今確認したい5つのこと
今回の情報漏洩で個人が優先して確認したいのは、次の5点です。
- タイムズカーから漏洩に関するメールが届いていないか確認する
- 自分について何の情報が漏洩したのか確認する
- 運転免許証など本人確認書類が対象だったか確認する
- タイムズカーや弁護士を装う不審なメール・SMS・電話に注意する
- 公式通知、不審な連絡、身に覚えのない取引などの記録を保存する
退会済みの人も漏洩対象に含まれます。
自分が対象か分からない場合は、タイムズカーが案内している公式窓口から確認できます。
運転免許証画像が漏洩していた場合の具体的なリスクや、信用情報・金融サービスなどで確認したい事項については、運転免許証情報が漏洩した場合の悪用シナリオと対策で詳しく解説しています。







